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爆裂都市 BURST CITY(1982)

爆裂都市 BURST CITY(1982、ダイナマイト・プロダクション、116分) ●監督:石井聰亙 ●出演:陣内孝則、大江慎也、戸井十月、町田町蔵、泉谷しげる タイトルやクレジットのフォントに80年代の戦隊モノみたいな雰囲気を感じた。 その後登場したバンドも戦隊ヒーローのようなアクの強いカッコよさだった。 ビートルズのチラシを踏みつけていたけど、演奏はいたってオーソドックスなロックンロールだった。 ストーリーはあるようで、無い。 ただ、中盤から終盤にかけての暴動の

パラダイスの夕暮れ(1986🇫🇮)

原題: VARJOJA PARATIISISSA(1986、フィンランド、80分) ●脚本・監督:アキ・カウリスマキ ●出演:マッティ・ペロンパー、カティ・オウティネン、サカリ・クオスマネン、エスコ・ニッカリ アキ・カウリスマキの初期作品。 一時は中古でもわりと高価なボックスでしか見られなかったが、今では手軽に動画配信で見られるのだから本当に便利になりました。 マッティ・ペロンパーとカティ・オウティネンの二人が主演。 久しぶりにカウリスマキの作品を鑑賞したが、改めて見

瞳をとじて(2023🇪🇸)

原題: CERRAR LOS OJOS(2023、スペイン、169分) ●監督:ビクトル・エリセ ●出演:マノロ・ソロ、ホセ・コロナド、アナ・トレント、ペトラ・マルティネス、マリア・レオン、マリオ・パルド、エレナ・ミケル、アントニオ・デチェント、ホセ・マリア・ポウ、ソレダ・ビジャミル、フアン・マルガージョ、ベネシア・フランスコ 「物語」を創作物として表現する際、小説や絵本、戯曲、舞台やミュージカル、漫画、アニメ、映画、テレビドラマ、ラジオドラマ、人形劇などさまざまな手法・形

ビートルジュース(1988🇺🇸)

原題: BEETLEJUICE(1988、アメリカ、92分) ●監督:ティム・バートン ●出演:アレック・ボールドウィン、ジーナ・デイヴィス、キャサリン・オハラ、グレン・シャディックス、ジェフリー・ジョーンズ、ウィノナ・ライダー、シルヴィア・シドニー、マイケル・キートン 続編が今年全米公開されるということで、この『ビートルジュース』を久しぶりに観てみた。 とっても面白く、92分があっという間に終わってしまった。 ビートルジュースがとにかく良くて、マイケル・キートンが「い

ひなぎく(1966🇨🇿)

原題: Sedmikrásky(1966、チェコスロヴァキア、75分) ●監督:ヴェラ・ヒティロヴァー ●出演:イトカ・ツェルホヴァー、イヴァナ・カルバノヴァー 回る歯車と戦争のモンタージュで始まる。 「女の子映画」と宣伝されているが、映画全体がモンタージュ的なこの作品を紐解くうえでは言語的な論理性では太刀打ちできず、…と思いきや時折タイプライター風にト書きのようなものが挿入されるという理屈で考えようとするにはやや難解な映画。 これもナンセンスなことではあるが、映画内で

緋牡丹博徒 一宿一飯(1968)

緋牡丹博徒 一宿一飯(1968、東映、94分) ●監督:鈴木則文 ●出演:藤純子、菅原文太、待田京介、村井国夫、城野ゆき、白木マリ、山城新伍、玉川良一、小島慶四郎、天津敏、遠藤辰雄、西村晃、水島道太郎、若山富三郎、鶴田浩二 『緋牡丹博徒』シリーズの第2作目。 肝心の第1作目は未見だが鈴木則文脚本・監督ということでこの2作目から観てみた。 明治の中頃、上州富岡が舞台。 緋牡丹のお竜を演じる藤純子が櫓の上で八木節に合わせて太鼓を叩くにぎやかなタイトルバック。 クレジット

緋牡丹博徒 花札勝負(1969)

緋牡丹博徒 花札勝負(1969、東映、98分) ●監督:加藤泰 ●出演:藤純子、若山富三郎、待田京介、清川虹子、小池朝雄、天津敏、嵐寛寿郎、藤山寛美、高倉健 オープニング、犬を追って盲目の少女が線路に入り、汽車が近づく。そこをお竜が助ける。 誰の目線なのか?というくらいの極端なローアングル。 タイトルバックの後、お竜が仁義を切るシーンは正面でなく真横から。 このシーン以外でもお竜がお参りをする場面等々、とにかく人物の顔を真横から映すことが多く、シネマスコープを意識した

