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終わり続ける、時のハナシー「メッセージ/Arrival」



お話より先に 音でやられた。

冒頭とラストに登場する
マックス・リヒターの
「On the Nature of Daylight」



劇中に登場する
ドヴォルザーク「弦楽セレナーデ」


お話は
“彼ら”の言葉を
知ろうとする人間たちの話だけど

ヨハン・ヨハンソンのサントラ含め、音に一番、心持ってかれる映画だった。



エイリアンやって来たバナシは、大体が

↓パニックになる
↓誰かが立ち上がる
↓やっつけようと奮闘する

・・・なんて流れが多い
果たして人類の運命は?的なね。


この映画は全然違う
すごーく個人的なトコロ、周りは
すわ戦争か?!てな感じで大騒ぎだけど
主人公ルイーズの中ではすごく静か。



エイリアン来た

軍に呼ばれて
彼らとコンタクトをとる

“ヘプタポッド”と名付けた
彼らの表す表意文字を解読し

地球へやって来た真意を問う




・・・その間、フラッシュバックし続ける
家族?との景色が
何を意味しているのか、わかった時に



彼女は未来を観ていたことに気づく
彼らとの、時系列を持たないコトバでのやり取りが
彼女に、それまで認識していた時間の流れとは関係なく
未来を知覚させる



それを持って
彼女は戦争を止めることができた



ただね、こちらは相変わらず
一方向の時間の流れで観てるし
地球が廻っているのはわかるけど
ヘプタポッドの表意文字は
字幕がなきゃ解読できないわけでw




映画の冒頭から
よーっく注意して観ていないと
何が何だかわからなくなります
(というかわからなくなったw)


だから、もう一度観ましたわwww
引っかかったものは何度も観る(´∀`*)

冒頭のバイオリンのフレーズに聴き惚れる〜♪


で。結局、ルイーズは
未来を観た
それも、地球の、とかそんな大きなものじやなく自分自身の、これから先のこと


それは、タイムマシンやどこでもドアで
未来へ行くとか
過去へ行くとか
じゃなくて

今、ここで(現在だと認識してるここで)、
未来を、観てる。


だから彼女は混乱してる
ま、当たり前よね
いきなり、まだ出会ってもいない我が娘とのやりとりを、観続けるわけだから


ただ、事が終わった時
これから先のことを知ってしまった彼女は




…わかっていても構わない
…どの瞬間も大切にするわ



・・・と、観た未来を受け入れる
ここが女の強さなのかなーと感じるわけだけど


男が
オレこの後、結婚するんだ?

娘ができる?

で、え?オレより先に娘が死ぬ???

…なんて知ったら
とても受け入れきれない気がするんですけど
(反論待つ^ ^)


ともかくも、ルイーズは受け入れた



彼女が、イアンにかける言葉と
応える彼の言葉が刺さる


「この先の人生が見えたら、選択を変えた?」
「自分の気持ちをもっと伝えたかな」

彼が、充分に自分の気持ちを伝えたのか
彼女が、選択を変えずにすべてを受け入れたのか
それはスクリーンには描かれないけれど



時間、というものについての映画なんだな
と私は受け取りました。




ヒトは無条件に未来を信じてる
悲しく辛いことを、想定はしても
信じはしない

つまり未来は明るいと
勝手に思ってる


「時に、流れがなかったら?」と問うた
彼女の言葉のとおりに

ヘプタポッドの表意文字は
円を描いて終わる


同じように、終わり続けるのが
“時”というものなら

表わし続けることでしか
ヒトは進めないのかも知れませんね。

(画像はお借りしました)

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