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7インチ盤専門店雑記089「ジェラント・ワトキンス」

以前はゲラント・ワトキンスと表記していたように思うんですけど、最近はGoogle先生が「ジェラントだ」と言えばジェラントでよろしいのでしょう。そもそも昔は検索しても上手く引っかかってこないほどにマイナーなアーティストですから…。失礼でしたか。でも彼について書いたことは何度かあるのですが、完全に反応無しです。

とにかくご本人のリーダー・アルバムを入手するのも苦労しますが、そのわりに有名どころのバックアップをやっていたりします。ニック・ロウ、デイヴ・エドモンズ、ヴァン・モリソン、マーク・ノップラー、ポール・マッカートニー…とくればもう十分ではないでしょうか。最近はステータス・クオーのサポートもやっているみたいです。

バックアップしている連中のラインナップでお分かりでしょうが、パブロック的ノリの演奏が堪らない、ミュージシャンズ・ミュージシャン的なキーボーダーなんです。まあご本人のリーダー・アルバムではギターも弾きますし、渋いヴォーカルも聴かせます。もう少し人気が出ないものかと思わなくもないのですが、日本では無理なんですかね?

アメリカには星の数ほどアーティストがおりますし、ちょいとカントリー寄りになると、全然知らない有名人もいます。その一方で、イギリスの音楽シーンは、意外なほど少ない人数で回しているようなところがあって、クレジットおたくには楽しい世界です。その中でも、結構有名なアーティストのレコードでしょっちゅう見かける名前はやはり気になります。しかも情報が全然無かったんですから。最近でこそ、それなりに充実したWikipediaのページができまして、「ほう、そうか、そうか」と極東の島国に住むオタクが喜んでおります。

2008年リリースの「In A Bad Mood」も、「これは売れるだろう」と思ったら全然売れなかったと思いますが、それでも結構好きです。アナログで入手するとかいうことを望むこと自体諦めていますが、以前の音源はアナログでも出してくれましたし、ザ・モスキートズというバンドを率いて活動していた時期は、10インチ盤の面白いものをリリースしてくれ、喜んだものです。あまりに嬉しくて、予備まで買っちゃいましたけど、まあ欲しいと言われることはまずなし、話題に上りませんから…。

でもね、「In A Bad Mood」、ニック・ロウはまあ有名ですけど、その他の参加ミュージシャンが知らない人ばかりで、個人的にもの凄く興味をそそられているんです。ここから芋づる式に探っていくと、また新な音楽世界があるのではという、鉱脈の手がかりみたいなものと考えています。今更に、こんなに「知らねー」というミュージシャンがクレジットされていて、(YouTubeで観られるヴィデオも、ご近所さんかそこらのオヤジどもとやっているかのような雰囲気です)案外面白いことをやっているんですからね…。私にとってのお宝盤なんです。

まあ一番大事なことなんですけど、楽しそうにやっているんだ、これが。

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