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下呂で生まれ育った、私たち若者にできること。


「下呂には温泉がある。でも温泉しかない」


そんな言葉を何度も聞いてきた、
下呂で生まれ育った若者たちが中心となり、
まちやひとの魅力を再発見した1日を紹介します。

はじめに

遡ること9ヶ月前、弟と下呂のまちあるきをしたときのこと。

『生まれ育った下呂のことをもっと知りたい』

そう強く思うようになり、週末に東京と下呂を往復しながら地元のことを学び直していた。同級生たちと再会し、温泉寺にもお世話になり、まちの方に声をかけていただける機会も増えた。

そんな中で「沸く沸く下呂さがし」というイベントを企画した。



このイベントで伝えたかったこと。

・下呂温泉街を通じて、“温泉街で暮らす”ことを知る
・まちあるきを通じて、“まちの魅力”の変遷を辿っていく
・参加者との交流を通じて、“わくわくする将来”をさがす

純粋に1日を楽しんでほしいけど、それ以上に
地元をもっと好きになり、将来何か地元に関わりたいなと感じてもらえたら最高だなと。

当日は小中高の友人、大学の友人、社会人以降の友人など20名集まってくれた。
下呂から、高山から、岐阜から、関東から。

それだけでとても嬉しくて、楽しみだった。どんな化学反応が起こるのだろうと、わくわくしていた。

会場は温泉寺。下呂温泉の歴史は温泉寺から始まったとも言えるからこそ、この日を温泉寺で迎えたかった。快く会場をお借りさせていただき、沸く沸く下呂さがしがはじまった。

下呂の歴史やまちあるきの楽しみ方を紹介した
参加者同士の自己紹介
すぐ打ち解けてて安心した
この日のために用意した下呂温泉街の地図
ゼンリンの40年前の地図を参考に、
昔の下呂を知る方々に聞きながら作った
下呂の歴史を遡るようなミッションも作った
全員で協力しないとクリアできない仕様にした


そのあとは湯之島地区・森地区・幸田地区のチームに分かれてまちあるきを開始した。


湯之島地区

湯の街通りを歩く
街から消えたものは何だろうと地図を読み解く
集中管理システムを横目に階段を下る
おがわや酒店では角打ちを楽しんだ参加者も
まちの方々と交われるような設計にした
意外と知られていない路地裏の多さ
渋い道も楽しく進んだ
お昼ご飯は1976年から続く喫茶果林
店内の書物から歴史を学ぶ
マスターと話し込む参加者たち
純喫茶は新たな発見がある


幸田地区

温泉寺の階段を下り、川向かいを目指す
「この場所に昔何があったでしょう?」
地図を参考にしながらミッションの答えを考える
下呂駅に繋がる歩道橋
照明の統一感も下呂らしさとして紹介した
しらさぎ緑地公園を歩く
花火の準備が進められていた
先週リニューアルオープンした幸月へ
来年で60周年となる
お昼ご飯はラムネ屋で
飛騨らしい店の外観が素敵な店


森地区

飛騨街道を進み、阿多野谷を越えると森地区
地図を読み解きながら松原商店街を進む
大正堂では通りの歴史をお話しいただいた
階段の先はどんな場所だろう
と八幡神社を目指す
何頭の龍がいるかな
せせらぎの小径は降りて歩くと印象が変わる
だもんでのマスターから下呂への想いを聞く

わくわくする下呂をさがす

最集合してからは1人2枚、わくわくした下呂の写真を選び、チームで紹介し合った

写真が多すぎて迷う参加者たち
同じ場所を一緒に歩いていても視点が全然違う
だからこそ面白いのがまちあるきの魅力
まちのデザインを語る
休憩時間には温泉寺の医王閣も見学した
内装と和服が似合う


