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鬱病、タトゥーを考える

友人にタトゥーを入れている人達がいる。しかし薔薇・燕・羽とかのよく見かけるラッキーモチーフとかではない。

・行った国々のタトゥー(無計画に始めたのでスプロール現象が起きており、既に両腕には空きスペースがない。本人曰くヨルダンでスペースを取りすぎたのは想定外だったらしい)

・彼氏の母国語で書かれた自分の名前(シンプルに読めないし、何より別れたらどうすんねんと会う度に思うがなんだかんだ7年続いている)

・全指の第3関節に梵字(知人の中でも1、2を争うくらい清楚に見える黒髪少女だが、いかんせん彼女が微笑むときに礼儀正しく片手を口元に添えると梵字が私の視界を揺らめく)

などである。タトゥーすらも面白い人が友達になりやすいのだろうか。

私が入れたいタトゥーは『ハチドリ』『タツノオトシゴ』『笑ゥせぇるすまん』の3つである。

まずハチドリ。こやつは留学先で2階のバルコニーで洗濯物を干している時によく遊びに来ていた。なぜか人馴れしていて、目の前で空中浮遊を自慢げに見せてくれていた。主食が花の蜜というのもファンシーで可愛い。ハチドリの側面図が三角形になるのも、レオナルドダヴィンチ好きの私からするとポイントが高い。ハチドリならラッキーモチーフでもあるので、見える場所でも問題ないだろう。

そしてタツノオトシゴ。まず名前のセンスが良すぎる。竜の落とし子て。命名した人はかなりセンスがいい。英語でもyellowtail とかではなく、sea horseとかなりイカしている。子どもの頃にNHKのドキュメンタリーか何かにて、尾で海藻に巻きついて海流に漂う姿を見て衝撃を受けた。見た目はいかついのに、諸行無常のように悟って流されているだけに見えて、それでいて実際に流されると困るからちゃんと海藻を掴む尾の力は抜かない。惚れた。そしてこやつの側面図がSに見えて、大切な人のイニシャルと同じなのも良い。ちなみにこやつもラッキーモチーフである。

最後に笑ゥせぇるすまん。衝撃を受けすぎて、次回作を見る前に一呼吸置きたかったアニメは後にも先にもこれだけである。次はどんなトラウマと教訓が観れるのかと好奇心と恐怖でゾクゾクした。誰もがショックを受けたのではないだろうか。しかも、歳を重ねればああいう大人は割と一定数いて、人の弱さや狂気なんて別に珍しくもなんともないという事実も、より一層生々しくて味わい深い。喪黒福造の全体像を入れるのは厳つすぎるので、目だけとかでもお洒落にワンポイントで入れたいものである。

まだタトゥーを入れたことはないが、死ぬ前に入れてもいいかもしれない。しかし銭湯通いが好きな私は温泉出禁になるのは辛い。このせめぎあいである。

明日も自分に優しくできますように。

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