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清澄白河カフェのキッチンから見る風景 : バランスどり

カフェ経営のうち、飲食店の売上げ以外の部分、ウチではレコ屋の売上げなどがどの程度あると適正なのか、適切なのか、…運営サイドにとって都合がいいのか、ということはよく考えます。

本来ですと創業支援セミナーの講師もやったりしておりましたから、そういったものにもそれなりに時間を割いてきました。文化センターの講師やラジオ・パーソナリティといった課外活動的なものも同類でしょうか。カフェというハコを使わない活動とも言えますね。ベーシック・リソース=時間の使い方という視点からすると、結構なマイナスに相当するかもしれません。…宣伝効果も少しはあるんですけどね。

レコ屋はカフェの空間を利用しておりますから、本来ですと売り上げと面積的なバランスがとれていることが望ましいように思います。全然売れないものに場所を割けないのは当然ですよね。カフェのBGM用のレコードという側面もありますから一概には言えませんが、ウチの場合はレコードが結構場所をとっております。

コロナ禍前までは、少しくらい場所をとっても仕方がない程度に思っておりましたが、コロナでバランスが変わってしまいました。ソーシャル・ディスタンスの要望から席数を減らし、パーテーションをつけておりましたし、営業自粛期間中に7インチ盤は随分増えました。指をくわえて潰れるのを待っているのも能が無いはなしですから、ウェブ通販の環境を整えたり、いろいろやってみました。やるだけやってみれば、ダメでも納得がいくでしょう。そもそも外食産業のあり方自体を見直さないといけない事態だったんです。ウチはテイクアウトには向かない店なので、典型的な絶滅危惧種です。

結果的にある程度レコードの売り上げも重要なバランスになってしまいました。飲食店の売上げはコロナ前とは比べものにならない程度までしか回復しません。パーテーションは撤去しましたが、席数は減らしたままですし、やはりテイクアウトの方へ世間のライフスタイルもシフトしたのでしょう。コロナ前は「行列のできる隠れ家カフェ」と言われておりましたからねぇ。週末は恐ろしいほど混んでおりました。それと比べると、数字的にはさびしいものです。日によっては頑張っているとも思いますが、ダメな日はダメです。

では、売り上げが伸びてきているレコ屋スペースを拡充するか…、となると難しいです。混む日は混みますから。それなら席数を戻すか…、密は避けたい気はします。如何せん循環器系の基礎疾患がある人間がやっております。いまだにマスクは外せないわけで、悩ましいところです。…おかげで花粉症の症状はここ数年軽いですけどね。自分の場合、マスクはこの先もずっとしていることになるでしょう…。

一昨日の木曜日は、一日で15点のレコードを店舗でお買い上げいただきました。 ↑ しかも結構な高額盤が何枚も含まれております。会計数は3、金額にすると前日、前々日の飲食の売り上げよりも大きい数字を叩き出してくれました。一昨日は飲食店としても結構混みましたから、日の売上げの3分の1程度がレコードといった状態です。雨降りの寒かった日の割りには上々の出来です。…前日、前々日がアカンとも言いますけどね。さあ、どうしたものか…。

一昨日がいい例ですが、レコードが売れる日は飲食店も混んでいるわけです。専業のレコ屋ではないので、レコードだけという日はありません。日数的にはレコードがゼロの日と売れる日がどっこいどっこいという程度まできました。レコードが売れる日はレコード目当ての方が何人もいらっしゃる傾向にあります。そして、飲食も結構な売上げというわけです。毎度同じことをスタッフさんに愚痴っています。「バラけて来てくれれば、もっとサービスできるのに…」

不思議と曜日での傾向もありません。同じ曜日が混むのであれば、仕入れ、仕込みもやり様があるんですけどね。…混む日は混む。皆さんが同じように出かけ易い日があるということなんですかねぇ…。

さて、そろそろバランスどりから方向転換も考えないといけないタイミングかもしれません。なかなかに難しい舵取りです。


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