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【CHC】イサシキの質問こ〜な〜Vol.2

お疲れ様です、イサシキです。

それでは今週もマシュマロなどに寄せられたカブスに関する質問についてお答えします。

また、今週は今月21日にYouTubeで開催された Felixさん、The Cards Watcherさん、KeZillaさんとのコラボライブに寄せられていた質問にもこちらで回答させていただきますので、ご了承下さい。

それでは、今回7件寄せられた質問について取り扱いたいと思います。

Q1: カブスはここからのオフの動きとしてはベリンジャー残留(6年くらい)orホスキンス(2~3年)+チャップマン、できたらトレードでクレースみたいな感じなんですかね?

A:そこまでしてオールインみたいな動きはしないと思います

ホスキンスがブルワーズに移籍した以上、これからカブスが大幅な打線のプラスもはや戦力維持とも言えるが...を生み出すために、昨季のカブスにおいて必要不可欠だったベリンジャーの残留がマストな市場となってきているのは事実でしょう。

とはいえリーグ平均を大きく下回る打球速度やバレルパーセンテージに懸念点を抱かざるをえない部分、そしてドジャース時代から二人三脚でベリンジャーの打撃を支えてきたジョニー・ワシントン打撃補佐コーチ今季からエンゼルスの打撃コーチに就任することにより、いくらカブス内部にベリンジャーに関する情報があっても、仮にベリンジャーが21〜22年の姿に陥った際に修復することが可能なのかに大きな疑問符が付く面も無視できないでしょう。

どの選手にもリスクがあるのは当然の話ですが、とりわけベリンジャークラスとなれば契約規模に大きな差異が出ます。代理人のスコット・ボラス氏もベリンジャーとの契約に$200Mを要求しているとの報道も出ており、カブスも適正額に下がるまで再契約を視野に入れていないと見てほぼ間違いないでしょう。

センターには次世代の5ツールプレーヤーであるピート=クロウ・アームストロング、ファーストにはドジャースからトレードで獲得した左打ちのトッププロスペクトのマイケル・ブッシュが1〜2年以内にMLBクラスへ定着すると仮定すれば決してベリンジャーへの投資が必須レベルとは思わないものの、その2人がコケてしまった際の保険役として抑えておきたいのも事実。つまりその保険役に、しかも将来的にはフルタイムでのファースト起用もあり得る選手に大型契約を与えるのかどうか、という非常に難しい決断を迫られています。

個人的にはベリンジャーとの再契約は3年以内で$65〜80M(プレイヤーオプション付き)であれば理想的だと思っていますが、当然ここまで簡単に行くとは思えないので、もし6年総額$200Mを下回らないようであればプロスペクトたちに賭けるという選択肢でも良いと思います。

また、カブスとの契約を噂されるマット・チャップマンですが、正直契約の可能性は低いと思います。

アスレチックス時代から攻守に優れたスタープレーヤーとして名を馳せてきたチャップマン。17年のデビューからここまでで通算fWAR27.4を稼ぎ、直近3年間でも11.8をマークするなど、 サードとしてMLB屈指の実力を誇る選手です。

現在のサードオプションがパワーレスな守備型であるニック・マドリガル、アグレッシブなプレーに定評があるものの粗さの残るクリストファー・モレルらで構成されていることを考えれば、ここにチャップマンを加えることによって攻守のアップグレードを見込めますし、何よりダンズビー・スワンソンとの三遊間は、MLBファンであれば誰もが鉄壁のディフェンスに魅了されること間違いないでしょう。

とはいえ、このチャップマンもボラス案件で相当な契約規模を要求される可能性が高い他、20年に手術をした右股関節の怪我について回るリスク、そして強打や四死球の多さといったストロングポイントを霞ませる三振率の高さと好不調の激しさは、あまりカブスフロントが求めている選手像とマッチしない可能性があります。何より右打者が飽和しつつある状況でチャップマンの獲得が実現すればマドリガルの居場所は完全に失われ、期待のモレルも同様に出場機会を奪われてしまうとなると、最悪トレードチップやユーティリティに甘んじてしまうケースも考えられるでしょう。

