詩 帰っておいで

帰っておいでよ

僕のところへ 君を愛する僕のところへー

三月某日

君の決意

全ての過去から離れて生きていく

父だろうと叔母だろうと妹だろうと

全て投げ捨てていく

生まれ故郷の白い小花も ブルーの空も

煌めく河川も

全て封印していく

帰っておいでよ

僕のところへ 君を愛する僕のところへ

よく遊んだ校庭の記憶も

大好きな犬のジェリーが尾を振っても

ソフトクリームを舐めた散歩道も

全てと訣別していく気構えで

君が幸せになんかならないようにと願うよと

女の子に言ってた僕の哀れな友達も

洗濯物の石鹸の匂いがする君の母さんも

君の後ろを付いてくる君に似た弟も

君は昔のことさとさらりと交わして

帰っておいでよ

僕のところへ 君を愛する僕のところへ

僕はきっと君の気に入るよ

だって君の影さえも僕には慕わしい

本当さ

明日のことが信じられなくても

僕のこの心だけは信じないわけにいかない

どうしたって君は僕のもの

帰っておいでよ

僕のところへ 君を愛する僕のところへ

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