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内海次郎はどこへ行く

渡辺多恵子先生の漫画「風光る」で知りましたという人も多いでしょうか。
内海次郎。
伊東甲子の門下です。まあ、キャラ的には、おおよそイメージは漫画のような……だいたいだと、思う。
深川中川町の伊東道場の塾頭のような立場だったから、腕は立つ。しかし、伊東の脇に控えて、その他の門人と比べれば印象は地味だったよう思う。
伊東甲子太郎とともに新選組に参加し、ともに分裂して御陵衛士になる。

この人物。
内海次郎。
電子書籍で配信されている作品「新選組婉曲録」にて登場させている。

オムニバス小説集の最初の「かじけ猫」
本文を参考に載せたいところだが、なにせ売り物なので、勝手には出来ない。気になる方がひとりでも多く、読んで頂けたら有難い。ただし、紙媒体はございません。

物語の委細は語れませんが、新選組のなかのシンメトリーとして、近藤勇たち試衛館の面子と対比するキャラクター設定にしました。
近藤勇と伊東甲子太郎。
ふたりの師を同じように慕う沖田総司と内海次郎。
すでに試衛館に疑問を持ち伊東に心揺れる藤堂平助が真ん中にあり、沖田とは心情的に嫌い合う状態。かなり沖田総司を俗物的に、厭な奴と思わせる役どころにしながらも、近藤には従順を貫く。この物語は経過や結末は歴史のお定まりであるが、内海次郎の心象風景に寄り添い描いていく。
もうひとつの新選組の〈かたち〉を描いた一篇です。