その後は全体発表の場として、
参加者が見つけたわくわくした下呂を発表し合った

わくわくした下呂を語り合い始めた
参加者のコメントとともに写真の一部を紹介します!
いい湯いいまち下呂のまち
ふるさとを大事にしたいと感じた
(下呂出身・下呂在住・10代)
書体とデザインが目に留まった
(愛知出身・美濃在住・20代)
いつから止まった車なのか気になる
(各務原出身・高山在住・30代)
坂の多い下呂で自転車を見て日常を感じた
(白川出身・白川在住・20代)
喫茶おしゃべりの外観に「おしゃ」を見つけた
(三重出身・高山在住・20代)
1階と2階で建築が大きく異なり特徴的
(東京出身・東京在住・20代)
下呂の路地裏を楽しさを知った
(熊本出身・各務原在住・20代)
白鷺もよく観察すると可愛らしい
(愛知在住・20代)
新旧のテナントが混ざり合い
人が行き交っているのが印象的だった
(神奈川出身・神奈川在住・20代)
行燈やライトアップはこの時期だけ
それが下呂らしいなと感じた
(下呂出身・岐南在住・20代)
一緒に歩くだけで楽しいまちだと感じた
(下呂出身・下呂在住・30代)
建物の構造が面白い、早く店主と会ってみたい
(愛知出身・高山在住・30代)
タブーになりそうなゲロをモチーフに
下呂の街に溶け込んだデザインが素敵
(千葉出身・新潟在住・20代)
旅館に埋め込まれたタイルと石がかっこいい
(多治見出身・岐阜在住・20代)
河川の氾濫に耐えるための旅館の構造が印象的
(静岡出身・東京在住・20代)
神社の落ち葉もアートにしてしまう
まちの方々のホスピタリティを感じた
(高山出身・愛知在住・20代)
風呂桶をモチーフとした展望台
何をどう紹介しようか毎回悩む
(下呂出身・下呂在住・20代)
展望台から見える旅館の室外機がアート
(岐阜出身・関在住・20代)
家族の証がまちに埋め込まれているのがいい
(下呂出身・三重在住・20代)


私たちが地元のためにできること

下呂には何もないと思っている人ほど、下呂を知らない。
下呂は面白くないと思っている人ほど、本当の楽しみ方を知らない。
下呂は温泉で有名な観光地だと思っている人ほど、温泉や観光が栄えた歴史やまちの人々の想いを知らない。

様々な地域課題がある中、根本である地域を“知らない”を、どうしたら変えられるのだろうか。


下呂の人と話すからこそ、下呂のことが分かる。
深く繋がっていくからこそ、好きになる。
若者が多く訪れるまちだからこそ、
若者が楽しいと感じる下呂を見つけ、伝えていく。
それができるのは、私たちだ。

私だけでは何もできないし、何も変えられない。最初はそう思っていたし、それは今も変わらない。でも少しずつ同じ想いを持つ友人が増えてきて、一緒に何かやってみようと手を取り合えるようになってきた。
私が、から私たちが、に変わってきた。
本当に嬉しくて、誇らしくて、幸せなことだ。


将来がどう変わっていくのかは分からない。でも、残したいまちとひとであることには変わらない。まずは私たちがそう思う必要があった。そして、これからはそう思う人が多くいる地元にしていかなければいけない。
地元を離れた私たちだけど、今は自分ごととして考えている。大変なんだろうな。だけど少し気が楽になった。


柔軟さと俯瞰的な視点で、正しい情報を選択する。
資金はなくても、発想力と行動力でカバーする。
人脈も信頼も実績もなくても、大人に頼ることはできる。

20代の若者だからこそできるまちづくりって、
そういうことなのかもしれない。

最後に花火を見ながら、そんなことを考えていた。
とても楽しかった1日だったけど、
それ以上に熱い気持ちを分かち合えた1日だった。
少しだけ泣いた。1人じゃなかった。



「私たちが地元にできることは何だろうか」


弟と下呂のまちあるきをして以降、ずっと悩んでいた。
悩んだ先にあるものが、ほんの少しだけわかった気がする。
近くにいても、遠くにいても、関係ない。
私たちが地元にできることは、この想いを持ち続けること。

もっと地元に誇りを持ちたい、
と未来を語る兄と弟

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