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最近のVTuberデビュー状況が気になっていたので軽く調べた話

こんにちは、夜枕ギリーです。2024年になり1月の3分の1が過ぎたという誤った情報が拡散されていますが、年始はこのような混乱に乗じたデマが広がりやすいので気を付けましょう。許せない行為です。


最近個人的に気になってた「個人VTuberデビューのハードル高くなりすぎ問題」と「(それが理由で?)個人のVTuberデビューが減ってる説」について。どちらも主観でそう感じていただけなので、少しだけちゃんと調べてみようと思いました。

結論から言うと「コストかけずにデビューしてる人はいる」「デビューの数は減ってる」という感じでした。といっても以前のように何日もかけて調べたとかではないので、あくまでTwitter上だけでふんわり持っていたイメージをweb検索に広げた程度の話なのでご了承ください。


最初はかつてデーターベースを作成していた方が採用していた方式、「YouTubeで自己紹介動画を探す」という直球のスタイルで挑んだのですが、これがまあ機能しない。というのも新人じゃなくても参加しがちな「VTuber一問一答」という人気のフォーマットをはじめ、「○○秒で自己紹介」のshort動画シリーズ、ある程度の活動期間を経て録り直した自己紹介などが大量に含まれるので、10件当たって本当の新人が1人みたいな状態だったので、この方法は早々に諦めました。

これをやるには毎日決まった時間に24時間以内の期間指定で自己紹介動画を検索→総当たりして初投稿が1か月以内をピックアップみたいな地道過ぎる作業をするしかないかもしれない。

で、OTONALIFEさんという情報サイトが、その地道な手法かもっとスマートな方法かは分かりませんが、2022年の頭から1か月ごとのデビュー状況をまとめた記事を公開されているのを発見しました。その月にデビューした注目VTuber10選と、登録者100人以上のVTuber一覧が掲載されています(2023年8月までは登録者に関係なく全掲載)。めちゃくちゃありがたい。

確認のためそのVTuberの一覧から無作為にいくつか検索してみましたが、確かに初投稿/初配信日がその月のものだったので、こちらを参考にさせて頂きました。もちろん抜けがある可能性はあるでしょうが、少なくとも自分で調べるよりは100倍信頼できるはず。

前置きが長くなりましたが、そちらを参考にすると2023年のVTuberがデビューした数は以下の通り。

1月 142
2月 206
3月 242
4月 165
5月 183
6月 189
7月 181
8月 446
9月 180(登録者100人以上)→/0.6=300
10月 149(登録者100人以上)→/0.6=248
11月 210(登録者100人以上)→/0.6=350
12月 173(登録者100人以上)→/0.6=288

残念ながら9月以降は計測時点で登録者数100人以上のみの掲載だったので総数は分かりませんが、1~8月に目を向けると総数に占める100人以上の割合が60%ほどだったので、9~12月の数字も0.6で割れば総数が推測できそう、というのが矢印の右側の数字です。

というわけであくまで参考値に留まりますが、2023年の新人デビュー数は推定2940人、月換算で245人となりました。2018年~2019年頃の月間デビュー数が500人程度だったことを考えると、データをそのまま信じるのであれば半減したと言えそうです。

ただ勝手にデータをお借りしておいてなんですが、OTONALIFEさんの集計は計測方法の記載が無い上、2023は上記の通りで後半に謎の増加を見せている&2022年にまで遡ると月間50~150人程度という記録になっていたのが若干気になります(集計方法にブレがある?)。とはいえ登録者1桁~2桁のVTuberも拾っているので大きく的を外していることもなさそうという判断。



デビュー数の状況はそんな感じとして、「デビューのハードル高すぎ問題」の方について、そもそもなぜそう思ったのかという話。いや、TwitterでTLに流れてくる新人さんのクオリティがヤバいんですよ。

デビューの時点で有名絵師と人気モデラーによるアバターで、三面図やキービジュアル、ロゴや配信画面、チャンネルアート、動くオープニング待機画面やトランジションも完備されていて、さらにはデビュー数か月前から準備中の体で準備ボイスや動画を小出しにし、デビューと同時に凝った編集の自己紹介動画と、人によってはMV付きの歌ってみた動画まで出している、そしてそんな新人がそこまで珍しくないという状況になっている……そのように感じていたので「2018年では普通だった私みたいな雑なデビューとかもうないんじゃないか……?」と思ったわけです。たぶんこの辺をフルセットでやれば依頼先にもよるけど100万じゃ足りないと思うし。

これは極端にしても、やはり見目麗しい姿の新人さんばかり目に入るので、それらと比較すると準備不足だったり、コストもあまりかけていない感じの「とりあえずデビュー」みたいな人が減ったんじゃないかと思っていたんですが、これについてはそんなことはないっぽいです。

さっきのデビュー数調査の過程でYouTube検索やOTONALIFEさんのリストから数十人をチェックしましたが、言い方を間違えると怒られそうですが「個人なりの」クオリティでデビューしてる人は全然いました(総数が減ってるのでこちらの絶対数も減ってはいる)。

ただやはり登録者数との相関性はありそうだし、実際私のタイムラインに流れて来るのも超クオリティの新人さんが多いので、そういう意味で視界に入り辛くなっているという、デビュー後の初動のハードルの高さは上がっているかもしれません。



というわけで個人的な興味からのデータをお借りしてのざっくりな推測でしたがこんなところでしょうか。もっと趣味としての気軽なVTuberデビューはあっていいと思うんですけどね。数字が取れなきゃ死!みたいな価値観はあまり広がってほしくない。

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