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週末岐阜県民 〜えんを漉く〜

最近何かとご縁のある美濃市へ。
ワラビーランドで出会った小笠原さんからお声がけいただき、1泊2日の農泊体験へ。


前回の美濃市での出会いの記事はこちらから↓

再会と出会い

宿でチェックインを済ませたら、その勢いですぐ近くを流れる板取川へ。大自然に囲まれて会話が弾みます。

再会が夕日の沈む川なのが日常だけど特別感あって良い


今日はたまたま美濃市の花火大会だったので、その足で花火会場へ。

河川敷は花火を心待ちとした人たちで溢れていました
花火の軌跡が空高くへ上がります
花火大会のフィナーレはド派手でした

宿に戻り、千田さん夫婦やゲストの方々と合流しました。この日のゲストは代々木上原で店舗を構える3人組と、日本に在住して3年目のドイツ人でした。普通に生活していたら交わらない方たちと、岐阜の里山で出会うことができました。
会話の中で誰かが「農作業をしよう!」と言い、明日みんなでやりましょうという流れに。そんな場所や集まる方々に感謝しながら、盃を交わし夜遅くまで過ごしました。

農作業とDIY

ワラビーランドの朝は農作業から始まることになりました。やることも多かったので、田んぼ班と楮(こうぞ)班に分かれました。私は楮の剪定と草刈りへ。

蕨生地区の楮畑
初見はど、どれ、、、?と思うほどだった

ワラビーランドの(和紙職人の)千田さんから楮や和紙について話を伺ったので簡単に紹介。

楮はみつまたや雁皮などと同じ和紙の原材料の一つである。国内生産量が少なくアジア諸国からの輸入もあるが、蕨生地区では和紙職人の集落とともに楮の生産が行われていた。収穫時には2−3mほどの高さになる。多年草のため収穫しても来年また生えてくる。
和紙の生産には職人、原材料、そして水が必要である。板取川や長良川など、清らかな水が豊富に手に入った地域性だからこそ発展してきた。

なるほど、、、!楮ってそんなに大きく生育するのだと驚く。そして、ワラビーランドHPでよっしーさんが持ち上げていたのは楮の束だったんだと今更ながら気づく。使用方法は違うけど、刈り取った後は茅葺きの茅とも似ているかもしれない。そして文明や地域の発展には水が欠かせないものだと改めて感じた。

和紙について少し詳しくなり、続いて本作業へ。まずは楮まわりの雑草を鎌で刈り取り、続いて残さない楮を刈り取ります。

千田職人直々に教わりました
一部分だけですが綺麗になりました。これからさらに生育します
休憩は畑で採れたスイカ。地元の小池さんもお手伝いで参加。
農作業の一息する、この時間がとても好きです。


爽やかに汗をかいた後は、水を浴びるために板取川へ。みんなで川遊びを楽しみました。

川遊びをする人で溢れていた
透き通る美しさ。飛騨の川よりも冷たくないので泳ぎやすい


宿に戻り、昼食を食べて一息ついていたところに地元の早川さん登場。時間があるからと竿立てを作り始めたので、みんなで手伝いました。
余っていた竹を竿立てに使えそうな大きさにカットし、紐で縛り上げて行きます。バランスが良くないのでああだこうだと言いながら、楽しく作っていきました。

ものの30分で完成。これで洗濯物の乾燥効率が上がります!


最後は子供たちとトランプを楽しみ(一度も勝てず、、、)帰宅の時間となりました。
ワラビーランドでの1泊2日があっという間に終わりました。

むらづくりとひとづくり

自然に触れ心を入れ替えることで、新しい感情や動きが生まれる。そんな時間を地元の方と地元外の方と一緒に過ごすことが、私は好きなんだなと改めて感じた週末でした。

生活を維持させるために既存コミュニティを大事にしていかなければいけないけれど、変化や拡大のためにこれまで以上に外との関わりも求められている。
千田夫婦が『むらづくり』に共感して今に至ったことからも、従来のようなむらではなく、よりオープンに自然の恩恵を受け育むむら。そして和紙や水といった美濃の蕨生地区だからこそ成り立つむら。そんなむらづくりを通じて生きる姿がかっこいいなと感じました。

そして、むらづくりに必要なものとして一番大事なのが『ひとづくり』なのだと。都市での暮らし以上に人に依存した生活になるからこそ、人との関わりや関係性は大事。人的資本が十分かどうかで地域の将来が決まることも考えうる。
小笠原さんが人事の最前線で牽引された経験や今に活きていることからも、人間的な魅力を醸しこの人だからついて行きたいと思えるひと。周囲を動かす力や潜在的な能力を引き出す力を持ったひと。そんなひとづくりを通じて地域社会やビジネスを回していく。私も人事の仕事をしているからこそ、仕事を通じて今まで以上に広い観点からひとのことを考えたいし、考えなければならないと感じました。

地域をよく知ること、人をよく知ること。
どちらも大事だなと強く思った時間でした。

農作業をしていた時に聞いた「紙漉きの“漉く“という漢字は水と鹿。和紙を漉いた頃より前から、自然と生き物とが関わり合っていたんだろうなあ」という言葉が印象に残っています。

和紙にまみれるワラビーランドは、自然と人が関わることでつながりが広がっていく。
えんを漉く場所なんだなと。

それはただ一緒に過ごすのではなく、川に入ったり、農作業したり、ご飯を食べたり、何か作り始めたり。自然や地域との体験を通して一緒に過ごすからこそ、より広く深くなっていく。そんな時間を過ごさせていただきました。

ワラビーランドが今後どうなっていくのかとても楽しみですし、私にもお手伝いできることはしていきたいと思います。


2023.8.5−6

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