Future-caseをcontrolとするCase crossover study (BMJ, 2023)

BMJでFuture-case control studyについての記事が掲載されていました。
https://www.bmj.com/content/382/bmj.p2136

[要約]
Case crossover design
一過性の曝露と急性のアウトカムの関連を調べるために用いる自己対照デザイン
曝露期間と対照期間における曝露の可能性を比較する
薬剤の安全性を調べるために有効なツール
有害事象を経験した人だけを対象とする(Case only design) ため、外部コントロールを設定する必要が無い
同じ人で比較するので、時間依存性のない交絡(性別や家族歴など)を考える必要が無い

Control crossover analysisの必要性
Case crossover 試験は曝露が時間の影響を受けている場合にbiasが生じうる

個人レベルの時間影響→薬剤の入手しやすさや嗜好
 ある症状があると薬剤を始めやすければ、診断がつく前に飲んでしまうかも
Case-time-control (Caseではない人たちからコントロールを持ってくる) →選択バイアスを招く可能性がある
 *Case control studyの議論と一緒

Case-case-time-control (Future case=Caseと同じリスクセット集団からコントロールを持ってくる。例えば年齢、性別や他の特徴をマッチさせておく) どちらも興味のあるアウトカムを経験するので、曝露の時間影響は類似していると考えられる
集団レベルの時間影響も、カレンダー時間を一致させることで減少させることができる
Future caseを用いたControl crossover解析は因果の逆転を防ぐために有効な手段である
Limitation: 現在のCaseとFuture caseの間の時間のgapをどのくらいに設定すればよいか標準化された基準がないこと

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