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さらまわしネタ帳118 - バーニー・レドン

アメリカン・ロックの代表格、イーグルスがお好きな方は多いかと思います。以前にイーグルスが好き過ぎて身を持ち崩したというアル中さんのお話を書いたこともありますが、好きな方は本当にお好きです。イーグルス・ファンは2種類おりまして、「ホテル・カリフォルニア」ファンと、それより前のバーニー・レドン在籍時のカントリー・ロックがお好きな方ですね。まあカッチリ分けられるという話ではなくて、程度の差と言ってもいいのですが、意外なほど分かれます。「ホテル・カリフォルニア」が好きという人間は、ディラード&クラークやバーニー・レドン・マイケル・ジョージアデス・バンドなんてまず聴きませんからね。そもそもご存知ないでしょう。

バーニー・レドンはイーグルスの創設メンバーで、バンド経験がない他のメンバーよりは少し経験豊富という程度でも、デビュー当時は中心的存在だったと言います。ドン・ヘンリーやグレン・フライはもっとロックっぽいものがやりたかったため、どんどんバンドの音楽性がハードになっていくなかで、居場所がなくなったバーニーさんは、「呪われた夜」のレコーディング中に自らバンドを去るわけです。後を埋めたのがさらにハード・ロック寄りのジョー・ウォルシュだったため、ジョー・ウォルシュがバンドをぶっ壊したみたいに言われましたけど、どうもそう簡単な話ではなかったみたいですね。

さて、そんなイーグルス・ファンの中にはコレクター的にレコードを集めていらっしゃる方が当然いらっしゃいまして、7インチ盤に関していろいろ勉強しにいらっしゃったりします。「こういう音源は本当にあるか」ということを訊いてきますから、お応えはしますが、私は専門家でもありませんから、知り得る限りの知識でサービス程度に情報提供するだけですけどね。以前ウチのお店がテレビで紹介されたときに、「ロング・ブランチ/ペニー・ホイッスル」というグレン・フライがイーグルス前に自費制作したようなレコードが紹介されたもので、どうもイーグルス好きというレッテルが貼られてしまったようなんです。

まあ、もちろん嫌いではありません。ソロの7インチ盤もそれなりに集めてあったりします。そしてようやくヘッダー写真の話題となるわけですが、バーニー・レドン・マイケル・ジョージアデス・バンドの「歌にくちづけ」の7インチ・シングルも入手しました。イーグルス脱退後に親友と結成したバンドでのシングルですから、彼の本当にやりたかったことをやっているというように評される盤です。シングルではA面にマイケルの曲、B面がバーニーの曲ですが、これは逆だった方がよかった気もします。それでもアルバムの中ではバンドのカラーを示している上に、メロディも親しみ易く、シングル向きの楽曲だとは思います。まあ、このシングル、Discogsというウェブ上の最大のデータベースでも日本盤に関しては存在が確認されていない盤です。

そんな盤をヤフオクで見つけて、一応落としました。競争相手がいなかったので、スタートのお値段で落としたわけですけどね。まあこんなものなんでしょう。レコードは本当に一期一会です。見つけたときに手に入れないと、二度とお目にかかれないということもざらにありますから。

そして、SNSで入手したことを書いたりしていたのですが、たった2日の滞在で早速に旅立ってしまいました。ここのところ毎週のように7インチ盤をお買い上げいただいている常連さんにお見せしたところ、ハイ、即決でしたね。アメリカン・ロックがお好きな方ですから、当然と言えば当然、あらためて盤の背景を説明する必要もありませんし、この盤にとって最も居心地のよい居場所が見つかったというだけでしょう。

最近、飲食の売上げは低迷しておりますが、レコードはよく売れています。コロナの影響といえば、確かにそうなのですが、またまた感染が急拡大している現在、ウェブ通販の環境整備を急がねばという切迫感が募っております。本当ならお店で試聴したりしながら、盤について語りながら、そして美味しいものでも召し上がりながら、お買い上げいただければ最高なんですけどね。どうもそういったお楽しみは、このご時世、ダメよと言われてしまうようです。気になる盤がある方は急がれた方がいいのかもしれません。

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