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フタがガラスのご飯釜

 ハリオという耐熱ガラスメーカーが出している『フタがガラスのご飯釜』をかれこれ7年ほど使っている。艶のある黒い土鍋で重量感があり、その上にぷっくりとした半球のガラスの蓋がのっかっている。これを使うようになってから、電気炊飯器と圧力鍋は使っていない。

 炊飯中にも、ぐつぐつと米が炊けている様子が確認できる。ガラス蓋の上についているゴム製の空気穴からピーっと音が鳴れば、火を止める。ピーっと言うまで10分もかからず、その後の蒸らしに15分くらいで、驚くほど簡単で速く米が炊けてしまう。そして何より炊きあがった米は一粒一粒に艶があり、もっちりとした弾力があり美味しい。

 土鍋で炊くご飯はなぜ美味しいのか。「はじめチョロチョロ、中パッパ、赤子泣いてもふた取るな」という言葉を聞いたことはないだろうか。
熱伝導率が低い土鍋では、最初は低温だが、一旦温度が上がってしまうと冷めにくく、一定の温度を保てるので、理想的な炊飯になるのだろう。これらが「ピーっ」と音がなってから、火を止めるだけで出来てしまうのだが、自分が炊飯に参加している感がある。
 
 そして、圧力鍋の機能も果たしてくれるので、汁物のシチューやカレーなんかも出来てしまう。これで作った料理は数知れず。筍の時期のたけのこご飯。寒い冬のおでんなんかも定番になりつつある。どこかのテレビショッピングではないが、まさにこれ一台で、何でも出来ちゃう。のである。

 ただ一つだけ難点があるとすれば、ガラスの蓋を割ってしまう事である。下の土鍋は頑丈に出来ているので割ったためしはないのだが、蓋の方は、つい洗っている最中に手を滑らせてしまったり、置き場所が悪かったりして割ってしまった為に、3度ほどガラスの蓋だけ購入した。今となっては、この土鍋がなくては生活が成り立たないので、土鍋だけ捨てるという選択肢がない。蓋だけで3千円程するので悔しいが、また購入することにする。ガラスメーカーが販売しているというのは、販売戦略としてさすがである。


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