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離婚裁判百選番外編㉗不倫になりやすい職場がある?

 威勢が多いことで影響を受けるのは、独身者に限りません。実は、威勢の多い職場で働いている人は離婚しやすいことが、同じ研究の中で明らかにされました。職場の同僚がすべて異性である職場で働いている人は、異性が全くいない職場で働いている人と比べて、離婚する確率がなんと40パーセントも高いのです。

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 しかし、これには一定の条件があることも指摘されています。それは、職場に異性が多くても離婚になりにくい条件がある。それは、夫婦とも同一の職場で働いていること、だそうです。
 一方で、第3の波とでもいいましょうか。マッチングサイトを通じた出会いを考えてみると、離婚や不倫のリアルは変容しつつあるのではないかと考えています。
 マッチングアプリを通じて不倫を行うのであれば、職場の同僚や知人、同じ組織の異性と知り合うことを回避していく傾向があるのではないか。そうすると、決して異性が多い職場にいるかどうか、という基準は機能しなくなっていくはず。
 そもそも1935年の段階ではお見合い離婚が70パーセント近くを占めており、恋愛結婚は13.4パーセントにもとどまっていました。それが、2015年では恋愛結婚は87.9パーセント、お見合い結婚は5.3パーセントにまで減少しています。マッチングアプリに代わる出会いの手段が今後出現するのかどうかはわかりません。
 ただ、離婚や不倫は起きやすい環境があったり、なかったりの問題ではなく、もっぱら個人責任、個人の判断に依存される要素が強くなってきていると思う。

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