子どもの定型発達/発達障がいについて〈続き3〉

ベビーシッター歴10年以上の経験から見て


乳幼児を中心に小学校低学年までの子どもたちをベビーシッターとして見てきて感じる事は、「困った子ども/扱いにくい子ども」というレッテルを大人が貼ることで余計に大人にとって困った行動が加速されるという事です。


《大きく分けてこうした大人の対応には2パターンあります。》


2【厳しく躾しようとしすぎる】

「大人が甘やかすからこの子は調子に乗って我儘な振る舞いをするんだ」と思い込んで、必要以上に子どもの自由を奪って厳しく制約してしてしまうパターン。


前回は「甘やかす」と「甘えさせる」の違いが分かる大人が少ないのかもしれないなと感じる。

というお話でした。

この2つは言葉が似ているので間違えて解釈してしまう方が大変多いです。


最初に「甘やかす」についてですが、コレはおそらく多くの大人が無意識でやってしまっています。


例えば離乳食期や幼児食期に食べムラがほとんどのお子さんで起こります。

この時、最初は「食べてよ」と言って何とか食べさせようとする大人がほとんどです。

それでも子どもが全く食べてくれないと大人は「お腹が空いたままだと不機嫌になって面倒だから」とか「お腹が空いたままだとちゃんと眠れないから」という〈大人都合な理由〉で子どもが必ず食べる好物(お菓子やデザートなど)を与えます。

大人は自分自身に置き換えて考える事が出来る能力があるにもかかわらず、この時は自分自身に置き換えて考えることをしません。

少し考えたら分かりますよね?

「食べたくない」と駄々をこねて食べなければ好物が出てくるなら誰だって目の前の食事を食べようとはしないのではないでしょうか?(もちろん、良識のある大人は最初から駄々をこねたりしませんが)

この発想は大人も子どもも同じなのです。

ではこの時、大人はどう対処するのが正解でしょうか?

「『食べたくない』なら食べなくても良いけど、コレ以外食べるもの無いけど本当に食べなくて良いの?ご飯を食べないのにデザートだけとかおやつ/お菓子食べるのはダメなんだよ?」と普通の声色で伝えれば良いです。

もちろん「ああそうか」という展開にはなりません。

「それでもいい!」とその時子どもが言ったとしても後から「お腹空いた〜何か無い?」と言ってきます。

その時は怒るのではなく、毅然とした態度で「さっき私が聞いた時は『それでも良いからいらない』って言っていたよね?食べるの?」と質問して下さい。

そこで「あのご飯はイヤだ」と言われたら「それならあのご飯しか無いから我慢して。」と返せば良いんです。

このとき、定型発達の子どもなら大概は不服そうな顔をしながらも用意してくれたご飯を食べます。


発達障がいがある子どもはお菓子がある場所などを理解している(定型発達の子どもももちろん理解しています)ので「ここにお菓子あるじゃん!」などと言ってきます。

ここでも大人は怒るのではなく毅然とした態度で「そこにお菓子はあるよね。でもご飯を食べないのにお菓子を食べるのは悪いことだからあげられないよ。ご飯を全部食べたならお菓子を1つだけ食べても良いよ(このとき、寝る時間などを考慮して食べても良いか悪いかは決めて下さい)」と伝えます。


普段(離乳食期の頃)から「ご飯を食べないならお菓子はあげない」を徹底していれば魔の2歳児、悪魔の3歳児になっても抵抗はしてくると思いますが、「ダメなものはダメなんだ」と身を持って理解します。

身を持って理解するので、ある程度はキチンと食べてくれます。

離乳食期の頃から徹底しておらず、2歳以降から徹底していこうとされてる大人の方々は子どもがかなりごねるだろうと思います。

そういった方はこの「食べたくない」問答をしているときに子どもに対してすごく不思議そうな顔をして(迫真の演技でお願い致します)「ナゼ食べたくないの?」と聞いてみて下さい。

きっと何かしらの理由を教えてくれます。

そこで、「辛いからイヤだ」とか「酸っぱいからイヤだ」など、味覚が大人より遥かに敏感な子ども故の理由だったなら、辛味や酸味を抜いてあげて欲しいです。

この際、作り変える事になると思いますが、出来るだけ辛味や酸味を取り除いただけの同じメニューにして下さい。

それで食べてくれたなら「食べてくれてありがとう!辛い(または酸っぱい)のが嫌だったんだね。気付かなくてごめんね」と言ってあげて下さい。

胡椒などの辛味やお酢などの酸味は離乳食期で与える時期を早めすぎたりすると、子どもにとっては強烈な負の体験として植え付けられて拒否反応を起こすことが多いです。


離乳食については別途持っている資格の観点から後日別の回で詳しく書きます。


また、子どもに質問した際に「口の中が痒くなるからイヤだ」と言われたらそれは軽いアレルギー反応なため、その該当するもの自体を与えるのをやめて下さい。

この時も「痒くなっちゃうの?分かってあげられなくてごめんね」と言って該当する食材は食べなくてもよい事を伝えましょう。

そして後日病院でアレルギー検査をしてもらって下さい。

アレルギー検査はその時の子どものコンディションにより反応の度合いが変わるため、少しでも引っ掛かるような時は注視する必要があると思います。


ここで大切なのは、「子どもの気持ちを考えることなく大人が怒る」は絶対にダメだということです。

大人にも色々あるので感情のコントロールが大変なのは十二分に理解できるのですが、子どもの方が未熟であることを思い出して、子どもに大人が甘えることの無いようにして下さい。

「怒る」と「叱る」の違いについてもいつか書きたいと思います。

長くなるので続きはまた明日書きますね。




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