岡本章子 衆議院議員が経済安全保障推進法案に関する質疑の中で宮城県上工下水一体官民連携運営事業(いわゆる、宮城県の水道民営化)について質問。

 2022年4月1日、衆議院 内閣委員会の「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案(通称: 経済安全保障推進法案)」に関する質疑に於いて、岡本章子 衆議院議員(立憲民主党 / 宮城1区)が、小林鷹之 内閣府特命担当大臣(経済安全保障担当)に対して、宮城県上工下水一体官民連携運営事業(いわゆる、宮城県の水道民営化)について質問しました。

【 岡本章子 衆議院議員(立憲民主党)の質問 】

 次に、各項について伺います。
 第3章 基幹インフラ役務の安定的な提供確保のため、特定社会基盤事業 として、14の事業を列挙しており、その中に 水道 がございます。
 宮城県 ではまさに、4月1日 本日、上工下水、これが「コンセッション方式」が導入され、運営権が民間に譲渡されました
 特定目的会社 が、新たに設立する「運転管理維持会社」は、何と 議決権株式の51%を、 外国企業が保有をしている ということも明らかになりました。
 これは資料3を御覧頂ければと思います。
 あのー、国内の民間活用ではなく、外国資本の影響 がありありという状況です。
 まさに、まさに、経済安全保障 を芯にしている最中でのスタートということです。
 そもそも、日本には、水道事業法が無く、水道法ではコンセッションを請けた民間企業には、直接指導が届きません
 コンセッションは、企業秘密と情報公開が折り合わず、 万が一、事業者が 国家、国民の安全を損なう恐れの大きい行為、これがあった場合でも、リスクの把握すらできない 場合も、あるのではないでしょうか?
 つまり、この後半、こうあん、あ、法案で、そもそも、規制ができないのではないでしょうか?
 この点 、お答え下さい。

(小林大臣)
 お答え申し上げます。
 あの、委員ご指摘の水道についてですけれども、おー、ご指摘のあったコンセッション方式の場合でございましても、この法案に於いて、えー、規制対象となる特定社会基盤事業者は、あくまで水道法上の水道事業者、あー、 そして、水道用、水道用水供給事業者である地方公共団体でございます。
 え、このため、水道事業などの運営業務をですね、民間のコンセッション事業者が担っていたとしても、おー、地方公共団体に、い、対して届け出義務や報告聴取などの規定が適用されます。
 え、したがって、えー、事前審査などに必要な、あー、コンセッション、え、コンセッション事業者に、い、関する情報があった場合には、あ、この地方公共団体に対しまして、その、提出を求めることによって、その結果、あー、国が把握し、必要な措置を講じることが、あー、可能となっております。
 また、あのー、地方公共団体を通じた情報の把握が困難な場合であったとしても、この法案の中、法案に基づきまして、え-、主務大臣は、あ、重要維持管理などの委託を受ける、コンセッション事業者に対して、直接、資料の提出などを求めることも、お、できる立て付けとなってます
 なお、委員から水道法ではコンセッションを請けた、あー、民間企業には直接指導が届かないというご指摘がございましたけれども、水道法に於きましても、国は、水道事業などの適性を確保するために必要があると認めるときは、地方公共団体及びコンセッション事業者に対しまして、報告聴取などができるものと承知をしております

(岡本君)
 はい、今、あの、御説明頂いた中では、いっ、あの、一義的には「自治体」なんですね。
 国から対応するとすると、自治体なんです。
 で、そこに、ま、報告を求める、ということになります。
 えー、私、今、この、宮城の方式でいきますと、っとー、コンセッション請けた事業体が、さらに運営会社を作って、そこに事業を運営をしている状況になります。
 あの、二重、三重に、あのー、段階があるということで、さらに、直接的な規制や、あのー、勧告等が及び難い ということは指摘をさせて頂きます。
このことも踏まえると、っとー、第3章については、重要設備以外に、外資に対する規制 という、あのー、考えを 設けるべき だと私は考えています。
 今回立案するにあたって、対象や対象事業者に、外資が投入、投入されるリスクについて、どのような検討がされたのでしょうか?
 最低限のリスク回避として、それぞれの事業に 外資規制をかけるという発想はなかったのでしょうか?

