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7インチ盤専門店雑記430「All Things Must Pass」

昨日、よっしーさんがジョージ・ハリスンの「All Things Must Pass」について書いていらっしゃいまして、久々アナログ盤で聴きたくなってしまいました。

アナログは3枚組ボックスですから普段はしまい込んであります。針を下ろすのはずいぶん久しいものですが、デジタルデータは時々流しておりましたし、シングル盤は「マイ・スウィート・ロード」も「美しき人生」もしょっちゅう聴いております。やはり名曲がいっぱいの大名盤ですね。

どういうわけか、「マイ・スウィート・ロード」のB面「イズント・イット・ア・ピティ」のレーベルは断面ではなくてグリーン・アップルのままです。両A面扱いシングルではなかったと思いますけどね。御本人の思い入れですかね。米国盤と日本盤がこのカップリングでして、英国盤はB面が「美しき人生」だったんですよね。…贅沢ですね。

こちらはフツーに断面です。

そんでもって、今回気になったのはデモ音源がどんなものだったかなんですが、2012年頃にリリースされたCDで購入して数回聴いたままでしたから、あまり印象に残っておりませんでした。今回あらためて聴いて、オリジナル盤の出来が素晴らしいものだったんだと認識をあらたにしました。フィル・スペクターの過剰なプロデュース・ワークにはあまり良い印象は持ってないのですが、コレは別ですね。時代の音という意味でも好印象です。

では「EARLY TAKES Volume 1」が価値がないかというとそんなことはないんですけどね。こういうアーティストの音源はすべてお宝なのでしょう。さほどビートルズに拘りがない私でも、出れば買いますからねぇ…。

ついでに2001年1月24日発売だった「All Things Must Pass」のニュー・センチュリー・エディションも久々聴いてみました。デジタル・リマスタリング盤ですね。定価3,670円、滅多に国内盤CDなど買わない自分が買ったので、よく憶えています。本人の全曲解説の対訳が読んでみたかったんですよね。いい雰囲気のジャケットをカラー化したのは、良いような悪いような、何とも評し難い寂しさも感じます。

音は文句無しと言いたいところですが、何でか「美しき人生」のイントロのところで音圧が下がる気がするんですけど…。アナログはSide2の一曲目なので、前曲との繋がりがないため、比較できないんです。さらに贅沢を言えば、ボーナス・トラックが要らないなということと、音質は少々クリア過ぎかもですね。「Wah-Wah」の迫力はアナログの圧勝です。…贅沢ですかね。

この年の11月には亡くなってしまったわけで、ビックリしましたね。亡くなった後にリリースされた「マイ・スウィート・ロード」のリマスター版とボーナス・トラックだったリメイク版をカップリングしたCDはまさかのミススペル(Lord⇒Road)で回収騒ぎになったりしました。

ちなみにリメイク版はアナログでも聴けます。…アナログに拘りのない方はどうでもいいことかもしれませんが、クリアで凄い鳴りですけどね…。亡くなった直後のシングルCDとは別ものでして、FOR JUKEBOXES ONLY!シリーズで出たものです。カップリング曲が違いますね。

Side A.表記は「MY SWEET LORD (2000)」となって、当然ながら全然別物です
B面は「ALL THINGS MUST PASS」です

このCapitolのFOR JUKEBOXES ONLY!シリーズ、結構面白い音源もあるんですよね。だいいちカラー・ヴァイナルの7インチ盤がカワイイので、見つけたら買っておりました。売れたりもしたので数枚しか手元にはありませんが、もう手に入りませんかね?7インチ盤専門店的には、この辺の面白い7インチ盤は揃えておきたいものですが、当然のこととして、面白い盤はよく売れます。諦めも肝心、…悩ましいところです。

ジョージ・ハリスンはこの「All Things Must Pass」のせいで多作というイメージが昔からあったんです。でもシングルだと、この後「バングラデシュ」「ギヴ・ミー・ラヴ」米国だけで売れた「ダークホース」そして「ディン・ドン」と行くわけで、全然多くないんですよね。

ところが、ジョン・レノンやリンゴ・スター、ラヴィ・シャンカールやレオン・ラッセル、ビリー・プレストンあたりのアルバムでギターを弾いていたりするので、案外忙しく動いていたようなんです。今となっては、バッドフィンガーやニルソン、ドン・ニックス、ゲイリー・ライト、ニッキー・ホプキンスといったあたりまで見えてしまったので、「なんだ、やっぱり…」となっております。

名作の後、他人様のアルバムへのゲスト参加で忙しくしていたというのも、実に彼らしい行動なのかもしれません。マスコミ嫌いになって行ったのも、今さらに納得できて、ちょっと悲しくなってしまいました。

いやあ、久々に「All Things Must Pass」を聴く機会を与えてくれた、よっしーさんに感謝ですね。



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