日本の再起三起を期待する

日本の再起三起を期待する
“シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」254/通算685 2023(令和5)年12/24/日】22日は雀の水飲み場が初氷、冬子の季節本番だ。「雪の下で田畑は来年に備えてじっくり熟成されるのだ」と秋田の人が言っていたっけ。熟成する人、経年劣化でカビル人・・・人間は色々だが、最後まで現役でありたいものだ。ま、天命次第だけれど、一歩でも二歩でも前進する気持ちは大事だろう。

用水路沿いの小生お気に入りの散歩道のうち100mほどを「思い出の小道」と名付け、折に触れて掃除や除草、剪定をしてきたが、20日と21日の手入れで今年の“趣味の出張園芸”は終わりそうだ。折に触れて大きくなり過ぎて景観を邪魔している樹の剪定をしていけば来春はずいぶん明るい感じになるだろう。一見すると野生のようだが優しい感じ・・・そんな風にしたいと思っている。フランスのベルサイユ宮殿の庭はもろに「人工」でがっかりしたが、日本人はクロード・モネの絵のような「自然と人造を調和したような景観」に感動するという美学を好むようだ。優れた庭師は5年後10年後100年後を想定して庭を創るという。

日本人の美学・・・荷風はこれ見よがしの美を侮蔑し、清貧ながらひっそりと生きている美を愛した。荷風の美学を「美しければすべて良し」と言ったのは夏彦翁だった。小生は日課のチャリ散歩で経年劣化した昔ながらの黒っぽい民家を見ると感動し、「ああ、いいなあ、一日でも寝泊まりしたい」といつも思う。多分、一日で十分、もういいです、となりそうだが・・・

日本人のマインド、生き方、宗教観などからすれば、欧米、特に米国のリベラル派は性に合わないのではないか。彼らは主にキリスト教系が多いが信仰心は薄く、自称「自由民主人権法治平等志向」で主に民主党支持者だ。米国人の半数を占める民主党支持者とはどういう人か?

日本人にとって米国民主党の代表格は「真珠湾の罠」で日本を破滅に追い込んだFDRルーズベルト大統領だろう(1882年1月30日 - 1945年4月12日)。とんでもないワルだが、米国人にとっては世界制覇を成し遂げた大統領として今でも尊敬されている。勝てば官軍、負けた日本は賊軍・・・

<Franklin Delano Roosevelt:アメリカ合衆国第32代大統領(在任1933‐45)。ニューヨーク州知事をつとめ、1933年民主党から推されて大統領に就任。ニューディール政策を推進して、大恐慌を切り抜け、第二次世界大戦では連合国の戦争指導に当たり戦争を勝利に導き、また、チャーチルと大西洋憲章を宣言、国際連合組織の基礎を確立した>(日本国語大辞典)

小生はFDRルーズベルトと米国民主党は共産主義者であり、日本にとってはロクでもない勢力だと嫌っているが、その民主党に真正面から戦を挑んだマッカーシーは1943年に憤死してしまったものの、今でも小生は残念に思っている。

<Joseph Raymond McCarthy、1908―1957:アメリカの政治家。ウィスコンシン州の農家に生まれる。苦学して1935年にミルウォーキーの大学を卒業。弁護士を経て州の巡回判事となる。第二次世界大戦時は海兵隊に入り戦功をあげる。
1946年、共和党の上院議員に当選。1950年2月、トルーマン政権の対中国政策の失敗に乗じ「赤狩り」に乗り出し、「マッカーシー旋風」を巻き起こす。
1952年選挙で再選後は攻撃目標を拡大し、FDRルーズベルト、トルーマンを裏切り者と非難、さらにアイゼンハワー政権や軍部をも追及するに至った。だが、その非民主的調査とデマゴーグに対する不安と非難はしだいに強まり、1954年末、上院はマッカーシー譴責決議案を採択、以後、彼の政治的影響力は急速に失われた>(日本大百科全書)

マッカーシーによる「赤狩り」レッドパージ・・・成功していれば、成功していたらの「レバタラ」だけれど、少なくとも露中北はとっくに消滅し、世界は随分すっきりしていただろうにと小生はいまだに残念に思う。米国のアカ共はこんな風に言い逃れしていたのだ。

「共産主義とは自由民主人権法治平等を目指す思想ですから、それを良しとする私たちは『共産主義者』を自称していました。だからと言ってソ連を支持している訳ではないのです。自由民主主義者の通称として共産主義者と自称していたに過ぎません」

この出典はどこだったろうと探したが見つからなかったが、米国共産主義者のリーダー格だったレオ・ヒューバーマン(Leo Huberman、 1903 - 1968年、以下、レオと略す)の著作「社会主義入門」(岩波)の追加論稿に、「1953年7月14日、マッカーシー委員会における証言速記録」があった。質問者は委員のコーン、ムントという方。以下、一部転載する。