獲得するメリットも大きいですが、デメリットもそれなりに大きいので、現状のロースターとファームシステムを大切にしているカブスがチャップマン獲得に本腰を入れるかどうかはまだ懐疑的に見ています。

クラセのトレード話は前回すでに回答していますので、リンク送付にて変えさせていただきます。

Q2: 今永の契約、2年後,3年後のオフ、まずは今永の意思関係なく球団オプションの行使or破棄が優先っていう解釈で良いですか?
(例え今永がFAになりたがったとしてもカブスが残したかったら残せるっていうことでいいんですかね?)

A:その通りです

契約内容にクラブオプションとプレイヤーオプションを同時に盛り込むというケースはあまり珍しいことではなく、19年にマリナーズと4年$56M +αの契約を結んだ菊池雄星投手をはじめとして多くの選手(特に先発投手)に適用されています。

オプションの行使有無に関しては、ワールドシリーズ終了後の翌日から5日以内に決断することになっており、基本的にクラブ/プレイヤーの両オプションを持つ選手は先にクラブオプションの行使有無の決定が優先されます。オプションは基本的に各々が持つ契約の「権利」なので、先にプレイヤーオプションを行使してクラブオプションを辞退させるとなると、球団側の契約に関する取り決めと権利が無視されるという不平等さが露骨に表舞台へと出回るという想像をしていただければ良いかなあと思います。

つまり、今永投手が最初のクラブオプション行使のジャッジメントが下される最初の2年間で、オプション行使に相応しい成績を残したとカブスフロントが考えていれば、今永投手の意思に関係なく翌年から3年$57Mのエクステンションが成立する、ということです。それはかわいそうでも何でもありません。そのような契約に合意をしたのは「今永投手」だからです。
仮に25年オフにそのクラブオプションを辞退されてしまっても、今永投手には1年$15Mという契約のプレイヤーオプションを行使してカブスに残留できる権利もありますし、当然それを破棄してFAになることもできます。これが26年オフにも同様の形(金額などには差異あり)で契約に盛り込まれているということですね。

NPBでは選手の考えや情緒的要素などが年俸更改時に記事として上がるケースが多いと思いますが、ロースターに残ることそのものが熾烈な MLBの世界において、このような契約面でのリスクマネージメントは非常に重要です。そしてビジネスとしての一面を感じさせるものが多いのも特徴と言えるでしょう。

選手と球団の結んだ契約は、その契約に球団と選手の間で同意がされた「権利」が詰め込まれているものです。

Q3:モレルの起用法について
(コラボライブコメントより)

A:守備の成熟度でだいぶ変わると思います

一昨年AAから一気に飛び級でMLBの舞台に上がったモレル。180cm65kgの体躯から信じられないハードコンタクトとバレルパーセンテージを持つ将来有望な強打者候補です。

起用法についてはマイナーでじっくりと仕上げられなかった守備能力の粗さもあって、主にDHでの出場がメインでしたが、捕手と一塁手以外を守ったユーティリティ性に加え、高い身体能力を持った25歳をこのままDH漬けにして良い訳がありません。

とはいえ6ポジションを守って唯一守備系指標でプラスを出したのがセカンドであり、そこには球界屈指の守備能力を誇るニコ・ホーナーがいることを考えると、もう皮肉としか言えません。
身体能力を鑑みれば、やはり強肩を活かしたサードやセンターが適正ではないかとも思う一方、それに伴うルート取りの脆さや打球反応の改善がマストになってくることを考えれば、フルタイムでモレルが守備に就くために費やす年月は非常に多くなることが予想できます。

モレルがカブスにいるうちは...という前提もありますが、今季もおそらくDHでの出場がメインで、時折フィールドプレーヤーを休ませるために守備に就くという構図は変わらないでしょう。

これもしオオタニサーン獲得できていたらどうしてたんだろ...やっぱりトレードしてたんかなあ...

