見出し画像

清澄白河カフェのキッチンから見る風景 : 都知事に振り回される人生は嫌だ

コロナで鬱々とした日々、いかにポジティヴ・マインドを維持するかで日に何度も立ち止まり、あれこれ考えております。今自分がやっていることが、だんだん難しくなってきている実感はあるのですが、それは飲食店の営業自粛やら感染拡大防止のために制約が大きくなっているからという部分に尽きます。好きな音楽を聴くということに関しては、ライヴにはなかなか行けませんが、レコードは普通に聴けているわけです。

自分自身が何か変わらなければいけないという要求は大きくはないと考えます。まあ、マスクは手放せない生活になりましたが、これはもうパンツと思うしかないわけでしょう。昔はずっとパンツをはいていたわけではない日本人も、今はみんな、普通にパンツをはいていますからね。

そして、最近思うに、これまでも何度も大きな変化というものはあったわけですよね。私の短い人生において、パンデミックは初めてですが、少なくとも1991年頃のバブル崩壊、2001年の9.11、2011年の3.11という、30年前20年前10年前に起こった出来事で、自分の暮らしぶりは大きく変化を強いられました。特に10年前の3.11、東日本大震災によって受けた影響は甚大でした。福島をはじめとした世の中の物理的な被害も甚大でしたが、メンタルな面で受けた影響も実に大きくて、私はそこでカラダを壊したこともあり、大きく人生の方向転換をすることになりましたからね。何だかその時のことを思い返すと、今起きていることが自分に与える影響は、そんなに大きくないかも、と思えたりもします。

画像2

実はこれ以外に、1995年という年も大きな変化を強いられた年でした。1月17日に阪神淡路の大地震が起き、3月には地下鉄サリン事件です。平和ボケした日本でもこういうかたちでテロが起きるのかと驚いたのも束の間、4月から世界都市博覧会というイベントの運営母体である東京フロンティア協会という組織に派遣になって、全く新しい環境に放り込まれておりました。

画像1

(郵便番号が3ケタですね…。当然携帯の番号もありませんね…。)

ところがその直後に、青島幸男という、全然現実を見ていない都知事が都市博中止を公約に掲げて選挙で勝利し、思い切り無駄がでることを承知の上で中止にしてしまいましたから、いきなり仕事を奪われてしまいました。3カ月で元の江東区役所に戻されることがすぐに決まりましたが、それまでは流行語にもなった「お詫び行脚」という、世界中の出展予定だった都市に迷惑と損失を与えたことをお詫びしてまわることの準備だけさせられるという、あまりに面白くない仕事をやらされておりました。「こんな税金の無駄遣いが許されていいのか」と毎日憤ってました。いやあ、あの3カ月間で随分人間が腐りましたね。生き方というよりも、人生の方向性を変えられてしまったような出来事でした。

まあ、いつまでも腐っていても仕方がないので、その時に知り合った仲間とまちづくりの勉強会を立ち上げて、多くの町を学ぶ機会も得られましたから、少しはよしと考えることもありましたが、元の職場に戻らずに辞めてしまった人間も多かったことを思い出しますと、今でも少し胸が痛みますし、怒りも蘇ります。少なくとも、江東区エリアの地域経済には大打撃を与えてくれましたからね。

そんな思いを抱えて、微力ながらも地域の活性化のお役に立てればとカフェのオヤジをやっている人間が、カフェの経営を楽しむということも奪われそうになっております。何だか都知事に振り回されているだけという気もするんですけど、どうにかならんですかね?右寄り左寄りなどということではなしに、なんで現場感覚がない人ばかり上に立つんですかね?現場を見ろよ、現場を!…と思いません?

せめて音楽を楽しむ環境だけは維持したいなとは思いますが、もう人生の残された時間が少なくなってきた感が強くなっておりますから、ホント、いい加減にして欲しいんですよ。レコードを買いにいらっしゃったご高齢のお客様と、「我々には時間が残されていないんだ」ということを確認し合っていたりするわけで、もう諦めに近い感覚になってしまいましたね。

ちなみに、先日そのご高齢の方が買っていかれたのは、アンナ・マリアの「ひみつ」の7インチ・シングル。一通り探されてから、ダメもとでという感じで「アンナ・マリアはない?」とお声がけいただき、ストック箱から探し出してお譲りしました。まあ60年前の盤がエクセレントな状態ですから、随分喜んでいただけました。…全然買ったおぼえがないので、先般ヤフオクで落札した箱に入っていたんでしょう。わざわざ埼玉からお越しいただいた甲斐がありました。多分あの方にとっては、ワクチンよりも、お薬よりも、あのドーナツ盤の方が生きる活力を得られるものなのではありませんかね。ふぅ…。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?