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よしもとみおりの舞台制作日記①誕生日がこないにむけて

皆さんこんにちは、葭本未織です。

はじめましての方もこんにちは、私の名前はよしもとみおりと読みます。

来たる12月21日から12月25日に、

新宿の「新宿眼科画廊」というスペースで

一人芝居『誕生日がこない』

という演劇をやることになりました。

そこで何か公演にむけて、文章を連載したいな、と思い、筆を取ったのですが、あれだよね、公演に向けての意気込みとかね、読んでもね、みんな飽きてるよね。と悩んでたら数日が経ちました。

だってさ、出る役者がさ「最高の演劇です!」とか言ってもさ、作家や演出家が「この作品にかける思いは…」なんて語ったところでさ、いきたいと思う人、いるのかな。

いや、いるんですよ、そういう人たちのおかげでわたしこれまで、「観客」というものが存在しないと成立しない芸術「演劇」をやれてきたわけなんですが。

でもなんか、ねえ。

一生懸命やってない人がいるわけないじゃん、と思うんですよ。だって、演劇ってめっちゃ手間かかるし。み〜んな一生懸命やってて、その上で、上手い下手があるんですよ。それはもう巧拙の問題であって、技術の問題であって、人の気持ちの問題じゃないんですよ。

だから、「最高の演劇です!」「この作品に思いかけてます!」なんていうのは当たり前で、実質劇場に来なきゃ何もわからないものに対して、賛美を自分でするのって、逆になんていうか、信用を失う?気がして。

うーーん、ど〜〜しよっかな〜〜?!せっかく書くなら人の役に立つものが書きたいよな〜〜〜?!?!

と思っていたところ、そうじゃん、わたしにしか書けないものがあったじゃん?!とようやく思いつきました。

それがこの「よしもとみおりの舞台制作日記」です!


まず、どうしてこんなタイトルにしたのかご説明したいのですが、私はふだん「少女都市」という演劇をする団体(劇団ですね)の「主宰」をやっていています。主宰ってなんなのかっていうと、まあそれは劇団ごとに違うっていう謎部署・謎肩書きなんですが、とりあえず、わたしが自分の劇団でやっていることをわかりやすく説明すると、「プロデューサー」なんです。

つまりわたしは、自分で自分の書いた作品をプロデュースしているわけなんです!

ですが……

これがね〜〜〜演劇だと珍しいんかね〜〜〜なかなか受け入れられないわけですよ〜〜〜!!!

受け入れられないっていうとあれだな、そこまで積極的なNOではないんですよ。だけど、だいたい帰ってくる反応は、こうです。

「えっ?制作さんいないの?かわいそう!」

「制作」さんというのは、演劇の裏方の一つで、大雑把にいってしまえば、発売から当日までのチケットの管理をする仕事です。そしてチケットの管理が仕事ということは、転じて「演劇のプロデューサー」を兼ねることもあるということです。

みなさんの知っている劇団のほとんどは、つまりメディアによく出る劇団のほとんどはネットが発達する前に頭角を表した劇団で、各劇団には名制作さん、つまり名プロデューサーがいました。その人の力で、グッと劇団がメジャー化していく、というのが過去の劇団というジャンルの成功体験でした。

その考え方から行くと、私のように、一人で書いて一人でプロデュースするのは、まあ「可哀想」なんでしょうけど……そして実際、すっごくたいへんではあるのですが……

はたしてそうかな?!

と、私は言いたいわけです。

「シンガーソングライターは可哀想だよね。だって作曲家も作詞家もいないんだよ。歌手こそが成功の道だよね。」

そんなこと言ったら、きっと笑ってしまう人が、今、ほとんどだと思う。

何言ってるの?って。自分の言葉で歌うのは、人の言葉を演じるのと同じぐらい素晴らしいよって、きっと言いたくなると思う。

だって、自分でプロデュースしてるアイドルもいるし、出版社つけないでやっていけてる漫画家だっているんだよ。

私は、次第に演劇もそうなっていくに違うないと思っている。

いや、シンガーソングライターにはプロデューサーいるやろっていうつまんないこという人もいると思うんだけど、つまりわたしが言いたいのは、

「自分で自分のことを売っていく」ということも、表現活動のうちの一つだ。

ということ。自分で何かをつくって、自分でプロデュースするのって、すっごく楽しいんだよ。だから、そのことを知ってほしい。そして、君にもできるんだよってことを、知ってほしい。

そのための備忘録をつけることにしました。

これから1ヶ月、よろしくね。

よしもとみおり





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