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ツボでいきいきー東洋医学よもやま話ー

006_経絡は体を修復するポイント

ツボは経絡(けいらく)と呼ばれるエネルギーの通り道に点在している。
ツボへの刺激は経絡に影響を与えるので、離れた部位の症状も改善できる。

ある日、バレーボールの女子選手(19)が来診した。スパイクの時に肩が痛いという訴えだった。検査してみたものの、肩に異常は認められない。
「最近、何か変わったことはなかったか」という質問に、女子選手は「数日前の試合で、相手のスパイクをブロックしようとして転倒した。倒れた拍子に、右の足首と膝を強打した」と答える。「その後は何ともなかった」と気丈に説明するが、膝と足首を軽く押さえると、激しい痛みを訴えた。

実は、膝には「陽陵泉(ようりょうせん)」、足首には「丘墟(きゅうきょ)」と呼ばれるツボがある。
陽陵泉は膝の外側の骨の出っ張ったあたりから斜め下付近にあり、ふくらはぎの引きつりの治療や予防に役立つ。丘墟は外側のくるぶしの斜め下のくぼみで、足首の痛みによく効く。
この二つのツボは、肩を通り、頭の側面に至る「胆経(たんけい)」と呼ばれる経絡上にあり、足と膝の打撲で肩に影響を与えても不思議ではない。
そこで、二つのツボに鍼(はり)を打って、スパイクを打ってもらった。こちらの予想通り、肩の痛みは起こらなかった。
経絡は体を修復するポイントにもなっている。

陽陵泉(ようりょうせん):膝をたてて腓骨頭の前下際。筋肉の痛み/引きつり、腰下肢症状などに用いられるツボ。
丘墟(きゅうきょ):外果の前下方、足部を外転背屈し、最も陥凹するところ。股関節痛、側頭痛、胸脇痛などに用いられるツボ。

胆経(バレーボール)


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