ファーゴ(1996🇺🇸)

原題: FARGO(1996、アメリカ、98分) ●脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン ●製作:イーサン・コーエン ●監督:ジョエル・コーエン ●出演:フランシス・マクドーマンド、ウィリアム・H・メイシー、スティーヴ・ブシェミ、ピーター・ストーメア、クリステン・ルドルード、ハーヴ・プレスネル、ジョン・キャロル・リンチ サスペンス風のコメディでもあり、コメディ的なサスペンスでもあると称されるコーエン兄弟の作品群において、その特徴を顕著に表している作品。 当初の計画

豚小屋(1969🇮🇹)

原題: PORCILE(1969、イタリア=フランス、94分) ●原案・脚本・監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ ●出演:ピエール・クレマンティ、フランコ・チッティ、ジャン=ピエール・レオ、アンヌ・ヴィアゼムスキー、ニネット・ダヴォリ 現代と中世、二つの世界の場面が交互に展開される構成。 タイトル通り豚小屋のタイトルバックが終わると、パゾリーニの前作『テオレマ』のラストシーンを彷彿とさせる荒野から始まる。 このインパクトのあるタイトルだ。 まず「豚」について考える。

フットボール・ファクトリー(2004🇬🇧)

原題: THE FOOTBALL FACTORY(2004、イギリス、87分) ●監督:ニック・ラブ ●出演:ダニー・ダイア、フランク・ハーパー、タマー・ハッサン、ローランド・マヌーキアン、ダッドレー・スットン、ジェイミー・フォアマン フーリガンについての映画である。 フーリガンは過激なサポーターではなく、応援するサッカークラブの試合を口実にして集団で暴力行為を働く者たちのことである。 起承転結のようなストーリーはなく、いちおう主人公のトミーがいい年してフーリガンなんて

フーリガン(2005🇬🇧)

原題: GREEN STREET HOOLIGANS(2005、イギリス=アメリカ、109分) ●監督:レクシー・アレクサンダー ●出演:イライジャ・ウッド、チャーリー・ハナム、クレア・フォーラニ、マーク・ウォーレン、レオ・グレゴリー、ピーター・ヒアー、ロス・マッコール、レイフ・スポール、ジェフ・ベル、キーラン・ビュー 『フットボール・ファクトリー』と似たテーマだがこちらは主人公がアメリカ人の若者(イライジャ・ウッド)ということで部外者からの視点が設定されていて、ドラマの雰

不良姐御伝 猪の鹿お蝶(1973)

不良姐御伝 猪の鹿お蝶(1973、東映、88分) ●脚本・監督:鈴木則文 ●出演:池玲子、成瀬正孝、衣麻遼子、早乙女りえ、三原葉子、一の瀬レナ、丘ナオミ、碧川ジュン、根岸明美、林真一郎、岡八郎、大泉滉、堀陽子、内田勝正、マイク・ダーニン、河津清三郎、殿山泰司、遠藤辰雄、名和宏、クリスチーナ・リンドバーグ 鈴木則文監督、池玲子主演によるピンキー・バイオレンスの名作。Amazonの東映オンデマンドの他、U-NEXTでも視聴可能。 「明治十九年(1886)東京」というやけにバカ

プロミスト・ランド(2012🇺🇸)

原題: PROMISED LAND(2012、アメリカ、106分) ●監督:ガス・ヴァン・サント ●出演:マット・デイモン、ジョン・クラシンスキー、フランシス・マクドーマンド、ローズマリー・デウィット、スクート・マクネイリー、タイタス・ウェリヴァー、テリー・キニー、ハル・ホルブルック いわゆる「シェールガス革命」により巻き起こったエネルギー会社による土地買収を巡る、企業側の人間と小さな町の住民との間で起こるドラマを描くガス・ヴァン・サント作品。 タイトルがクレジットされる

ぼくのプレミア・ライフ(1997🇬🇧)

原題: FEVER PITCH(1997、イギリス、102分) ●原作・脚本:ニック・ホーンビィ ●監督:デイヴィッド・エヴァンス ●出演:コリン・ファース、ルース・ジェメル、ルーク・エイクマン、ニール・ピアソン 全てのアーセナルサポーター、いや、全てのフットボールクラブサポーター必読の書『ぼくのプレミア・ライフ』の実写映画化。 ホーンビィ自身が脚本をしているということもあり、偏執病的なまでのアーセナル愛と自らの半生を書きつづった原作と違って、アーセナルサポーターの男の恋