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日本陸上中長距離の歴史に残る大会

本日東京オリンピック大会は終了しましたが、日本陸上競技中長距離にとってすばらしい歴史に残る大会となりました。

日本人女子としては初めて1500mで予選準決勝を通過し、さらに4分の壁を破った田中希実選手が決勝でも8位入賞という素晴らしい結果をのこしました。

レース後のインタビューでは、レース直後とは思えないほど見事に自己分析をし、謙虚なコメントをしており今後さらに実力をのばしていくだろうなと楽しみになりました。

さらに廣中璃梨佳選手は5000mで見事予選を通過し、さらに決勝ではペースのアップダウンのあるタフなレースで日本記録を更新しての9位。10000mでは序盤は先頭を引く積極果敢なレースを展開して見事8位入賞。非常に若い選手なので、これからさらに日本記録の更新や、世界大会での上位進出が期待できるなと思いました。

そして、今大会での引退を表明していた大迫傑選手が出場する男子マラソンが今日行われました。

覚悟をもって今大会に挑む大迫選手の走りをこの目に焼き付けようと思い、今日は朝4時半に起きてしっかり走って目を覚ましてから、テレビの前でレースが始まるまで待機していました。

そしていよいよ午前7時、レースが始まりました。序盤から日本代表の中村選手が先頭集団から遅れたり、各国の有力選手がリタイアしたりと波乱の展開でした。そこで大迫選手と日本代表の服部選手は先頭集団で淡々とレースをすすめていまいした。しかし、中盤にさしかかると服部選手は先頭集団から遅れ始め、集団のなかで日本人選手は大迫選手だけとなりました。

30キロを過ぎたところで、ケニア代表の絶対王者であるエリウドキプチョゲ選手が一気にペースを上げて独走態勢に入りました。先頭集団がばらけて大迫選手も少し遅れ始めます。しかしそこでずるずると遅れるのではなくしっかりと前を見据え、追っていきます。途中8位を単独で走っていましたが6位と7位の選手が集団から遅れ、大迫選手はしっかりとその2人をかわし、6位に順位を上げます。

大迫選手はさらに前を見据え、4人の2位集団を追走します。テレビの映像ではとらえられそうな距離に見えて、なかなか詰まりません。しかし大迫選手は前をみて全力で走ります。そのまっすぐな瞳には感動を覚えました。

結果、レースはキプチョゲ選手がそのまま独走して見事金メダルを獲得。大迫選手も全力で走り切り見事6位入賞を果たしました。

ラストランのあとにインタビューを受けた大迫選手。最初はいつものように冷静にレースをふりかえっていましたが、途中から、万感の思いがこみあげてきたのか言葉につまっていました。その姿をみてこちらも涙してしまうほど、このレースに懸けていた思いの強さが伝わってきました。

インタビューのなかで大迫選手はこれまでまっすぐに進んできた、と繰り返し「まっすぐ」という言葉を使っていました。

これまでの競技生活で何度もつらいことがあり、たたきのめされそうになることもあったと思います。そんななかでも、常にまっすぐな志をもって競技に打ち込んできた大迫選手を私は心から尊敬します。

まだまだマラソン選手としてはこれから成長できると傍からみているこちらは思ってしまいますが、大迫選手はインタビューで次の世代の選手への期待も口にしていました。

実際、若手の選手(中高生や大学生)の育成プロジェクトを立ち上げたり、まだまだこれからも競技には携わっていくつもりのようです。

自身がつみあげてきた貴重な経験を、若い世代に伝えつつ、若い選手を育てていってマラソン王国日本の復権に一役かっていただきたいと思います。

本当に大迫選手には素晴らしいレース、感動をありがとうと言いたいです。

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