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さ行の映画

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記事一覧

サッカー小僧(1974🇸🇪)

原題: FIMPEN(1974、スウェーデン、90分) ●監督:ボー・ヴィデルベルイ ●出演:ヨーハン・ベルイマン、モニカ・ゼッテルンド、インゲル・ベルイマン 舞台はスウェーデン。サッカーの天才少年ヨーハンがクラブチームにスカウトされ大活躍、ついには代表チームにまで選ばれてしまいワールドカップ予選を戦うことになるというお話。 映画のムードはサクセスストーリーとかそんなもんではなく、ほのぼのとしたユーモアに包まれている。 ヨーハン、通称フィンペン(チビッコ)がスカウトされ

ザ・マスター(2012🇺🇸)

原題: The Master(2012、アメリカ、137分) ●脚本・監督:ポール・トーマス・アンダーソン ●出演:ホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス 約2時間15分というそこそこの長さだったけれども、すごく長かったという感じはしなかった。 説明の少ない回想を断続的に入れながらなのでいつ映画が本格的に動き出すかとジッと観ていると、フィリップ・シーモア・ホフマンが出てきてからストーリーにピントが合った気がした。 ポール・トーマス・ア

残酷異常虐待物語 元禄女系図(1969)

残酷異常虐待物語 元禄女系図(1969、東映、93分) ●監督:石井輝男 ●出演:橘ますみ、葵三津子、賀川雪絵、カルーセル麻紀、小池朝雄、吉田輝雄 土方巽による舞踊から始まるタイトルバック。 エログロのショーケースのような異常な世界観は、これから始まる映画は凡百の時代劇とは全く違うということを示している。 吉田輝男演じる町医者がストーリーテラー的ポジションで、三つの話を幕間なくつなげていくオムニバス形式というのは『徳川女刑罰史』等と同じ構成。 明示はないが、第一話が残

幸せなひとりぼっち(2015🇸🇪)

原題: EN MAN SOM HETER OVE(2015、スウェーデン、117分) ●脚本・監督:ハンネス・ホルム ●出演:ロルフ・ラッスゴード、フィリップ・バーグ、イーダ・エングヴォル、バハール・パルス 妻を亡くし、仕事も解雇となり自殺を図ろうとした孤独な老人の隣にイラン出身の家族が越してきて、交流が深まっていくにつれて新たな幸せな生活の日々を取り戻していくというストーリー。 ちなみにアマプラ、U-NEXTともに字幕版・吹き替え版選択可能。    『アバウト・シュミッ

資金源強奪(1975)

資金源強奪(1975、東映、91分) ●監督:深作欣二 ●出演:北大路欣也、太地喜和子、室田日出男、川谷拓三、小泉洋子、渡辺やよい、芹明香、安部徹、今井健二、林彰太郎、北村英三、天津敏、名和広、松方弘樹、山城新伍、梅宮辰夫 始まるやいなやいきなり銀行強盗。そっから刑法236条が表示されて、名和宏に脅されて鉄砲玉となった北大路欣也がヤクザの親分を撃って、タイトルバックは刑務所と新聞記事。つまりもうこの時点で状況説明が一通り済まされるという相変わらずのスピード感。 そしてなぜ

地獄(1960)

地獄(1960、新東宝、101分) ●監督:中川信夫 ●出演:天知茂、沼田曜一、中村虎彦、宮田文子、三ツ矢歌子、林寛、徳大寺君枝、山下明子、大友純、大谷友彦 オープニングのタイトルバックからして奇怪。 「ねんねんころりよ」の子守歌が流れ、火葬される棺の次には踊る裸の女たちが映り、喘ぎ声やら、「よーいスタート!」の掛け声、銃撃音など雑多なノイズ。 そして地獄へのイントロダクションが断片的に展開されると、仏教の地獄思想の講義という現実的な場面へとストーリーは転生しここからジ

地獄(1979)

地獄(1979、東映、131分) ●監督:神代辰巳 ●出演:原田美枝子、岸田今日子、石橋蓮司、林隆三、栗田ひろみ、西田健、田中邦衛、加藤嘉、稲野和子、岡島艶子、佐藤友美、藤本英之、上田孝則、浜村純、毛利菊枝、金子信雄、天本英世、大前均 新東宝の中川信夫監督の『地獄』とは特に関連がない、神代辰巳監督、田中陽造脚本による本作。 冒頭の地獄に関するナレーションから、真面目な映画なのかと思ったらいきなり一気にトンデモ展開。 いかにも人工的な真っ赤な山椿の中で女が出産。見えない力

ジミー、野を駆ける伝説(2014🇬🇧🇮🇪)

