続き

ヘレン、ヘレン!

何度呼んでも肩を揺すっても何の応答もないので911に電話しました。

911, What’s your emergency?

と言われるので、患者が意識がない事を伝えると今すぐCPRするように支持されました。

ところがここで問題が。

ヘレンさんは実は180キロ近い巨漢の患者さんだったんです。ソファーにどっしり腰を下ろしてる彼女を私一人で床に下ろすことはまず不可能でした。

そしてその旨をオペレーターに告げると

今すぐCPRを始めてください!

いえ、180キロもあるんで床に降ろせません。CPR出来ません

今すぐCPR始めてください!

いえ、だから私一人で床に降ろせないから無理です

落ち着いて下さい!!

私は十分落ち着いてますがね…

このオペレーターちょっと状況が掴めて居ない様でした。

確かに救命救急士達が到着するまで通常ならCPRしますが、この状態では為す術がありませんでした。

救急隊が駆け付けたのは911コール後20分後

こんなに長くかかったのは初めてでした。

大の男の方5人でヘレンさんを床に降ろしそこからCPRしましたが既に彼女は旅立っていました。

彼女は多分朝から気分が良く無かったけど私が来るまできっと待ってたんだろうな、私が1時間早く着いてたらまだ生きてたのかな?とか色んな事が頭の中をぐるぐるしてました。

そして翌日ヘレンさんの娘さんから電話が来ました。

昨日は私の母を看取ってくれてありがとう。あなたのことがとても好きだったから、最後に見た人間があなたで良かったと母も絶対思ってる。本当にありがとう

葬儀の準備や現実を受け入れるのに大変な時期なのにわざわざ私にこの様なメッセージをくれて胸がジーンとしました。

今でも私は

I’m not feeling well

と言いながら後退りした際の彼女の目が忘れられません。

4年前の春でした。