(小林大臣)
 あのー、お答え申し上げます。
 えー、基幹インフラ役務の、安定的な、あー、提供の確保に向けた取り組みは、業法などの既存制度で、えー、講じられて、えー、おりますことから、ま、それに上乗せをする形で、えー、この法案に於きましては、真に必要なものに絞ってですね、えー、我が国の外部からの妨害を未然に防止するために、新たな、あー、枠組みを、おー、設けるもので、えー、ございます。
 で、具体的には、あー、基幹インフラ事業を取り巻く様々な、あー、リスクと、現行制度による対応
 状況を踏まえまして、えー、喫緊での法制上の対応が必要なものとして、えー、重要設備の導入や維持管理などの委託の場面に着目を致しまして、えー、じざん、事前審査などを、おー、行う枠組みを設けることと致しました。
 すなわち、何を申し上げたいかというと、今回の法案 というのは、基幹インフラ事業の担い手が、誰であるかに着目した制度を設けるものでは、あー、なくて、あの、ございません
 えー、が、例えば、その、おー、委員ご指摘のように、その、外国投資家による出資 などにつきましては、別途、外為法 に基づく 対内投資審査制度 におきまして、国の安全や公の秩序維持、いー、などの観点から、一定の業種に対する株式の取得 などを審査、審査の対象としている ものと承知をしております。

(岡本君)
 はい、あのー、まあ、海外法人経営権を、あの、さらに、売却するということも、あの、経済、あの、 活動ですので、有り得ます
 どこの国に売却されるかもわからない、そんな前提で本当に事業を任せて良いのかという疑問があります。
 先程、あの、業法でということでしたけれども、そもそも、水道には事業法がございません
 あのー、公が直接担う前提になっている為 ではないかと、私は思っています。
 また、あのー、先程は、あのー、外為法 のお話がありましたが、今まで、1件しか、あの、実際、あのー、命令を、行った事例っていうのはございません
 効果も含めると、私は、あのー、そもそも、っとー、特に、この、事業法を持っていない水道、あの、含めて、っとー、事業法で、業法で、規制がかかっていない部分 についても、国家の安全保障という観点で、この 外資の、っとー、規制っていう考えを盛り込むべきだと思います
 あのー、自由な、あ・・・・・・、あ、ごめんなさい。
 この 売却をすることもあり得ます ということも含めて、あのー、この点、お答え頂けませんでしょうか?

(小林大臣)
 まず、あのー、外為法 の、おー、この 命令に至ったのは1件しかない、それは、あの、その通り ですが、その上で、えー、この、対内投資審査制度につきましては、ま、2019年に、あのー、法改正を行いまして、いわゆる、その、事前届け出を求めるThreshold、あの、閾値を10%から1%に下げた、ということですとか、また、あの、国際情勢あるいは技術動向を踏まえまして、え、事前届け出を求める業種に、まぁ、サイバーセキュリティー関連ですとか、レアアースなどの重要鉱物資源管理の業種を、あの、追加してきております。
 まぁ、件に制度の見直しを行っています。
 それと共に、この委員会でも何度か申し上げましたが、審査に、いー、関係してくる、その、人員の、おー、増強、すなわち、執行体制の更なる強化、また、その運用の中で、昨年の7月に、アメリカのCFIUS(対米外国投資委員会)、類似の、この、これまでは、あの、各省庁が、ま、財務相とかと、直接やってたんですけども、知見を共有するような形の枠組み、というものを設けるなど、態勢はととと、整ってきておりますので、そこはしっかりやっていきたいと思います。
 また、あの、委員から、あのー、その、経営権 を、おー、別の外国資本に、いー、売却することも有り得るのではないかという問題点 を、あの、指摘、あのー、論点を指摘頂きましたが、一般論と、も、して申し上げますと、外為法上、外国投資家が、他の外国投資家から、国の安全などに関する一定の事業を含む、企業の株式を取得しようとする場合や、そのような事業を譲り受ける場合には、事前審査のを対象となり得る ものと承知をして、えー、おります。
 えー、今、申し上げました通り、いー、この、おー、委員の、この、指摘の、その、対内直投(対内直接投資)に関する審査 というのは、極めて重要になってきているということは、認識をしております ので、えー、この、だい、外為法の規制を中心に、まぁ、関係省庁が連携していくことで、万全の対応を図って参りたいと考えます

