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油彩画(婦人像・沙羅の花の咲く頃)

                       婦人像・沙羅の花の咲く頃 F20

 今から25年位前のこと、確か『婦人画報』だったと思うが、お茶席の、沙羅の花が咲く露地の待合に腰掛ける某夫人の写真が掲載された。その凛とした、清楚で気品に満ちた佇まいに惹かれ、絵に描いて見ようと思った。
 が、技量不足でどうしても顔が上手く描けない。結果として、当たり障りのない無個性な絵になってしまった。長い間2階の物置に放置していたが、今回、久しぶりに取り出してみると、幸いなことにどこも傷んでいなかった。

 沙羅の花は、日本では夏椿のことを言う。本当の沙羅の花はインドまで行かないと見られないそうだ。沙羅も夏椿も一日花で、朝咲き夕方には散ってしまう。花はジャスミンに似た芳香を放ち、初夏の朝を清々しくしてくれる。
 私の家にも、写真のとおり、丈の低い沙羅の木があったが、数年前の夏、多忙にかまけて水遣りを怠ったため、とうとう枯らしてしまった。申し訳ないことをした。

                               沙羅(夏椿)の花

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