乃木坂のドキュメンタリー映画を見たら…

齋藤飛鳥が成人式に出て、その夜の同窓会にも出席していた。めちゃくちゃ意外で驚いたけど、どうやら本人の意向らしい。
その中で中学の卒業式なんて覚えてないと言う彼女に対し同級生が一緒に写真撮ったよねと話しかけていて、白紙に近い青春の1ページに少し色が戻っていた。

そのおかげで自分の中学の卒業式も白紙に近い状態からやや色が戻った。といってもほとんど覚えていないのだが。


卒業アルバムの寄せ書きのような部分は確か事前にアルバムが渡されていて卒業式前の数日で書いてもらっていた気がする。当日に書いたのは高校のはず。
その当日、式で誰がどんな話をしていたのかは思い出せない。
ただ教室に戻って最後の担任の挨拶(内容は覚えてない)で後ろの席のWさんが泣き出した。やっぱり卒業式の日は誰かが泣くんだと振り返ったのを覚えてる。

同級生のMくんは芸能活動をしており中3の時はそれまでのように登校できていなかったけど後輩から人気があった。そのMくんが卒業式の日に廊下を早足で駆けていた。おぉ!と声をかけただけだが、その学ランにはボタンが1つも無かった。やっぱり卒業式の日は誰かがボタンを渡す、もらうのかと衝撃を受けたのを覚えてる。
これは噂だがMくんは事前に自分で全部のボタンを取っていたとか。真相やいかに。

校舎を出て野球部の数人で話していた気がする。
別に卒業するから、高校が違うからみたいな特別な話をしてはいないと思う。そういう集まりだった。
すると同級生のOさんから声をかけられる。
「妹がボタン欲しいんだって」
先程見た学ランのボタンがないという衝撃を自分が体現できるのか!?

「お、いいよいいよ」

軽く言ってる感じで俺はめちゃくちゃ鼻息を荒くしていたに違いない。その鼻息のままにボタンを渡そうとするのだが、ボタンってどう取るの?と疑問が瞬時によぎった。ただそこで悩むのもダサいし、どう取るの?なんて聞くのももちろんダサい。近くにいた小学生時代から自分を知るマダムたちは目の前で繰り広げられる青春に「私も貰っちゃおうかしら」なんて口にしていた。そんなマダムからの期待感、なにより目の前のボタンを欲してる子の期待感に早く応えないと。

ブチッ

鼻息を荒くした中3男子は思いっきり第二ボタンを引っ張って学ランから引きちぎった。ゴリラみたいだな。そう思った。あ、今この子の青春の1ページにゴリラから第二ボタンもらう思い出刻まれるじゃん。すまんウホ、そんなつもりはなかったウホ、これボタンですウホ。
手渡すために一歩前に出ると服の中から破損した留め具がポロッとこぼれた。
こうやってボタンは留まってたウホね。勉強になったウホ、次からは気をつけるウホ。

それからボタンを渡すことはなく、3年経った高校の卒業式でも終には渡すことがなかった。学んだ頃には遅いという何か教訓めいたものを感じた。



今後もっと色々思い出せるといいな。

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