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僕の障害

僕は吃音症だ。吃音症とは、話し始めるときに言葉がつかえて滑らかに話すことができない発話障害だ。およそ日本人の100人に1人と言われている。

はっきりとは記憶にないが、幼稚園の頃には発症していた気がする。友達と話すときに怪訝そうな顔をされ、なんで上手く話すことが出来ないの?と何度も何度も質問された。その度になんで周りの人と同じように話すことが出来ないのだろうかと自分を攻めた。自分が嫌いになり次第に人と話すことをしなくなった。コミニケーションを取れば自分の嫌なところを目の当たりにしなければならないのだから仕方なかったのだろう。自分から話すのが苦手なのは幼少期からのトラウマが大きな要因となっているのかもしれない。

そんな僕が人と話すことに抵抗を感じなくなったのは高校生になってからだ。中学生の時までとは違い、自分の思っていることをそのまま口に出す人が減ってきたからだと思う。相手を慮れる人や気遣いができる友達が増え自分の障害について思い悩むことも少なくなった。自分が気にしているほど他人は僕の障害を気にしていないという心の余裕が次第に出てきたからだと思う。自分と話して笑ってくれたり言葉に詰まってもゆっくり待ってくれたりする友達に囲まれ僕はとても幸せ者だなと思っている。

今でもそこまで口数は多い方だとは思わないけど、昔の自分に比べたらたくさん喋れるようになったと自信を持って言える。そして人と話すことが今では大好きになった。他愛もない雑談から鬼気迫る真剣な話までどんと来いと言う感じだ。そしてしゃべることが好きになりすぎて1人で自分の考えをつらつら話している危ない人になりかけている。もしそういう僕を見かけたら、話すことが大好きになったんだねと優しく微笑んで見守ってほしいと思う。これからも大好きな話をいろんな人とたくさんして、人生を楽しんでいこうと思う。

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