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生命の起源 複写システムが自然に発生した


私は知りたい

 生命の起源の研究はどこまで進めれば「物資から生命を創った」と言えるのでしょうか?
 どこまでが物質で、どこからが生物なのか、多分その境界はあいまいです。後に物質から生物を簡単に創れるようになって、「あの時の実験が生命の起源を解明した研究だったんだ。」と分かるのかもしれません。
 「生命の起源を知りたい」というのは、「宇宙がどうなっているか知りたい」と思うのと同じくらい誰もが知りたい謎ではないでしょうか。
 もちろん、私も知りたい。私が死ぬ前に「その手がかりが得られた」というニュースを聞けたなら嬉しい。

教えていただきたいこと

 論文を読んで、市橋先生は手がかりを得ようとしており、最も良い研究の入り口を掴んでいる研究者だと思っています。読者の方で、もしもっと近くまで迫っている研究者をご存じなら教えていただきたい。市橋先生がその方をご存じかどうか確認し、必要なら先生にお伝えします。
 私はあるAstroBiology(地球外生物学)研究者が全く別の方面から手がかりに近づいていると思ったことがありました。しかし、この時は私の調べが足りませんでした。市橋先生がシンポジウムで、その先生と親しげにお話しされている様子を見てしまいました。

 もし何かヒントに気が付いた場合、お知らせいただけないでしょうか。例えば、以下のようなヒントです。
・この点をもう少し深堀りしてみたらどうか
・この現象にはこのような意味があるのではないか
・このような実験をしてみたらこんなことがわかるのではないか
・などなど
 いただいたヒントを手掛かりに、同年代の友人(引退した生物学者)と議論して深めていき、有力なヒントになりそうなら先生にお伝えします。
 なお、昨年、細胞を創る研究会に参加して、シンポジウムで先生は多くの研究者に質問し、回答をもらって、感謝を述べておられました。それで、先生には全国の大学・研究所・企業からヒントを得るルートをお持ちだということを知りましたが。
 しかし、万全と思える体制にも時には穴があるかも知れません。もし何かお気づきになったらお願いします。また、ご自分でも「こんなことは考えられないだろうか?」と考えてみてもらえないでしょうか。

 目的は「生命の起源の謎を知る」ことです。最先端の研究者を応援したいのですが、多くの一般の人たちが「知りたい」と叫ぶことが、研究者の応援歌になると思います。
 先生にお知らせするようなヒントや手がかりでもなくても、自分にとって新たなアプローチを知る手掛かりになればいいのではないでしょうか。そして、多くの人たちの「知りたい」気持ちに働きかけることができれば、研究の進捗に貢献するのではないでしょうか。

勉強会で

 私は論文を読んで学んだことをパワポにまとめ、横浜市民のための区民活動センターに登録の勉強会で発表しました。その席で「市橋先生がノーベル賞を取ることを期待する」と付け加えました。すっかり先生のファンになっていることを自覚しました。

勉強会の案内、参加費はお茶お菓子付きで200円

論文の内容の簡単説明

 先の記事「生命の起源の研究者 市橋教授との出会い」では、ある条件下で「自己複製するRNAが生成できた」実験の内容を説明していませんでした。
 生物に詳しい方は、下記の論文を見て下さい。

英国の王立化学会のChemical Science誌
自己複製する最小のRNAを発見

 ここではnote読者を対象に、横浜市民のための勉強会の資料を使って簡単に説明します。

 生命がどのように生まれたかを説明する仮説の一つにRNAワールド仮説があります。
 市橋先生の実験は、このRNAワールド仮説に基づいて、原始地球にあったと思われる物質やRNAを入れておいた試験管の中で生命が生まれるステップを1つ、2つと明らかにしていこうというものです。
 今回の論文は、「自分で自分を複製するRNAを自然発生させよう」という実験が成功したという報告です。
 私の理解した言葉では「ある種の短いRNAをマグネシウムに晒すと、その短いRNAが結合して、複製能力を持つ長いRNAができた。」(RNAの具体的な塩基配列は図をみてください)というものです。

 「細胞を創る」研究は、このようにジグソーパズルのピースを1つずつ見つけて、埋めていく作業なのです。そのピースはいくつあるのかわかりません。自分が生きているうちに全体像が見えてくるかどうかもわからない研究です。「知りたい」という気持ちがこの終わりの見えない研究を支えているのだと思います。


2023.10 勉強会資料

【マガジン】生命の起源
生命の起源に関する仮説
遺伝子数473個の最小人工生命体 syn3.0
生命の起源の研究者 市橋教授との出会い
複写システムが自然に発生した(本記事)
iPS細胞をロボットが培養、熟練技術者のワザを再現

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