父と子の中学受験
息子の中学受験に3年間伴走しました。
小4から大手塾に通わせましたが、子どもの勉強をみるのは父親で、母親は、子どもの食事や塾への送り出し、健康管理と家庭内を明るく照らす役割という風に分担していまいた。
息子の勉強を見るといっても、国語以外は難しくて手が出ないので直接教えることはできませんでしたが、プリントの整理し、学習計画、進捗管理、問題の取捨選択と優先順位付け、理解度チェック、弱点補強…。
父親と息子という関係性だと、男の子の特徴とか感覚がよくわかっているということがあるし、我が子の性格も幼児の頃からよく知っているので、そこはやりやすい。
男の子と女の子は脳の構造が違うと思うんです。
小学生くらいだと成長の差も大きい。
男の子は、同じ年齢の女の子よりも幼くて、単純。
雑で字が汚く、プリントが折れ曲がったりぐちゃぐちゃでもお構いなし。
やりたいことしかやろうとしない。
時間意識が希薄で、時間が来ても終わらないし、声をかけても終ろうとしない。
いい意味では、集中力があるともいえますが。
目の前のことしかみえず、少し先のことは想像が及ばない。
計画性とか、段取りという概念はない。
机の上を片付けない。
空気を読まない。
言葉で表現する力が乏しく、意思の伝達が苦手。
女親から見たら、理解不能の存在にしか見えないかも知れません。
何度同じことを言っても同じことが繰り返されるので「どうなってるの?」となるでしょう。
「一体、何を考えているのか?」と
男親は違います。よくわかるんです。
自分も子どもの時そうだったから。
大概そんなもんだよね、と思ってるから全然驚かない。
男の子の特徴や我が子の性格を利用して、ヤル気を出す方法を考えました。
ひとつはゲーム性を取り入れること。
解けた問題の数に応じてシールを貼ったり、ポイントをつけたり。
問題の難易度によってポイント数に差をつけました。
ポイントが貯まるとちょっとしたご褒美をつけるとか。
他愛もないことですが、結構、楽しんでました。
どっちが問題を解くのが速いかを競うとか、クイズ形式で問題を出すとか。
子どもに教えてもらう、というのもよくやりました。
よく、四六時中勉強させるのは子どもらしい生活とはいえず、「かわいそう」「無理なこと」と言う人がいますが、そんな感じは皆無でした。
受験に向かう悲壮感はなくて、割とゲームとかパズルのような感覚に近い感じでやっていたように思います。
一方で、問題が解けず悔しい、間違えて悔しい、というのはありました。
やりたくないものを無理にやらされて辛い、苦しい、という感覚とは違います。
苦手な問題があまりにも出来なくて、床に転がって大泣きすることがありました。
3歳児をみているようでした。
小学校の高学年なのにね…。
息子が幼稚園から小学校に上がるころ、補助輪を外した自転車に乗る練習をしていて、何度やってもうまく乗れなくて大泣きしたのを思い出しました。
「あの頃から全く変わっていないな」
そのくせ、あきらめずに何度も練習して、そのたびに泣いていたけれど、結局乗れるようになりました。
得意気に自転車を乗り回す息子の姿が忘れられません。
勉強の方も、しばらく泣いて大騒ぎすると、いつの間にか机に戻って来て、再び問題を解き始めました。
精神的に幼く単純ですが、負けず嫌いで諦めないことが原動力になったように思います。
それに付き合わされる親はたまりませんでしたが…。
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