【感想】ゲーム「ファイアーエムブレム エンゲージ」没案を採用した実験作?
だいぶ前に、ゲーム「ファイアーエムブレム エンゲージ」クリアしました。面白かったです。
発売一周年記念として、感想記事を書きました。
さて、このゲーム、過去作の「没になった要素を採用して作成したゲーム」のように感じました。
どういう要素を没案だと感じたかをまとめます。
「FEエンゲージ」過去作の没案を採用しているように感じた箇所
戦闘時の顔グラ廃止、3Dモデリングを表示する
パラメータ「体格」を復活させる
ステータス画面を表示する際、キャラのモデリングが動き固有ポーズをとる
キャラクターの性格、設定
ラスボスと宇宙空間で戦う(覚醒の時に、宇宙戦争の案があったとインタビューで見たような)
ソラネルの「ソラ」のキャラデザと、アイテムを生み出す「あの」モーション笑
「三すくみブレイク」「チェインガード」等の戦闘システム
遭遇戦が強くてシビア(気楽なレベル上げではない)
回復アイテム「リブロー」等に買える数制限あり
扉、宝箱のカギをなくす(扉は壊す、宝箱は誰でもとれる)
暗器ナイフによる「毒ステータス」
待機ユニットの数だけ「ステータスプラス」する戦闘スキルシステム
キャラの強さ数字が、ウインドウ開かなくても常に表示されてる
OP曲がボーカルあり
上記の要素は、
「一般受けしないだろうから没にしよう」
という判断で過去にお蔵入りになったものを、今作に詰め合わせてるように感じましたね。
「何がユーザーに受けるかは出してみないとわからないし、試しに一度没案も盛り込んでみよう」という考えでこの作品が出来上がったのかもしれないと個人的に感じました。"実験作"だと。
こういう実験作って、「この先もシリーズが続くコンテンツだという余裕」があるから出せると思います。すっかり売れっ子シリーズになったと言えるのかもしれませんね
以下、その他の部分に関して、エンゲージの感想です。
※内容のネタバレあり
「エンゲージ」の感想
シナリオ・テーマについて
「生まれではなく、どう振舞うかがその人の本質」という作品メッセージが良かった。
これ「友達」がテーマなんですよね、シナリオ。ずっと孤独だったリュールに、今はこんなにも友達がたくさんできたよっていう、そういう話だとだんだんプレイしてわかってきた。
だから支援会話に「これで自分たちは友達だね!」という内容が頻出するし、リュールがヴェイルに「もう友達じゃありません!」っていうシーンがあるんだなあ(突然のセリフに最初違和感あったけど、一応理屈は通ってるんだなと納得はした)
シナリオ、結構演出の癖が強くて戸惑うこともあったけど、だんだん時間が経つと「一応そうなる理屈が通っているんだな」と思えて、クリア後に振り返ると、トータルでいえば作品テーマや雰囲気は好みだった。
たとえば『神竜様ファンクラブ』という設定は、孤独だった過去のリュールの境遇との対比と、「憧れた神竜になれた奇跡」を表現しているんだなとか
一見コミカルな設定にも、ちゃんと理屈が通っているところがよかった
キャスティングスキルの高いシリーズ
キャラに合った声優キャスティングがいい。
FEシリーズのスタッフさんは、キャラにあった声優さんを見つけてくるのがうまいなと思う。IFや風花雪月で特に思ったけど、今作もキャスティングがよかった。
ベテラン新人問わず「キャラに合っている」声優さんをつけてくれるから嬉しい。
あと絵師さん選びもセンスあるなと思う。
色々雰囲気違う人を連れてくるんだけど、ちゃんと作品にしっくりくる絵なんだよな
依頼時に完成像が見えているスキルというか、キャスティングセンスがあるスタッフがいるシリーズだなと思う。
3Dモデリングについて
戦闘モーション、3Dモデリングを躍動感ある動かし方していてセンスを感じた。かっこいい
3Dモデリングがわりと生き生きとうごくのがびっくりした。ちょっと動体視力で追いつかないくらい早めに動かしてて、それが勢いを演出してるのかもしれない
