オオスズメバチと私

先日、本を読んでいたらとても低く鈍い羽音が聞こえてきたので、目を向けるとそこに特大の蜂が飛んでいた。

そこから私はバンダナを頭と顔に巻いてみたり、ハエたたきを顔の前で振ってみたり、殺虫剤(ハエ用)をみて嘆いてみたりと錯乱した。が、なんの解決にもならないことに気が付き、自分に「落ち着け、落ち着け」と暗示をし、「外に逃がす」と当たり前の答えを導き出した。

改めて眺めたオスズメバチは本当に貫禄があって少し見とれてしまった。
よく見るとなんとなくおびえていて、何度も何度も窓に留まり外へ行きたそうに見えた。

恐れおののく私とオオスズメバチは何とか息を合わし、オオスズメバチは無事外へ飛び出して猛スピードで飛び去って行った。

数日前から聞いたことのない羽音がしていたが、まさかこんな大物が隠れていたとは考えもしなかった。オオスズメバチは夜中は出てこなくて日の出ているときに私の前に姿を見せたのだと思う。私の行動をよく観察し自分が脱出できる時を狙っていたのかもしれない。

わけもわからず騒ぎだして申し訳なかったとスズメバチに謝りたい気分になった。必要以上に近寄りすぎなければお互い傷つけあうことになる、ちゃんと相手を観察して最良の方法をとること。
あのオオスズメバチから大切なことを学べせてもらったそんな日となった。

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