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初めて後輩の学会発表をメンタリングした

内科学会近畿地方会で専攻医の先生の学会発表デビューを応援した。
自分が発表者として応援していただいたことこそあれ、応援側に回るのは初めてだった。
また、自分が発表者のときは未熟な研修医・専攻医であったため、指導医の先生からあらかた発表症例や大枠を与えられてからのスタートで、登録も指導医がいつの間にかしてからのスタートであることが多かった。

今回のタイムラインとしては
2023年6ごろ経験した症例 -> 2023年9月ごろ症例決定 -> 2023年12月抄録登録 -> 2023年1月スライド大枠完成 -> 2023年2月 予演 -> スライド修正

本来は演題登録・抄録登録の時点で骨子を議論すべきであるが、私自身の経験としてすでに抄録を提出されてからスタートしていたりしたこともあったので、正直半年前から時間をかけて準備した学会は今回が初めてであった。

結果、堂々と発表していて質疑応答も見事!当日の振る舞いもすごいですが準備の賜物ですね。お疲れ様でした。

題材としてはシベンゾリンによる薬剤性低血糖の症例で割とよく知られているところで、症例報告も結構あるので専攻医の先生は最初躊躇していた。
自分としてもcase reportにするための新しい視点をどうするか、切り口をどうするかで悩んだ。他にサルモネラ腸炎後の感染性大動脈瘤の症例も経験していたが、臨床診断であり組織が取れておらず確定診断できていなかった。
科内で相談して、シベンゾリンの方が診断がすっきりついていて発表しやすいかもしれないということで症例として選ばれた。

今回の気づき
①どの症例が学会発表に適しているか選ぶのが難しいが、市中病院のありふれた症例でも切り口や視点次第では良い発表となりうる。
②症例選びはメンターが後押しするのが良いだろう。メンターは常に学会に出せるかどうか考えながら症例をみることで客観性を保つ努力となり、ヤブ化を防げる可能性がある(だんだん教えてもらえなくなるので自分で生涯学習しなければ!)
③半年前から学会発表準備を始めると余裕を持ったスケジュールでできる。
④魚釣りの方法だけを伝えたのが良かったかもしれない(文献検索の仕方、考察のまとめ方)
”自分だったらこう考察する”考察と専攻医の先生の考察は全く同じではなくやや差異はあったが、自分でも気づかないポイントを重視して堂々と発表していたことに感心した。
「自分の」考察に基づいて発表してもらうことで専攻医の先生の自信になっていれば嬉しい。
⑤まずは自分が背中で見せる必要がある。今回は応援役だったが自分も継続して発表したいと思った。
⑥学会発表で終わりだともったいないので、やはり症例報告として論文化まで目指したい。
⑦2階の専門部分ない自分にとって内科学会で他の発表のときに先生方と議論する俎上にのれていなかった…。まだまだ研鑽が必要。

バイキン屋さんのyoutubeが大変参考になりました!ありがとうございました。

Teaching is learning.
教えることで自分の勉強になりますね。

内科学会の覚え書き
内分泌・代謝領域は難しかった…。
感染症関連で
・結核性リンパ節炎を疑ったら
まずFNA→診断つかなければ生検
*リンパ腫鑑別の時は最初から生検

・Edward Tarda 菌血症 菌名初めて聞いた。魚類由来が多くヒトへの感染は稀だが腸管感染症、肝胆道系感染症きたすことがある。腸内細菌の一つ。報告では治療にセフメタゾールを使っていた。

・ストリングステスト陽性のklebsiella pneumoniae菌血症では座長の先生はルーチンで膿瘍検索や眼内炎の検索をするよう。

#学会発表
#橋本市民病院
#内科

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