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ご婚約時の雅子さまと、女性が働くことが当たり前でなかった時代を思い出す。

天皇誕生日と言えばいまだにとっさに4月29日、と思ってしまうシンママ公認会計士河合千尋です。

皇室ウオッチャーというわけではありませんが、天皇皇后両陛下が即位されて以降、特に雅子さまが国内外の場において笑顔でご活躍されるシーンを拝見し、うれしく思います。

即位された当初は、昭和生まれにとっては懐かしい、1993年のご婚約会見の映像や外務省時代の写真などが放映され、女性の仕事の概念が(もちろん男性もですが)この30年で大きく変わったことを改めて感じました。

大学生2年生だった私はこの年に公認会計士試験に合格したわけですが、そうはいっても一般的には女性は腰かけで就職して数年したら寿退職というのが当たり前の時代、周りの男子学生からも
「あのさー、そんな大変な資格の勉強なんかしてないで、別に君はブスじゃないんだから普通に就職して結婚すればいいじゃん」
などと言われていたこともあり、自分自身も華々しく最年少合格を果たしたものの、女性が意思をもって働くというのは世間的には変わり者とか負け組と見られるのか、と悶々としていた時期でした。

そのような中で、ご婚約後、毎朝出勤される雅子さまの姿がワイドショーで報道されるたび、おこがましくも「高学歴ハイキャリアでこんな素敵な女性がいる!」と勝手に目を輝かせ、通勤時に愛用されていたパロマ・ピカソのバッグを「(当時のOLさんがこぞって所持していた)フェラガモやプラダじゃないところがまた素敵!」とチェックし、国内では当時ほぼ取り扱いがないと知ると、その後旅行に訪れた欧州でパロマ・ピカソのバッグを調達し、社会人デビューをしたのでした。

しかし当時の世論として、当時の報道によると宮内庁の打診したお妃候補の方々はいわゆる良家のお嬢様で学校卒業後は花嫁修業、皇族女性としてふさわしいのはそのような女性とされており、ご婚約が発表された後も均等法第一世代でスーパーハイキャリアの雅子さまに否定的な意見をもつ男性が少なくありませんでした(私の周りでは同世代、上の世代では大半がそうでした)。
中高年の方、とひとくくりにしてはいけませんが、会計士の業界でもいまだその当時の価値観のまま若い世代にも持論を展開する方もいらっしゃいますし、ジェンダーを気にせず働ける社会の実現というのはまだまだ時間がかかるのかなと感じます。

男は仕事、女は家庭が当たり前の時代、陛下の同世代でそのような女性をパートナーに選ぶ方はかなり少数派だったと思います。
あの時代、周囲の声をものともせず「雅子さんでなければ」を貫かれた陛下は30年も時代の先を行っておられたのかと改めて驚くとともに、お二人が互いをリスペクトし、力を合わせて公務に取り組まれるご様子はパートナーシップとして理想の姿でありますし、この令和の時代が長く続くことを切に願います。


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