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FM84.0MHz Radio City presents "Saramawashi.com -The Vinyl Paradise" 083:J-ROCK特集

さらまわしどっとこむ -The Vinyl Paradise-
第83回(2023年4月28日(金)20時~
(再放送:4月30日(日)19時~)

清澄白河にあるカフェGINGER.TOKYOのオーナー高山聡(あきら)がお届けする音楽番組です。
全曲アナログ・レコードでお届けします。可能な限り7インチ盤で、しかもフルレングスでかけます。
サーフェスノイズにまみれた1時間、ぜひご一緒に。

今週はJ-ROCK特集です。相変わらずJ-POPブームなんだそうで、邦楽でも他にもいい曲あるんじゃないと言う程度の邦楽ロック特集です。

1曲目
「ファンキー・モンキー・ベイビー」CAROL (1973)

スタートをモップスかPYGにするかと悩んだ末に、キャロルでスタートしました。これが1973年のヒットでして、それまでとは一線を画しておりました。世の中はハードロック、プログレ、シンガー・ソングライターのブームでしたが、そんな中でアメリカン・グラフィティの影響は大きかったと思いますが、洋楽の世界でも少々懐古趣味的な時代でもありました。70年代の日本のロックといえば、沖縄の紫やら、コンディション・グリーンやら、結構上手い人たちも出てきました。チャーも最初は歌謡曲っぽい売り方でしたが、いいギターを聴かせておりました。キャラメル・ママからのティンパン・アレーはJ-POPの方でよろしいかということでした。

2曲目
「スピニング・トー・ホールド」クリエイション (1978)

泣く泣く外した次点その1がめんたんぴんの「ランブリン・ライダー」でした。記憶の中で鳴っていた以上に音が古く感じてしまったので、今回はパスしました。そこで、反対にいい音で鳴ることに驚いたのがクリエイションでした。

3曲目
「ヘイ・ダーリン」柳ジョージ&レイニーウッド (1979)

柳ジョージ&レイニーウッドは横浜・本牧あたりのローカル色を打ち出していたのも、実は非常に好感を持っておりました。高山はワールドワイドに評価されることに絶対的な価値があるとは思わない人間です。海外で評価されているから日本のシティポップは素晴らしいなんて全く考えてません。ローカルの楽しさ、面白はグローバルなものに勝ると思うわけです。内輪ウケの笑いみたいな価値ってあると思うわけです。柳ジョージが好きなのは、その当時、よく横浜あたりで遊んでいたからでもあるんですけどね。横浜って東京よりも高感度な人間が多かったと言ったら怒られるかもしれませんが、横浜にもの凄く誇りを持っていたり、独自のカルチャー/サブカルのブームを持っていたりするんです。そこがまた面白かったと思います。

4曲目
「ムーンライト・サーファー」石川セリ (1979)

横浜がらみでもう一曲、おそらくアーティストご本人は全くそんな気はなかったかもしれませんけど、横浜でやたらと流行っていた曲がありまして、1979年の夏から83年84年頃まではフツーによく流れていたように思うということで、この曲をご紹介しました。

5曲目
「This Is Song For Coca-Cola」矢沢永吉 (1980)

コカ・コーラのCMやサントリー、JRのCMなどは実に時代を反映していたりします。80年代の空気感といえば、当然ながらキラキラしていてみんな楽し気なんですが、まあその最たるものがコカ・コーラのCMだったということでこの曲をご紹介しました。

6曲目
「モア」Earthshaker (1984)

7曲目
「蝋人形の館」聖飢魔Ⅱ (1986)

 ↑ 動画は1:38あたりから曲が出てきます

もう一つの特色として、80年代というのは、やはりMTVの時代、ビジュアルも大事な時代になっていきます。合わせてヘヴィ・メタルが市民権を得て、極々一般的な音楽となって行く中、日本でも上手いギタリストを中心とした面白いバンドがどんどん出てきました。ここらでラウドネスも、バウワウも、ジョニー・ルイス&チャーも、子供バンドとかもあるわけですが、泣く泣く落選とした盤がいっぱいです。やはり、時代の音です。

アースシェイカーをお店でかけていたら、この時代に生まれたばかりの某スタッフさんが耳にして、「何ですかこれは?X-Japanのプロトタイプみたいですね」という言い方をしたんです。なるほどと思いましたし、面白いなぁと、どこがそう感じさせるのかいなと、いろいろ考えました。それから、音のバランス的にヴォーカルが大きいくて、昭和歌謡的な感覚を引きずっているような、やはりその後のバンドブームとも違うものを感じると申しております。

今日かける連中はみんな上手い人たちです。洋楽に負けないテクニックを持っています。それが89年90年頃にイカ天・ブームというのがあって、90年代初頭には日本国内に大バンド・ブームというものがやってくるわけです。そこでは上手い人たちもいましたが、ヘタクソもいっぱい出てきまして、苦手なものもありました。スピッツとかリンドバーグとか、好きだったバンドも出てきましたから一概に悪く言うつもりもないのですが、やはり80年代に人気だったバンドは上手いと思います。

8曲目
「なんだったんだ?7DAYS」Barbee Boys (1986)

9曲目
「WITHOUT YOU」宮原学 (1987)

80年代後半は、もうデジタルの時代になりますが、アナログ盤は実にいい鳴りの高音質な盤も出てきます。非常に音質がよいアーティストとしてご紹介しました。この辺はJ-POP、シティポップ・ブームの中では語られないあたりです。

10曲目
「季節が君だけを変える」BOOWY (1987)

ここらでかけるのはハウンドドッグでもチューブでもサザンでも何でもよかったのですが、どれもこれも、時代の音でしょう。J-ROCKの頂点と言っても過言ではないのはボウイでしょうか。

11曲目
「Runner」爆風スランプ (1988)

1988年、リアルタイムでのアナログのラストイヤーです。7インチ・シングルもサンプル盤しかないような時代になります。この時期、非常に人気があったのが爆風スランプでした。何度かライヴにも行きましたが本当に上手い人たちです。この曲は1988年に発表され、いきなり30万枚を売上げ、その後もロングランヒットとなります。紅白歌合戦にも出てしまいます。年が明けて1989年1月に武道館スリー・デイズを完売しますが、昭和天皇崩御により7・8日の公演を自粛させられ、1月9日のワン・デイ・オンリーになってしまいました。あのバタバタした空気感のなか、忘れられない出来事でした。

12曲目
「You Turn Me Over ~ Whole Lotta Rosie ~ Train Kept A Rollin’」SHOW-YA (1988)

アナログ・ラスト・イヤーの1988年頃、やはり非常に人気だったのが2つのガールズ・ロック・バンド、SHOW-YAとプリンセス・プリンセスでした。プリプリは翌年の「ダイヤモンド」の特大ヒット直前でして、人気が出てきたところでした。一方のSHOW-YAは1985年デビューでしたからもう人気絶頂期、海外進出を目論んでいた年です。J-ROCK特集のラストは88年4月27日SHOW-YAのロサンゼルス、ロキシーシアターでのライヴ・メドレーをご紹介しました。

次回はイーグルスとその周辺人脈特集です。お楽しみに。
番組へのご意見やお便りをください。
voice@fm840.jp

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