見出し画像

7インチ盤専門店雑記367「1988年の700円」

U2の「デザイヤー」の7インチ・シングル、時々見かけますが、国内盤は珍しいですね。盤のカタカナ表記は「デザイヤ―」です。ウィキペディア等ウェブ上では「デザイアー」となってしまいました。時代の変化に伴い…ということなのでしょうか。

そもそも1988年10月リリースの「魂の叫び Rattle And Hum」の先行リリース・シングルです。国内盤7インチは見本盤しか無くなってしまった時期です。相当にレアな盤です。…だって見本盤ではありませんからね。映画のサントラ扱いだったからなんですかね?個人的には非常に不思議な盤と思っております。ライナーノーツを読む限り、ロクに事前情報がこなかったということしか分かりません。先行リリースのシングルでこうも情報がもらえないというのは、日本サイドに力がなかったのか、重要視されていなかったのか…。その割に豪華な装丁なんですよね。

ともあれ、シングル盤なのにLPのようなゲートフォールドのジャケットに入っております。2020年代のレコード・ストア・デイなどでリリースされるものと比べると、若干つくりがチープな気もしますが、700円定価ですからね。2000円とかいった売値の最近の盤と比べるのは酷でしょうか。それまでの通常の7インチ盤は薄い紙一枚にカンパニー・スリーヴのみですから十分豪華です。

昭和の末期、1988年の700円ってどのくらいの価値だったのでしょうか。国内盤LPが2800円とかいった定価で、4分の1です。米国盤LPが1480円〜1680円、コーティング・ジャケットの英国盤が2600円〜2800円といった売値でした。CDはようやく3000円を切る程度まで下がってきたのですが、輸入盤が2000円を切る程度でしたから、なかなか国内盤には手が伸びませんでした。もう2年もすると、輸入盤CDは1000円前後の売値も出てきましたから、国内盤は厳しいビジネスを強いられていたことでしょう。

U2のシングル盤ってあまり玉数が多いとは思えません。シングルもよく売れていましたが、聴く側のアルバム志向が強かったのでしょうか。…まあこのバンド、子ども向けの性格は薄かったですし、バブリーな時代でしたからね。

自分は、リアルタイムでは、まずCDを買いまして、次の段階に行ってしまったことは直感で分かりましたし、アナログで聴きたい音だなということで、LPも頑張って探して買いました。…求められて、お譲りしてしまいましたけどね。やはり時期的なことを鑑みても貴重な盤です。そして、まさか、まさかの7インチ・シングルです。わりと最近入手しましたが、まあこの辺の盤、あれば買いです。1988年の7インチ・シングルなんて、あれば全部買いですよ。好きでもないアーティストのものは買いませんけどね。昭和の最終期、…時代の音です。

「Angel Of Harlem」の米国盤は比較的に玉数がありそうですが、…やはりあれば買いでしょうね

問題は値付けですね。輸入盤に関してはオークション等の相場もわかりますが、国内盤はレアですからねぇ。…付加価値というものがご理解いただけるか…ですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?