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札幌でFAエンジニアをやっている中堅のひとりごと

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最近の記事

なんでIOチェックとよぶのかを今一度考えてみたい

PLCの入出力に、センサーとかスイッチとかの配線が正しく行われているかを確認する作業をIOチェックとよびます。 PLCの入力をパソコンでモニターして確認することが多いです。出力の確認は装置が急発進しかねないからとか通信しないといけないからとかいった理由で最近はあまりしません。というかあまりできません。 そういう場合はせいぜいランプの点灯ぐらいで終わり、後の工程で動作確認をします。 Outを端折ることもあるのにみんなIOチェックとよびます。入力チェックといえばいいのに。

    • SNSでしていい話かどうか

      機械制御問わず、FA界にもネットで質問して答えを得ることが出来る時代になってだいぶ経ちました。 そんななかで最近割と見かけるのが、図面やプログラムのスクショとともに「これいいですよ」「こういうミスあるあるですよね」という発信とか、「ここどうしたらいいのですか」とか聞いて答えが返信されてありがとうございましたってSNSのやり取りだったりします。 活発な情報交換は製造業に足りなかった部分なので良いことだと思う反面、恐ろしいなとも思ったりすることもあるのです。 写真のそれは顧

      • 既設と同じ装置って言ったやんか!!って話

        「既に稼働しているある装置があって、同じものをもう一台入れたいんだ」こういう話があったときに、設計費をどの程度みるかという問題。 「既設と同じだから全部図面あるんだろうし、なんぼもかからんでしょ」みたいな判断ですぱっとやっすい見積もりが出ちゃうことがあります。結構あります。 ほとんどの場合これは死亡フラグ。まったく同じもので済む、なんてことはまずありません。大なり小なりなにかが変わってて、そこでハマります。あるあるです。 ワークサイズが違う のっけからなんでやって話です

        • モーターの配線を調べてみよう

          先日、モーター(ごく一般的なAC200Vのブレーキ付き三相誘導電動機)で動かしている装置のトラブル対応を行いまして、そのとき問い合わせのあった内容をもとに原因の調査と解決までの進め方の記録として書きおこしてみました。 1.第一報→リフターが動かない 第一報は、とある装置のリフター(とここでは呼ぶことにします)が動かないというものでした。 一口に動かないといっても原因がいくつか考えられます。すぐに思いつくところで、 a.リフターの機構がかじって動かない b.駆動ベルトや

        なんでIOチェックとよぶのかを今一度考えてみたい

          矢視図なんてなかった

          矢視図とかA矢視とか書かれた図面は一般的に見かけますし、諸先輩方にも客先にも話は通じます。 ところが矢視図という表記法どころかそんな言葉自体、JISに存在しないのだとか。 かわりに矢示法という言葉はヒットします。が、やはり「矢示図」とは書かないようです。 そこそこ長い間図面を見たり描いたりしてきたけれど、これにはかなり驚きました。 JISの投影法を調べてみた で、投影法について調べていくと、 1. ↓A のように、方向を示す矢印および記号を記す 2. 記号に対応する

          矢視図なんてなかった

          PLCのトランジスタ出力に電磁接触器を直接接続する設計について

          タイトルをご覧になって想像されたのは 「ああ、接点容量不足で出力がダメになった失敗談かな」 「ACコイルの接触器を繋いでも動きませんよって話かな」 のどちらかでしょうか?はたまた、まったく別の話でしょうか? コイル電圧DC24Vタイプの電磁接触器(または開閉器)をPLCトランジスタ出力に接続するよう設計すると、ベテランの方から「PLCの接点負荷容量が足りないからダメ」と言われて図面を直すよう言われることがよくあります。 ところが、実は現在(というか相当前から)PLCの

          PLCのトランジスタ出力に電磁接触器を直接接続する設計について

          新人であるうちに記録をとってみよう

          どんな業種であろうとも、新人であるうちは上司なり先輩なりの行動を見て覚えることになります。 いつでもどこでも手取り足取り教えてくれればよいのですが、先輩方とて通常業務もこなさなければならない中で時間を割いてもらっているという認識をもって、自ら考え学んでいく姿勢はやはり必要になります。 何年たっても教えてもらうばかりで自立できないままでいては、あらゆる場面で困ることになるのは結局自分自身。いざというときに自分を助けられるのは自分だけなのです。 では、誰のどんな行動を見て何を

          新人であるうちに記録をとってみよう

          20XX年、成果や能力を完全に定量化し数値で評価する時代がやってきた

          海は枯れ 地は裂け あらゆる生命体が絶滅し・・・なかったが、 人類は別の問題に悩まされるだろうなというお話。 ちなみに北斗の拳大好きです。 ずっと前に6歳くらいの子供に知識量で勝負になり、普通に負けました。子供の学習意欲、恐るべし。 コミュ力なんかより成果や実力で評価すべき!と憤る はじめにはっきり述べておきますと、 私も不公平感というものを感じること多々です。 おそらく人間誰しもが「あの人は〇〇でいいなあ」といった感情をおぼえることは人生一度くらいはあることでしょ

