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見て見ぬふり?【オヤジの観察 #3】

日々、2時間近くの散歩を日課としている。 
悶々とストレスを感じていても、歩きだすと幸せホルモンが分泌されて精神的に落ち着いてくる。
植物の変化に季節の移ろいを感じ、ドッグランでたわむれるワンコ達にいやされ、公園の池でカワセミの美しさに魅了される。 まさに至福のひと時だ。 
ところが・・・である。 
昨今、その大事な至福のひと時に、一五いちごオヤジの顔を曇らせる状況が散見されるようになってきた。

日本の国力低下が叫ばれて久しい。
かつてJapan as No.1と称えられた名声は凋落、世界第2位の経済大国を誇っていたGDPは中国、ドイツに抜かれ、平均賃金も韓国に抜かれた。 
これらとの因果関係はわからぬが、目に入る光景を見ていると「日本大丈夫か?」とこの国の将来を憂いてしまう。

昨年の夏から秋にかけ、オヤジは散歩中によく出会う次のお三方「標識さん(交通標識)、ソーラーさん(ソーラーパネル)、緑さん(壁面緑化)」に深刻な現状を聞いた。

まずは標識さん、我々、道路利用者の安全のために、毎日、休むことなく立ち続けて、案内や規制を知らせてくれてありがとう。 
ところで、昨今、ツル類が大量発生して、道路にまで侵入、標識さん達の体に巻き付いているようだけど大丈夫なの?

標識さん(交通標識)

ツタに巻き付かれて表示板が見えなくなっている交通標識

ツルの成長って早いんだよ。
で、ピッタリと巻き付いてくるんだ。苦しいよ。
中には大事な顔(表示版)にまでツルが巻き付いて、仕事がうまくできてない仲間もいるんだ。気の毒だよ。
それにしてもゆるせねぇのは道路管理者の奴らよ。
瀕死の仲間を見ても見ぬふり、あいつらは頻繁に目の前の道路を走ってるし、先日は事故で壊れた反対車線のポールを修理していたんだ、俺達の現状に気付かねぇわけねえよ
恨めし気ににらんでやるんだが、一瞥いちべつするだけで去ってしまうんだ。
いつ、これが原因で事故が発生しないかと心配でしょうがねえよ。
安全って一番の優先事項だろ、事故が起きたら、あいつら責任とれんのかな?
そもそも、ここまで放っておくって、道路管理者失格だろ? 

まったく同感、オヤジも道路管理者に言いたい事がたくさんある。
そういえば、以前、オヤジは標識を見落として警察に捕まったことがあったな。
変な一方通行で標識が常識外れの高い位置についていた。
許してくれると思ってペコペコしたけど、しっかり赤キップを切られた
昼休みにパンを買いに出ただけなのに、えらく高くついてしまった。
思い出したらムカついてきた。
話が逸れてごめん、ソーラーさんのとこも酷いらしいね。

ソーラーさん(ソーラーパネル)

ツタ類・雑草に覆われたソーラーパネル

俺らのところも”標識さん”と似たような状況よ。 
ただ、利用者の安全まで考える必要はねぇから、その点では気が楽かな。 まったく設計者も管理者もひでぇもんだ。
まず、設計の段階でパネルの下をコンクリートか砂利で覆うとか、雑草、ツルが自生しないように検討するだろ、普通、基本だろ、それ。
それをしねぇんだったら、大谷ぐらい脚を長くしろッつうの、雑草がパネルに届かねえようにさ。
管理者の野郎もふざけてんね。 
よく顔は出すんだぜ、ジロジロ見てさ、だけどなんにもしねえの。 
俺らが黙っているからいい気になってさ。 
ちょっと見たら俺らが元気ないのわかんだろ。 
雑草がどんどんパネルの上にかぶさって発電効率が下がってんだ
メーター見てんだからわかんだろ? 
いつまでほっとくんだよ、もともと温暖化が問題でソーラー始めたんだろ。 発電できないんじゃ設置した意味ねえだろ。 
発電量が下がった分、責任とれんのかい?
それとな、ついでに言うけど、冬場に枯れてから撤去してもツルの跡は残るんだよ。俺らの寿命も縮まるし、発電効率も悪くなんだよ。
わかってんのかい?

パネルさん、だいぶお怒りだけど気持ちは痛いほどわかるよ。
自分ちのパネルだったらちゃんと管理するんだろうけど、自分のふところが痛まなければ他人事、環境意識なんてないんだろう。
最後は緑さん、ちょっと話を聞いたけどつらいね。

緑さん(壁面緑化)

枯れてしまった壁面緑化
自動散水設備が設置されているが、バルブが閉じたまま

俺達は、近年、けっこう注目されてんだ。 
街の美化だったり、温暖化対策、企業のイメージアップとかさ、採用する役所、企業も増えてる。
実は、去年の夏、痛ましい事故がおきてね、俺達の仲間が亡くなっちまったんだ。
過失致死だよ。そこの管理者がズボラな奴でさ、夏暑かったろ、あの暑さの中で水を飲ませてくれなかったんだよ。
時々、赤ちゃんが真夏に車に放置されて脱水症状で亡くなる痛ましい事件が発生してるだろ、それと一緒だよ。
自動散水設備のコックを開ける”、ただそれだけで生きれたものを、悔しいよ。
街の人達も死んだ仲間をみて顔をしかめていたよ。 
企業イメージも下がったろうな、壁面緑化って普通の壁より金かかんだよ。金かけて過失致死起こしてイメージダウンなんてバカだね。
だったら、初めからやんなきゃよかったんだよ。
あの企業にだけは二度と仲間を送りたくないね。

一五いちごオヤジはこれらの声に“悲しい”を通り越して“怒り”を感じる。
できれば、管理者達と話しをして、なぜそのような状況に至ったのか?事情なり、原因なりを聞いてみたい。
この3件に限らず、オヤジの目にはまだまだ「なんでやねん!」があふれている。
一方、来日外国人が増えてインバウンドビジネスが盛り上がっている、
TVやネットは訪日外国人の日本礼賛に溢れている、
正直、日本礼賛の番組や記事にはウンザリ
日本、本当に大丈夫か?

一五いちごオヤジの観察は続く、
次回はポジティブな内容にしたいな。


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