支援会話とかの動きもわりと違和感なかったし
イラストをメインに使わなくても3Dモデルでどこまで行けるかを実験してるように感じた。
でもちゃんと
エンディングのスタッフロールで一枚絵たくさん描き下ろしがあったり
指輪を大事なキャラに渡すイベントでは全員に一枚絵あったりと
3Dだけじゃなくて、イラストも無くさないでくれたのもうれしかった。
戦闘について
戦闘は少し難しく感じた。でも難易度設定など、ちゃんと誰でもシナリオクリアできるように調整されていたのでその点はよかった。戦闘苦手な人への配慮がきっちりあれば、これからも難易度等どんどん冒険していいと思う。
でも遭遇戦は敵強すぎでしょ…二軍のレベル上げとか新加入キャラの使い勝手とかを気軽に見たいのに、遭遇戦の敵の強さ・数・連携の陰湿度で毎度死線を掻い潜ったので、あんまり利用しなくなった。ストーリーの敵より断然強い遭遇戦の敵、何者なのか…
エンゲージシステム
エンゲージシステムで髪色と服が変わるの「子世代」システムからの派生なんだなきっと
「組み合わせによってユニットの髪色とステータス補正が変わる」っていう
過去作の子世代システムが受けたから、それのどの部分が受けたのかをエンゲージシステムで実験してるのかもしれないと感じた
ソラネル(本拠地)
できることの内容は好みだけど、システムをもうちょっと煮詰めて欲しかったかな。
動物の保護とか、ミニゲームで遊べるとか、国への投資とか、できる内容は楽しそうに思ったけど、実際はちょっといちいちやるのめんどくさかったりして、自分には合わなかった。
アイテム回収とかも自動でやってほしかったな。操作性ももっと快適にして欲しかった
国への投資について
国への投資、もっと遊べてもよかったのでは
このゲーム、稼げる資金が渋いので気楽に国への投資できななかったのが不満だった。すぐ軍資金カツカツになるから気楽に投資できなくて
せっかく主人公が神という設定なんだから、それぞれの国の発展とかできたらよかったのになー
聖地リトス・ブロディアとかの国を発展させて
プレイヤーの好きに国の設備をメイキングできたらよかったかなあ
俺屍みたいに
俺屍の、投資で街を発展させるシステムみたいに、
全体ビューで国が賑わってるの見たりとか、国の発展やりたかった
聖地リトスの観光客増やすとか笑
EDのキャラ後日談
シリーズおなじみ、EDの後日談の内容、良かった。
ほど良くドライで。キャラに肩入れしすぎない感じが好みだった。
ユナカとモーヴが行方不明とか
アルフレッドが短命とか
あと書下ろし一枚絵がばんばん出たのも良かったな。
本編は3Dモデルを多用するけど(立ち絵・ステータス画面・イベントシーンのキャラは3D)完全に3Dに移行するんじゃなくて、イラストも残してくれてうれしかった。
まとめ
エンゲージは実験作だと感じた。色々な新しい要素を入れてみて、ユーザーの反応を伺うような挑戦的な内容だと思いました
個人的にはシナリオの演出や、システムの不便さに少し不満を感じた。作品の雰囲気やテーマが好みだっただけに、もったいないと感じます。
もう少し製作時間をかけて、じっくり煮詰めて欲しかったなと思います。
本作は指輪に関する物語ですが、エンゲージはまさに磨けば光る宝石、原石のような作品でした。もう少し、ブラッシュアップすればもっともっと化けた可能性があると思います。魅力があるだけに、ちょっと惜しいかな…
エンゲージ、次回作までの繋ぎに発売されたのかと思ってたんですけど(急いで発売しなければいけない理由があるのならいろいろ粗いのも仕方ないかと考えていた)、発売後一年の間に次回作の発表がなかったのは意外でしたね。
急いでリリースする必要がもしなかったのであれば、もう少し時間をかけて欲しかったかなあと個人的には思います。
FEエンゲージ、面白かったです。キラリと光る魅力ある作品でした。
次回作も楽しみにしています!
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