原題: JIMMY'S HALL(2014、イギリス=アイルランド=フランス、110分) ●監督:ケン・ローチ ●出画:バリー・ウォード、シモーヌ・カービー、アンドリュー・スコット、ジム・ノートン、ブライアン・F・オバーン、シェーン・カレン、ソーチャ・フォックス、アシュリン・フランシオーシ 、カール・ギアリー、デニース・ガフ、フランシス・マギー 、アイリーン・ヘンリー、ステラ・マクガール、マーティン・ルーシー、マイケル・マーフィ 大恐慌のニューヨークから故郷アイルランドへ帰

シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(2018🇫🇷)

原題: L'Incroyable Histoire du Facteur Cheval(2018、フランス、105分) ●監督:ニルス・タベルニエ ●出演:ジャック・ガンブラン、レティシア・カスタ、ベルナール・ル・コク、フローレンス・トマシン、ナターシャ・リンディンガー、ゼリー・リクソン、エリック・サバン、オレリアン・ウィイク 小学生のころ持っていた百科事典に、確かアントニオ・ガウディのページの隅のちょっとしたコラム的にこのシュヴァルの理想宮のことが書かれていた。 すべて

女囚701号 さそり(1972)

女囚701号 さそり(1972、東映、87分) ●原作:篠原とおる ●監督:伊藤俊也 ●出演:梶芽衣子、横山リエ、夏八木勲、渡辺文雄、扇ひろ子、渡辺やよい、三原葉子、根岸明美、国景子、片山由美子、城恵美、三戸部スエ 、小林千枝、由貴リエ、室田日出男、伊達三郎、堀田真三、沼田曜一 冒頭「この物語に登場する刑務所及び人物設定は全てフィクションであり…」とまず「刑務所」というワードを使うのが変というか面白かった。 からの"君が代"と日の丸国旗掲揚。NHKの放送終了画面かと思った

女囚さそり 第41雑居房(1972)

女囚さそり 第41雑居房(1972、東映、93分) ●原作:篠原とおる ●監督:伊藤俊也 ●出演:梶 芽衣子、白石加代子、荒砂ゆき、伊佐山ひろ子、八並映子、賀川雪絵、石井くに子、渡辺文雄、室田日出男、堀田真三、小松方正阿藤 海、田中筆子、小林稔侍、笠原玲子、戸浦六宏、園かおる 『さそり』シリーズ2作目。 前作は君が代からのスタートだったが今回は三味線。 シュールという表現が安っぽくなるほど、情念とか怨念が込められており、仮にリメイクしたところでこれは再現できないだろうな

死霊の盆踊り(1965🇺🇸)

原題: ORGY OF THE DEAD(1965、アメリカ、91分) ●原作・脚本:エドワード・D・ウッド・Jr. ●監督:A・C・スティーブン ●出演:クリスウェル、パット・バリンジャー、ファウン・シルバー、ウィリアム・ベイツ ティム・バートンの『エド・ウッド』は観たことあったけど当のエド・ウッド監督作品は観たことがなかったから、教養(?)として観てようかなということで鑑賞。 カルト映画としての評価は承知で観てみたが、、、ウ~ム。これは映画なのだろうか?? 延々と裸

仁義なき戦い(1973)

仁義なき戦い(1973、東映、100分) ●脚本:笠原和夫 ●監督:深作欣二 ●出演:菅原文太、松方弘樹、渡瀬恒彦、伊吹吾郎、中村英子、川地民夫、名和広、内田朝雄、金子信雄、田中邦衛、梅宮辰夫 原爆のキノコ雲を背景に、「昭和二十一年 広島 呉」の文字と共に始まる。 冒頭からとにかくカメラが動き回り、船の中かなっていうくらい全然水平にならない。 いきなり刀で腕を叩き切る残酷な暴力描写がありつつ、戦後の闇市から始まったということを象徴するように丁半のサイコロを入れるのが缶詰

仁義なき戦い 広島死闘篇(1973)

仁義なき戦い 広島死闘篇(1973、東映、100分) ●脚本:笠原和夫 ●監督:深作欣二 ●出演:菅原文太、千葉真一、梶芽衣子、山城新伍、名和広、成田三樹夫、前田吟、金子信雄、遠藤辰雄、小池朝雄、北大路欣也 幕開けは昭和25年の広島。 本作の主人公、山中(北大路欣也)が傷害罪で捕まるところから始まる。 刑務所の中で土居組組長射殺事件で服役中だった広能(菅原文太)に出会い、仮出所した直後の飯屋で後に情婦となる靖子(梶芽衣子)にここで働かせてくれとせがみ、それに対し無銭飲食