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ロゴは何かを伝えるものでなく、何らかのメッセージの受け皿となるものなのでは、というメモ

ロゴデザインについてちょっと悩んだのと、先日お払い箱となった例の青い鳥さんに想いを馳せたくなったのとで、ちょっとメモ書きます。
私はロゴデザインとかCIとかの専門家ではないので、適当なこと言います。

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私はUIデザイナーであり、ロゴデザインを行うことは滅多にないのですが、レビュワー的にロゴデザインに関わることは結構あります。
で、ロゴデザインというタスクがスムーズに進むところを見たことがない。
大体、以下のような流れになってるなぁと思う。

  1. クライアント「ロゴで、〇〇というメッセージを伝えたいんだ」

  2. デザイナー「はい、XXXXXをYYYYな感じで描くことで、〇〇を表現しました」

  3. クライアント「いや、これでは〇〇が伝わってこない。もっと具体的に描いたり、別のモチーフも試して欲しい」

  4. (しばらく2と3を繰り返す)

  5. クライアント「(何回も繰り返してるうちになんとなく納得感出てきたので)はい、これでいきましょう」

なんで毎回こうなるのかを改めて考えてみたのだけど、これ出発点の「〇〇というメッセージを伝えたい」の時点で間違ってませんかね。
ロゴで何かを伝えられることってある?ロゴから何かが伝わってきたことある?

いや、全くなにも伝わってこない、てこともないと思うけど、作り手が込めたメッセージがロゴだけから伝わってくることなんてありますかね。

例の青い鳥の例

Twitterの青い鳥さんを例に挙げると、込められたメッセージは以下のようなものだそうです。

高い空の上から広大な景色を見渡すにしても、他の鳥たちと同じ目的に向かって進むにしても、空高く飛び立っていく青い鳥は自由と希望と無限の可能性を持っています。

(あ、幸せの青い鳥は関係ないのか。。。)

このメッセージ、Twitterユーザーのみなさんには伝わってましたでしょうかね。自由と希望と無限の可能性。あの青い鳥から感じ取ってましたかね。
とてもたくさんの人に繰り返し見られ、愛され続けてきたロゴですが、このメッセージをロゴから受け取れていた人はほとんどいないのではないかと思います。
一方で、Twitterというサービスに対して「自由と希望と無限の可能性」を感じていた人はたくさんいただろうと思いますし、その印象と、ロゴのデザインはマッチしていました。

メッセージは何でもって伝えるのか

Twitterでいうところの「自由と希望と無限の可能性」を表現していたのは、Twitterというサービス自身だったと思います。
サービスにせよプロダクトにせよ組織にせよ、その伝えたいメッセージを伝えるのはそれ自身であるべきです。それを「ロゴで伝えたい」などと考えるからおかしなことになるのではないでしょうかね。

メッセージが伝わるほどの機能性、体験価値を提供した上で、そのメッセージからズレてないこと、というのがロゴに要求されるものでは?と考えます。

メッセージを体現できていることを前提とする

安心感・安定感を伝えたいのであれば、それを感じ取れる、安心できる安定した体験を提供していること。
先進性・新規性を伝えたいのであれば、それを感じ取れる、革新的で便利な機能を提供していること。
それらが伝わってることを前提として、それらを感じ取った人にとって、その印象とロゴがマッチしていること、印象を定着させるに一役買うこと、伝えたメッセージの「受け皿」として機能すること、がロゴデザインに求めるべきことなのでは?と思うわけです。

本体がメッセージを体現できてないのにロゴでそれを伝えたいなんて、そんな虫のいい話もないでしょうし。

伝えようとするのでなく、伝わった何かとマッチするように

ロゴでもって何かを伝えようとするのでなく、「サービス自体が体現しているメッセージ」に対してマッチしているか、という観点でいけば、ロゴデザインってそんなにしんどくなく、納得感も得られやすくなるんじゃん、とぼんやり思ったことをテキストに書き起こしてみました。
ガチでCIとかやるならもっと全然違う話になるんだろうけど、「UIデザインするついでにロゴも作っといて」くらいの要望だったら、こんな観点でいくと良さそうかなぁー、とか思った次第です。

そしてサヨナラ愛する青い鳥。


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