          20XX年、成果や能力を完全に定量化し数値で評価する時代がやってきた

          喫煙所でのコミュニケーションというものについて

          喫煙自体は悪ではない。それは職場でも同じことです。元来煙草は嗜好品であるし、仕事においてもそれ以外でもひと息入れること自体はとても大切です。 が、タバコ休憩と揶揄されているとおり、時間も守らずだらだら吸ってるようなサボりがいまだ多いというのもこれまた事実。悪と評されるのも仕方がないなと思う部分もあるわけです。 喫煙者としてちょいと見過ごせんぞと思われるのであれば、まあ給湯室あたりに置きかえてお読みいただければ。 ビジネスにおいて、喫煙所とは ビジネスにおいて喫煙所は「

          喫煙所でのコミュニケーションというものについて

          業務引き継ぎに大切なこと2 聞き取るということについて

          前回の記事では伝える側という立場でお話を展開しましたが、今回は反対の立場から引き継ぎについて掘り下げてみたいと思います。 誰かから何かを引き継ぐ立場になった時も、必要な情報を漏れなく聞き取り理解してから事にあたるというのはとても大事なことです。 疑問には思いましたが言ってくれなかったし私は知りません確認もとりません、なんて無責任な対応はまさかしないと思いますが、 いくら気をつけて聞き取りしても確認漏れがあったり間違えて理解してしまったというのはどうしても起こってしまうもの

          業務引き継ぎに大切なこと2 聞き取るということについて

          業務引き継ぎに大切なこと 伝えるということについて

          ビジネスにおいてもそうでなくても、誰かに何かを任せてやってもらうときには必要な情報を漏れなく伝えるようにするのはとても大事なことです。 ただ「君、担当ね」とだけ言って打ち合わせしてきたことを伝えもせずに放り投げる、なんて無責任なことはまさかしないと思いますが、 いくら気をつけて伝えても伝え漏れがあったり引き継ぎミスがあったりというのはどうしても起こってしまうもの。 スムーズな引き継ぎによって円滑に業務を遂行できれば、お互い不必要な後戻り作業やわだかまりも生まれてこなくな

          業務引き継ぎに大切なこと 伝えるということについて

          安全装置とは何か、電気制御設計をいま一度考えてみる

          FAにおいてもそうでなくても、機械には必ず非常停止スイッチやその他の安全装置が組み込まれています。 そして安全装置がはたらいた時、当然ですが機械は緊急停止します。 これだけ聞くと実に当たり前のお話なのですが、緊急停止せよといってもすぐに止めるわけにいかなかったりするのが機械というものでもあるわけで、このことは電気制御を設計するうえで非常に重要です。 電気制御設計たるものFA機器を動かすことばかりではなく、安全に停止させるにはどうすればよいか、そもそも安全とは一体どういうこ

          安全装置とは何か、電気制御設計をいま一度考えてみる

          泣く子と地頭にも勝てるようになる日は来るだろうか

          「泣く子と地頭には勝てぬ」ということわざがあります。理屈が通じない赤ん坊や権力者の要求には、たとえ無茶苦茶なものであろうとも結局従うしかないという話ですね。 悲しいかな、令和の時代になっても人はこの理から抜け出せないでいます。 組織に所属していると、プロセスにはろくに関わらないのに後になっておれは聞いていないとむくれる(しかもその後の責任をもつわけでもない)困ったお人が必ず一人は居ます。新人なら泣く子、ベテランなら地頭・・・いや、泣く中年とでもいうべき困ったお人。 この

          泣く子と地頭にも勝てるようになる日は来るだろうか

          質問に答えていないと見なされ、損をしているという話

          ※2023.09.18 更新 先輩「A社の件だけど、材料発注した?」 後輩「さっきトイレでお願いしたので大丈夫です」 とある職場で、このようなやり取りがあったとします。 字面だけ見るときわめて頓珍漢なまずいやり取りであり、そんなばかなと思ってしまうものですが、困ったことに実際のところ結構あったりするのです。 どうまずいやり取りなのか 冒頭のやり取りを今一度掘り下げてみましょう。 先輩は、「A社の件だけど、材料発注した?」と言っています。 質問の内容は、材料を発注し

          質問に答えていないと見なされ、損をしているという話

          世の中予定通りにはならないけれど、なすがままというわけにもいきますまい

          何ごとも予定通りに事を進められればよいものですが、緊急の案件が入ってしまったり想定外に時間がかかったりして予定が崩れ、イライラするというのは仕事家事その他諸々でよくある話。 よくある話にストレスを溜めても仕方ありませんし、かといって全てを諦めて人生なすがまま、というわけにもいきません。 なすがままでも生きてはいけるでしょうが、せっかくなら予定をたてて何かを為して、もう1ランク上の人生を楽しみたいというもの。 絶対に崩れない予定というものはたてられませんが、やり方を工夫する

          世の中予定通りにはならないけれど、なすがままというわけにもいきますまい

          工数や予算を精度良く見積するのに悩んだ新米技術者の話

          工数計算をしたりそこから予算を組んだりなどの見積の必要に迫られるも、何から手を付ければいいのかわからなくて途方に暮れてしまった… 会社に務めたにせよ起業したにせよ、社会に出てから一度くらいはこういった経験があるのではないでしょうか。 わけもわからず直感で組んだりコピペをつないで見積もり書類を作るしかなく、持っていけば「なにこれ」と言われて一発で撃沈。じゃあ見積ってどうすればいいのと聞こうものなら「自分で考えろ」とこれまた撃沈。 こんな謎の見積無限列車編では、ぜんぜん作業

          工数や予算を精度良く見積するのに悩んだ新米技術者の話