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さらまわしネタ帳085 - フツーのロック

マイク・キャンベルのソロ・アルバムがリリースされました。トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのギタリストですね。最近はフリートウッド・マックでも弾いているようで、ちょいと意外な気もします。まあフツーのロックです。フリートウッド・マックほどポップという気もしないので、意外なんですけどね。フツーのロック、最近この手の音楽が流行らないのか、案外無いんです。この盤を聴いて、あらためて「フツーのロックが好きやなぁ」という感想を抱きました。

労働者階級の代弁者、ハートランド・ロックの代表格、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズは日本にいては分からないと言い切ってしまうほど、アメリカでは支持者が多いわけで、音楽的にはフツーのロックですけど、歌詞で聴かせる部分が大きいんでしょうね。非英語圏の日本での人気が如何ほどか知りようもありませんが、話題にはなりますし、レコードもしっかりリリースされますから、一定の認知は得られているんでしょうね。でもこのバンドが好きという人間が身の周りにはあまりおりません。

トム・ペティと一緒に多くのヒット曲を作っている人でもあります。意外に知られていないことかもしれませんが、ドン・ヘンリーの大ヒット曲「ボーイズ・オブ・サマー」の作者でもありますし、ドン・ヘンリーのアルバムでもギターを弾いています。スティーヴィー・ニックスのバック・アップも結構やってますけど、こちらはは何となく分かるんですけどね。ドン・ヘンリーねぇ…。

これ ↑ チープ・トリックの7インチ盤ですけど、これに関しての認識がポッカリ抜けておりました。1997年のリリースで、アルバム未収録曲ですから仕方ないと言えば仕方ない。でも同年のアルバム「チープ・トリック」の国内盤CDにはボーナス・トラックとして収録されておりまして、そのアルバム未収録だから云々という部分は意識しておりませんでした。よくまあ、こんな時期にアナログ盤、しかも7インチ・シングルをリリースしましたね。

これもフツーのロックですけど、非常に好きなタイプの音です。滅茶苦茶ダーティで、クリアという言葉からは思い切りかけ離れた音です。「こんなんCDで聴いても面白くないわ」と思いたくなる音です。アナログで聴いてこそこの曲の魅力が伝わるというものです。まあCDで聴くと「ああボートラだね」で一回聴いて終わりになってしまいそうです。でもこれ、アナログで聴く限り、私にとってはお宝盤です。かなり好きな方になります。

マイク・キャンベルのニュー・アルバム同様、フツーのロックが恋しい昨今、こういう曲の魅力が一層増しておりまして、実のところ今だけかもしれませんけど、この辺の音源を漁っていたりします。いや、ほんと、いいんだ、コレ。チープ・トリックのお好きな方にはわかるでしょうけど、初期の勢いが戻っているような曲なんです。

1980年代の中ごろまではフツーのロックってフツーにあった気がするんです。でもその頃からヘヴィメタルのブームがあって、ぜーんぶヘヴィメタになっていっちゃった気がするんです。しかもどちらかと言うと様式美化してしまったヘヴィメタです。…ヘヴィと言っているわりに妙に軽いんです。

例えばブルース・ロックをやっていた頃のホワイトスネイクが大好きなんですけど、彼らはヘヴィメタになってからも好きなので、ちょいと上手く言えないのですが、ブルース・ロックをやっていた頃の方が重さを感じて好きなんです。他には、ビリー・スクワイアとか、かなりハードな音なんですけど、決してメタルではない。その辺りの音がホント好きでしたからねぇ…。

こういった80年代あたりのフツーのロック、ラジオで特集してみたいですねぇ…。何か楽しそう…。そうなんですよ、すっかりバブリーな空気感をまとってしまっているヘヴィメタ前夜、この手のフツーのロックは妙に気分が上向くんです。昨今の鬱々とした時代に必要とされる部分なのかもしれませんね。


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