見出し画像

備忘録的サブカル近現代史考 013:朝の連続テレビ小説

朝の連続テレビ小説、朝ドラというやつですね。31作目「おしん」82作目「ゲゲゲの女房」88作目「あまちゃん」105作目「カムカムエヴリバディ」といった超有名作もあれば、こんなんあったっけ?と記憶の外に置かれているものもあります。そもそも高山は観てません。どうも騒がしくて、といった印象しか持っておりません。でも世間一般大ヒット作というものは耳に入ってきます。

第6作目の「おはなはん」を憶えていらっしゃいますでしょうか?1966年4月から1967年4月まで放映されたということで、高山は7歳前後、憶えているわきゃありません。…と言いつつ、実は少し憶えているんです、何故か。別に樫山文枝さんのファンだったわけでもありません。

NHKのウェブサイトには下記のようなあらすじが掲載されています。

愛媛・大洲に生まれた浅尾はな(樫山文枝)は、底抜けの明るさとユーモアを持った女性。女学校を卒業したはなに、中尉・速水謙太郎(高橋幸治)との縁談が舞い込む。初めは断るつもりのはなだったが、速水とひかれ合い結婚する。だが、謙太郎は病気で急死。夫の病を機に医学を志したはなは助産師を目指し、2人の子どもを育てながら、震災や戦争などの混乱を乗り越えていく。明治、大正、昭和の時代を、たくましく、周囲に笑いと力と幸福を与えながら生き抜いたはなの物語。

朝ドラ100作品紹介参照

何はともあれ、近現代の時代を俯瞰できるというか、明治、大正、昭和、しかも戦後までの時代背景を上手く描いていたと思うんです。夫に先立たれた女性が元気に生きていくというストーリーはよくあるものでしょう。でもそれは太平洋戦争で夫を失ったという設定がほとんどでして、もう少し前の時代設定です。明治から大正にかけての時代、どんなものだったかは両親や祖母から聞いた話でしか知りようがないわけでしたから。

ウェブの時代になって、いろいろ調べてからは、そうだったのかという程度に知識として持ってはおりましたが、このドラマの非常に面白いところは、「おはなはん」というドラマが始まるところで、終了するんです。明治生まれの女性が1966年に始まるドラマを目にするところまでの時代設定というのが妙に面白くて、忘れられないんです。しかも、ストーリー的には亡くなるまでを描こうとしたようですが、モデルとなった女性がまだご存命だったためにこういう設定になったということを、どういうわけか昔から知っており、その時代の変遷を描きこむことの面白さに惹かれていたように思います。

しかも手元に「おはなはん」の7インチ盤がありまして、何故か昔の記憶を蘇らせてくれます。このレコードは歌手として倍賞千恵子さんが歌っておりまして、もう少し後になると女優さんとしてのイメージが思い切り定着してしまう方ですから、どうしても意外です。出演していたのかとも思いましたが、出てません。主演の樫山文枝さんは新人ですから、歌うまでは行かなかったのでしょうかね。本当は森光子さんが候補に挙がっていたのですが、具合が悪くて代役が回ってきたということです。まあ新人としては、異例の抜擢だったのではないでしょうか。森光子さんは1920年生まれですから、このドラマの時点で46歳、晩年まで「放浪記」とか頑張っていた方ですから、何歳でも関係なかったかもしれませんが、まあ10代から80代までを演じ切った新人女優の樫山文枝さんに拍手しかありません。

1960年代ってドラマとかから元気をもらって、みんなで頑張って戦後復興を成し遂げようとしていた時代なんだと思うわけです。明治、大正、昭和(の戦前)と、頑張ってきた人の人生を大きく左右してしまう戦争というものも実際にあって、しかも敗戦ということで、カラ元気でも元気出していかなきゃという時代だったと思うんです。「おはなはん」はそんな時代の象徴だったように記憶しているんですよね。我々はシラケ世代とかも言われたりするわけですけどね、安保闘争とかとは違った方向性ですが、国が一丸となって頑張っていた時代があったんだということを思い出させてくれるんです。

…まあ、今の政治の話は置いといて、というところが残念なんですけどね。戦争はいかんです。同じ過ちを繰り返してはいけませんって、ホント。そして、岸田首相お得意の少子化対策、学ぶべきところが大いにあるかと思います。首相も一度ご覧になったらいいのに…。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?