(岡本君)
 はい、あのー、まっ、先程、宮城の事例を紹介させて頂きました。
 これ、あのー、えっとー、 運営を、受託している会社というのは、直接のところではなくて、さらに再委託という形での事業者です
 ですので、あのー、経営権の売却 というのが、直接、あの、管理下、指導、管理下にある部分には 一定の、あのー、条件がつくか 、あのー、運用が利く かと思いますけれども、さらに、そこから先、委託をしてる会社 っていうのが、どこまで、あの、権限が及ぶのか というところは、非常に、疑念がありますし、まぁ、この、宮城のこの会社 に関しては、あのー、残念ながら 海外で、あのー、 別な、 っとー、他国の会社に、あのー、売却をした事例がありますので、その点も、っと、及ばないということも確認をしております
 少なくとも、この14事業に関しては、外資も含め、安易な規制緩和や、経済優先の発想ではなく、むしろ、国産、国消を前提として、国内の技術を上げていくことで、っとー、国民の、国家と国民の安全を守ること、このことを期待したい、そのことをお伝え申し上げ、質問を終わります。
ありがとうございました。

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※ 小林大臣:  小林鷹之 内閣府特命担当大臣(経済安全保障担当)、元財務省の官僚。

宮城県上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)
 【 宮城県庁
    ↓ 
  [ 水道用水供給事業、工業用水道事業、流域下水道事業の運営権 (20年間) を売却 ]
    ↓ 
 【 特定目的会社 (SPC)】← [ 出資 ] ← 【 民間企業 10社
    ↓       ↑
  [ 業務委託 ]  [ 協調融資 ]  ← 【 地銀2行メガバンク保険会社
    ↓  
 【 運転管理維持会社 (新OM会社)】← [ 出資 ] ← 【 民間企業 10社

※ 特定目的会社(SPC)「株式会社みずむすびマネジメントみやぎ」は、「メタウォーター株式会社」が議決権株式の51%を保有。

※ 特定目的会社(SPC)「株式会社みずむすびマネジメントみやぎ」が出資し新設した運転管理維持会社(新OM会社)「株式会社みずむすびサービスみやぎ」は、フランスの大企業「ヴェオリア」傘下の「ヴェオリア・ジェネッツ株式会社」が議決権株式の51%を保有。

※ 水道事業に於いて、外資規制はした方が良いが、運営権の売却先が国内企業であったとしても「清浄にして豊富低廉な水の供給」、「公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与」が保障されない可能性がある。
その理由は、英国(ロンドン)とフランス(パリ市)の水道民営化の先例を見れば明らかである。

※ 英国会計検査院の報告書「PFI and PF2」や日本の会計検査院の報告書「国が実施するPFI事業について」を元に、「PFI方式やコンセッション方式は、従来方式よりも割高なのではないか?」という議論が必要。


【 動画 】
■ 衆議院 2022年04月01日 内閣委員会 #03 岡本あき子(立憲民主党・無所属)
https://youtu.be/EjFDsIBpX3k?t=292


【 Twitter 】


【 関連資料 】

■ 宮城県の水道民営化問題
https://miyagi-suidou.hatenablog.com/

■ 命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ
https://www.facebook.com/mizumiyagi/

■ 「日本初の水道事業民営化。運営会社の議決権株式はヴェオリア・ジェネッツ社が51%保有」(橋本淳司 / 2021年8月31日)
https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotojunji/20210831-00255754

■ 日本の会計検査院が、PFI事業の不適切業務と、従来方式よりもPFI方式の方が割高であることを指摘。
https://note.com/gifu_water/n/n3fc77773f1e4

■ 2018年7月5日 衆議院 本会議 水道法改正案 反対討論 武内則男
https://twitter.com/Knulp55/status/1014823270305050626

■ 『森山浩行 衆議院議員が会計検査院の報告書「国が実施するPFI事業について」について内閣委員会で質問。 』(2022年2月4日)
https://note.com/gifu_water/n/n17b7d7f40e5a

■ 2022年3月29日 参議院 厚生労働委員会 川田龍平

[ 国会動画 ] https://www.youtube.com/watch?v=UjAsmdfwjJ4
[ 解説動画 ] https://www.youtube.com/watch?v=6okjcigFclM
[ 解説記事 ] https://ameblo.jp/kawada-ryuhei/entry-12734517210.html
[ Twitter ] https://twitter.com/KawadaOffice/status/1508854455717953537