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ポストコロナの公演制作#3【ホール運用ルール以外での問題点・その1】

前回は、横浜市の公共施設について現状とそれによる問題点を書きましたが、それ以外にも懸念材料には事欠きません。

宣伝、告知サイクルの中断

通常、公演を宣伝する時、方法はいくつかありますが、他の公演に来てくれた人に次回のお知らせをしたり、いろいろなホール、施設にチラシを配架することは、有効な方法の一つです。

しかし、まだホールに行く人が、これまでのようにいませんよね。

例えば、ある公演に見に来た人や、なんとなくホールの催し物をチェックしに来た人が、そのホールに配架させているチラシを見て、私たちの公演に来てくれることもあります。が、チラシラックを撤去したホールもあるし、配架できたとしても、ホールにふらっと来る人も少なく、公演などが今までのように開催されてないので、チラシラックをチェックする人も少ない。

私たちの公演に来てくれた方が、その時配布された次回以降の公演チラシを見て、また来てくれることもあります。が、公演が長期中止になっている以上、配布ができない。

いろいろな主催者と協力しあったり、業者に依頼して、プログラムなどにチラシの折込などをお願いしています。が、すべての公演が中止している以上、それも無理。

公演の告知には、そういった関連性、継続性が、重要になりますが、現在、そのサイクルが完全に止まっているわけです。事実上、宣伝というものが機能していないわけです。

私も含め、このような中断が起きることを想定していなかった団体も多く、そういった方々にどうやってアプローチするか、一度中断してしまったものを、また再開する時の難しさがあります。

観客は戻るかという純粋な不安

開催を決定し、宣伝告知の準備を始めたとして、以前のように「客足が戻るか」という切実も問題があります。

主催者は、企画段階で予算を組むわけですが、当然、チケットが売れなければ、赤字になってしまいます。どうしても公演の開催には、ギャンブル的な要素があります。ですから、ある程度の確証があって、開催を決めるわけですが、もちろん外れることもあります。

今は、その確証が非常に低いわけです。

例えば、海外の調査結果を挙げますと

日本での調査結果は、まだ在りませんが、正直厳しいだろうなと・・・。当然「もう少し様子を見てから」という方もいるでしょう。特に高齢の方は心配されるかと思います。

チケット代をどこまで上げられるか

定員の半分しか入れられない、これまで中止となった公演の損失がある、感染防止のための備品(アルコール、マスクなど)も用意しないといけない、などなど、すぐ思いつくだけでも、これだけの要素を考慮すると、チケット代を上げざるを得ないのが現実かと思います。

例えば、(すみません。私は存じ上げませんが)このアイドルの方のコンサートは、チケット代が約2倍(6800円→12000円)になりました。

さすがによほどの人気がないとこれは無理ですが、どのくらいの値上げなら許してもらえるか、今回だけの一時的な値上げか、継続的な値上げか、検討しないといけません。「今だけお願いします」と情に訴えるやり方もありだと思います。

ただ、値上げに敏感な人は多くいます。このブログにあるよう、「また公演に行くモチベーションは?」というアンケートの中に「チケット代が下がったら 44%」という、こちらとしては「え!この状況でさらに値下げ」という、こちらとしてはため息しか出ない回答も多くありました。

ですので、値上げしてみたところ来場者が激減するなど、集客に失敗してしまうと、トータルでの収益がさらに悪化する可能性もあり、悩ましいところではあります。

ただ、長期的な視点に立って、資金にゆとりのある団体であれば、定員通りホールを使えるようになったら、一時的な値下げをして、客足を戻す方法もあるかもしれません。

とまあ、告知、集客面での不安材料がありますが、それだけではなく、舞台上の問題、業界全体の問題などもあります。

それについて、次回書きたいと思います。

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