委員長: 右手を挙げて宣誓してください。あなたは真実を語って、真実以外の何事も語らない、と神のまえに厳粛に誓いますか。
レオ: 誓います。
コーン: あなたは「The Truth about Socialism」 (邦訳「社会主義入門」)などの(多数の書籍の)著者ですか。
レオ: そうです。
コーン: これらの本はみんな(広く)使用されています。そのうちの一冊は、国務省情報センターの図書館にも今でも備え付けてあります。情報センターは政府の形態と制度のもとで、米国の生活様式などについても情報を提供していますが、ある職員が100冊以上もあなたの著書を購入した。そこで質問したい。あなたは資本主義を信奉していますか。
レオ: そのような質問には答えられません。その質問は良心、信念、思想に関する私の自由を侵害するものです。この自由は憲法第一修正条項によって保護されています。その質問は私の言論と出版の自由のみならず、他の著者たちの自由を抑えるようになるでしょう。委員会の規約、かつ憲法によって許されている委員会の権限の範囲を逸脱しています。

委員長: あなたは答弁を命じられているのです。念のために申しますが、あなたの著作が我々のボスである納税者たちのカネで購入され、「共産主義と戦うという目的のためと称して配布されている」という点に関すること以外では、本委員会はあなたの信念なり著作について全く関心を持っておりません。
ただ、我々があなたの本を購入して、政府承認のスタンプを押して全世界に配布している限り、あなたが共産主義を支持しているかどうか、あなたが我々の政府制度を信奉しているかどうかを知ることに、我々は関心を持っているのです。国民は明らかに委員会を信奉しています。
米国の政府形態を破壊しようとしている人の著書を政府が購入したとすれば、国民はそれ(の経緯、妥当性)を知る権利があります。あなたは我々の政府制度を信奉するか、と質問されています。答弁によって罪に問われるかもしれない、という恐れがない限り、答弁を命じます。 
レオ: 信奉しています。

ムント: あなたは「America, Incorprated」という著作の中で、「アメリカは病気にかかっている、資本主義という病気だ」と書いている。あなたが書いたのですか。
レオ: 書きました。私はマルクス主義者で、社会主義者ですから。
ムント: あなたが社会主義者だというのは分かりますが、「マルクス主義者で、社会主義者だ」というのは、あなたが共産主義者で、社会主義者だ、というようにとれます。そのとおりですか。
レオ: 違います。
ムント: そこのところを手短に説明してくれませんか。
レオ: マルクス主義者とはなにか、を手短に説明することはできません。そのためには講義を10回もしなければならないでしょう。私はマルクス主義者で、社会主義者です、そして全世界の数百万の非共産主義者と同じように、目標や方法が一致している限り、共産主義者をはじめ他の人々と協力できる、と信じています。

ムント: あなたは共産主義者ではないとおっしゃるが、マルクス主義者であることと共産主義者であることとを、あなたはどう区別しているのか。
レオ: 目標や方法が一致している限り、私は時折共産主義者と協力してきた、と申し上げたばかりです。私は著作家、編集者で、他に職業はなく、他の収入の途もありません(から共産主義者も大事な読者です)。
ムント: あなたの見解は共産党の見解と、どう違うのですか。
レオ: 質問は良心、信念、思想に関する私の自由を侵害するものです。著者としての私の権利を侵害し、私自身のみならず他のすべての著作家の自由を抑えることになるでしょう。
ムント: 断っておきますが、私の質問はあなたの言論の自由を少しも侵害してはおりません。私はあなたが自分の言論の自由を行使されるように仕向けているのです。(つづく)
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長くなってしまったので続きは次回に。なお、レオ・ヒューバーマンは1957年に日本労働組合総評議会(総評)の招きで来日し、各地で講演したという。総評は敗戦直後に設立された日本社会党の最大の支持基盤で、彼らはソ連の子分である日本共産党(コミンテルン日本支部=暴力革命推進)とは距離を置いていたものの、共産主義を良しとする勢力だった。社会党は1996年に事実上自滅し、後継政党の一つが立憲民主党だが、党勢は年々衰えているよう。

米国のアカ=共産主義者は狡猾に変身して民主党(Democratic Party)として勢力を維持しているが、政権に着けばリターン(見返り)が大きいので党員や支持者は実に熱心だ。儲かれば何でもやるのが米国人気質かもしれない。

一方、日本のアカ政党や支持者は高齢化もあっては存在感は年々希薄になるばかりだが、敗戦後の今の日本では、政治家になって国家国民のために貢献しようとか、あるいは金儲けしようという風習や気風がほとんどないのではないか。「まともな堅気の人は政治家になるなんて思わない、箸にも棒にもかからないような奴が政治家になる」なんて思っている人は結構多そうだ。

軽佻浮薄で狡猾な拝金教徒の銭ゲバ VS 真面目で清貧的な堅気・・・戦争とか競争では銭ゲバの方が勝ちそうだが、永遠の連勝はない。一方で真面目な堅気は死ぬまで戦うし、子孫もその志を引き継ぐから、永遠の敗者というのもない。
どちらの道を選ぶか。戦争はないに越したことはないが、日本国の1600年に及ぶ対外戦史を振り返ると、たとえ今は軟弱でも、再起三起のDNAがあると小生は信じている。正論か? 妄想か? 間もなく分かるだろう。
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*読者諸兄の皆さま、御意見を! ishiifam@minos.ocn.ne.jp
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まぐまぐID 0001690154「必殺クロスカウンター」
https://note.com/gifted_hawk281/n/n9b3c7f4231f9
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