リーダーの人生やキャリアに関する悩み、後悔しない人生とは
リーダーにとって重要な役割のひとつは、決断をすることです。小さな決断から大きな決断に至るまで、リーダーは日々決断をし続けているといっても過言ではありません。
しかしながら、決断することに相当な経験値があったとしても、自分のキャリアや人生に関する重大な決断の際には、どちらの選択をすべきか、どの道を進むべきかについて内面的な葛藤を抱えることも少なくありません。
ここでは、リーダーがいかにして葛藤を乗り越え、自分自身で納得のいく決断ができるようになるかに焦点を当てて考えてみたいと思います。
葛藤を通して自分らしく
わたしたちは、葛藤して決断した結果を生きるにつれて、自分らしい生き方になっていきます。葛藤を通じて決断し、行動することで、自分の価値観が次第に明確になっていくからです。
自分の価値観を明確にしていく過程では、自分の心の声に耳を傾けて、自分の素直な感情に向き合ったうえで葛藤することがとても重要です。
具体的に説明していきますね。
一流企業か、ベンチャー起業か・・・
例えば、一流企業にとどまっておこうか、ベンチャーを起業して新しい自分に挑戦しようか、という人生の岐路に関する葛藤を抱えている場合、
この情報だけで考えると、いろいろな選択肢がありそうです。
一流企業にとどまる:
既存のポジションでキャリアを深化させ、スキルを拡張する。
ベンチャーを立ち上げる:
完全に新しい道を切り開き、起業家としての道を歩む。
一流企業で新しいプロジェクトを始める:
現在の職場内でイノベーションや変化を推進する。
有望なベンチャー企業に転職する:
スタートアップのダイナミズムと一流企業の安定性のバランスを求める。
フリーランスやコンサルタントとして働く:
自由度を高め、様々な企業やプロジェクトで経験を積む。
パートタイムまたは契約ベースで一流企業とベンチャー企業で働く:
両方の世界を経験しながら、フレキシブルな働き方を実現する。
これは、ただ選択肢を並べただけの状態です。ここからが大切です。
一流企業にとどまるか、ベンチャーを起業するか、という葛藤には、どのような心の声や感情が詰まっているのでしょうか。
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『せっかく一流企業で勤めているのだからやめるのはもったいない。
しかし、こんな保守的な考え方をしている自分が情けない。』
『一度きりの人生なんだから新しい自分に挑戦してみたい。
とは思うものの、今までずっと一流企業だったから世間体も気になる。』
『こんな夢を追いかけるようなことやめといた方がいいんじゃないか。
しかし、そのやめておいた方がいいという弱気な自分には抵抗したくなる。』
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こんな声が渦巻いているかもしれません。
さらに考えているうちに、
自分が情けないと思っていたり、弱気な自分に抵抗したくなったりすると、
「挑戦する自分になってやる」などという反動的な考えが優勢になっていきます。
そしてまた、「挑戦する自分になってやる」という思いが強くなると、それに耐えられなくなって「やっぱり無理かもしれない」などと、また反動が出てきます。
では、この反動の連鎖をどう扱えば良いのでしょうか。
葛藤の乗り越え方
こんな時、とても大切なことは、すべての感情を共感的に受け入れることです。
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「いやいやいやー、一流企業をやめる決断は簡単にはできないでしょう、それに、安定したものを手放すのは誰だって躊躇するし、安定を守りたいと思ったら保守的な考えにもなるのは当然だよ。」
「世間体も気になるよ。だって、今までステイタスがラベルみたいにくっついてきてくれて、それで慣れてたんだもん。それがなくなったらどうなっちゃうのか、どんなふうにみられるのか、大きな変化なんだからそりゃ不安にもなるよ。」
「弱気になるのも無理ないよ、新しいことに挑戦するときは、誰だってこわいし逃げたくもなる。そんな時に弱気になるのはものすごく普通じゃないかな。」
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こんなふうに自分の気持ちを共感的に受容できると、
「どの感情も感じてよかったんだ」「だれだってそう思っていいんだ」と、自分の気持ちに自信がもて、抵抗する必要がなくなってきます。
抵抗しなくてよくなると、本当は何を大切にしたいのか、どんな価値観を持っているのかが見えやすくなり、自分の価値観にしたがって決断することができるようになります。
家族のためにも安定は確保しておきたい、単身だし安定にはこだわらない、企業での新規プロジェクトはやりがいがある、起業していちから立ち上げることにワクワクする、大勢の中で仕事をすることが楽しい、これから少数精鋭で新しい仲間を作りたい、今まで積み上げてきたことを大切にしたい、これからは周りに伝えていきたい、全く違った世界に飛び込んでみたい、などなど・・・
さまざまな価値観の中で、本当に自分が大切にしたいことを選んでいきましょう。
葛藤する時に大切なのは、自分の感情や価値観を、理解して尊重した上で結論を出せるかどうかです。
こんな時、心の葛藤を一人の人に中立的に受け止めてもらえると、どちらも十分に悩む価値のある選択肢だと思え、自分らしい決断がしやすくなります。
普段からあなたを理解してくれている人、落ち着いて話を聞いてくれる人、焦らず悩みに付き合ってくれる人に話を聞いてもらえると最高ですね。身近に思い当たらない場合は、メンタルヘルスコーチなどの専門家に話を聞いてもらいましょう。
まとめ;
リーダーとしての成功は、外部からの評価だけでなく、内面の充実感と満足にも大きく依存します。自分らしい決断を下すためには、自分自身の心と価値観を大切にし、それに基づいて行動する勇気が必要です。
中立で落ち着いて話を聞いてくれる人、共感してくれる人に話を聞いてもらいましょう。
話を聞いてもらう時のコツは、気軽に聞いてもらうことです。話しているうちに、自分の考えがまとまっていき、自分の本当の感情も顔を出してくれます。
(自分を脅かすことがない安心できる人に話すことが大切です)
しっかり葛藤して、自分らしい決断をして、リーダーとしても一人の人間としても自分らしく生きていきましょうね。
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