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福井に行くには

神奈川県から福井県に行くには、東京駅で北陸新幹線に乗るのではなく、新横浜で東海道新幹線に乗る方が早く到着することを知った。私の中の日本地図では圧倒的に迂回ルートのように聞こえたが、それが最短とのこと。まいづるのりかえ。舞鶴という、行ったことのない場所に思いを馳せる。どんな場所だろう。


これまでの経験によって歪んだ思い込みの中に、事実が飛び込んで、頭の中で何かが弾けた。パチパチキャンディーのように、初めは違和感の塊であって、次第に慣れて当たり前になっていく。その当たり前がまた私の土台になって、経験が更新されていく。


事実を聞いた、という体験は、実際に行ってみた、という体験のたまごだ。それでは、体験はどうやったら経験になるんだろう?


定義によると、体験によって自分が豊かになることが経験らしい。「福井に行くなら東海道で」を知ることができたことで、私は行ってみなくても立派に経験したようだ。子供の頃「たくさん経験しろ!」って言われたのは何かを自分でする行動だと思っていたけれど、聞くことも経験になり得ることを知ることができてよかった。


一方で、経験によって経験を逃した。
いつか福井県に行く機会ができても、何も知らずに北陸新幹線で金沢乗り換えをして「あぁ遠回りだったんだ!」と失敗する機会を失ってしまった。知っていてあえて北陸新幹線を選ぶことはあっても。


経験の構成要素は、1%の私の意思と、99%の偶然くらいかもしれない。福井県とタイプして、漢字を眺めていたら、たった3文字の漢字の中に多くの「L」を見つけ出した。こんな見方をできる私はもう、ユニークでしかない。また面白い経験をしてしまった。


福井のお兄さん、無事に到着しているといいな。
皆さんも、良き週末を。

励みになります。