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さらまわしネタ帳026 - ロン・カーター

ロン・カーター、いいベーシストですよね。そこはかとなく知性を感じるという点に関しては、他に類を見ないでしょう。私にジャズを教えてくれた人間の中には「音がよくない」という人もおりましたけど、私個人としては、彼のベースで音が気になったことがないので、どうにもこの辺のご意見には理解が及びません。ベースの音だと、やはりポール・チェンバースが好きなんですけど、他にはオスカー・ペティフォード、ウィルバー・ウェアー、レジナルド・ワークマンあたりが好きなようです。他人事のようですが、今ジャズのレコード・ラックのところに行って、自分が好きなベースの音が鳴っていると思われる盤を引っ張り出してみたら、この4人でこと足りました。まあ、ポール・チェンバースとオスカー・ペティフォードですね…。

ロン・カーター、そんなに個性を感じるところまで聴きこんでいないのかもしれませんが、どの盤が好きかと言われると、 ↓ こんなところですかね。

彼がリーダーの作品となると、これ ↓ くらいしか思い浮かびません。でも、この3枚は全ジャズ・アルバムの中でも好きな方ですから、このベーシストは嫌いではないのでしょう。

ま、彼のアルバムで一番好きなのは、ヘッダー写真に載せた「ザ・マン・ウィズ・ザ・ベース」なんですが、ベースがねぇ、歌っているんですよ、もの凄くメロディアスに。これは好きです。でも、これがいいというジャズ好きはいませんね。ポップ過ぎとか言われてしまいます。このアルバムについて語るたび、やはり自分はロック耳なんだなと思わされます。これ、日本独自企画ですから、海外の好き者は探している盤らしいですけど、さほどお高くなってはおりません。個人的には、何枚かストックしておきたい盤ですけど、レコ屋としては悩ましい一枚ですね。

何はともあれ、ニューヨーク市立大学の教授だったりもします。そこはかとなく、知性を感じるわけですな。1937年生まれの84歳、随分ご高齢です。まあ、1930年生まれ、91歳のソニー・ロリンズ御大もご存命ですから、まだまだいけるという気もしますが、無理を言っちゃいけませんね。

若手のベーシストで誰がとか言われても思い浮かばないんですけど、マーカス・ミラーとか、スタンリー・クラークとか、クリスチャン・マクブライドとかは凄いなと思っても、積極的に好きなベーシストとして、名前を挙げることはないですねぇ。強いて言えば、メデスキー・マーティン&ウッドのクリス・ウッドが好きかな…。やっぱりジャズ好きには笑われてしまうのでしょうか。昔のジャズも好きですが、ジャムバンドみたいなものの方が好きだったりするもので、あまりジャズを語りたくないというのは、その辺が理由でもあります。

サントリーのCMソング、いい感じのジャジーなものがありました。やはり最も印象的なのはロン・カーターご本人が登場するサントリー・ホワイトのものでした。本格的にジャズを聴き始める前ですから、イメージとしてのジャズはこういったもので組み上げられたのかも知れません。ソニー・ロリンズのサキコロの方が先にありますが、自分のジャズの聴き方の基準を成している曲ではあります。


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