Q4:カブス人気も上がっていきそうですね!
(コラボライブより)

A:今永効果を舐めていました

鈴木誠也選手の獲得に湧いた22年3月でもNPB時代から追っかけていたファンがそのままカブスを応援するようになったのも当然ありましたが、今オフに今永昇太投手を獲得した際、Xで多くの日本人カブスファンの方が誕生したように感じています。

特にベイスターズファンがカブスを応援するために追っかけをするという方も多く、今永投手のNPB時代が多くの人から応援される存在であったことや人気の高い選手であったことを実感しました。

カブスのMLBクラスに日本人が2人以上在籍するのは、14年の藤川球児氏と和田毅投手以来10年ぶりのこと。投打の軸として期待のかかる2人から目が離せませんね。

ちなみに個人的にも「日本人のカブスファンを増やす」という目標が着々と進んできていることは非常に嬉しく思っており、チームの注目度が高まりつつある現状とリンクして、更なるファンが増えてくれればもっと嬉しいなあと感じているばかりです。

とはいえ当アカウントも目標を達成しつつあるので、お役御免の時期が近づいているのも事実。これから先の計画や見通しを持ち、最終的にはそこら辺にいる日本人カブスファンに戻れるようにこれからも活動していきます。

Q5:今永の入団会見にはどんな印象を持ちましたか
(コラボライブより)

A:時期も相まって、最高の会見だったと思います

上記noteにも綴りましたが、日本でいうところのファンイベントであるカブスコンベンション当日での入団会見ということ、そしてカブス今オフ初のMLB契約ということもあって、かなり注目度の高い会見であったことは間違いありません。

そんな中で球団歌を利用したつかみを披露したり、カブスファンには英雄的存在として記憶に残るベン・ゾブリスト氏の名前を出して背番号決定の由来を語るなど、非常によく計画されて行き当たりばったりな会見ではなかったという印象です。

NPB時代のネットミーム「投げる哲学者」も既に現地では"Pitching Philosopher"と紹介されているほどのインパクトを持っており、昨春のWBC決勝で先発を任されたという実績も輝く中、今永投手がどれだけ"The Cubs are gonna win today"へと導けるか注目したいと思います。

Q6:先発ローテーション予想をお願いします
(コラボライブより)

A:各媒体と変わりません

どの媒体でもおそらく同じような並びになるとは思います。

順番的にはジャスティン・スティール→ジェームソン・タイヨン→今永昇太→カイル・ヘンドリックス→ジョーダン・ウィックスの5枚ローテとは思いますが、ルーキーのウィックスのところはイニング制限や球数制限がかかるはずなので、昨季無差別級投入をされたハビア・アサッドやスイーパーの申し子ヘイデン・ウェズネスキらが争う構図となるでしょう。

また、故障者などが出た場合もそれをリカバリーできそうなプロスペクトは存在しているので、 MLB中位クラスのローテとはいえ、守備陣とのシナジーで試合を作ることの出来る陣容にはなっているんじゃないかと思います。

Q7:ブッシュのファーストに関してどう思いますか
(コラボライブより)

A:不安なのでDH併用がマストかなあと

先日ジャクソン・フェリスらを放出してイェンシー・アルモンテと共に獲得したマイケル・ブッシュマックス・マンシー(ドジャース)以上のソリッドヒッターになる予想も盤石の如くマイナーで結果を出し続けてきており、ファーストの穴が埋まらないカブスはさっそくデプスチャートでブッシュをレギュラー候補に据えている状態です。

ただ守備能力の低さはプロスペクト時代からの評判で、サンプル数こそ少ないものの、MLBでメインに守ったサードは各指標マイナスだらけ。到底内野守備の鉄壁さを誇るカブスにとって、ブッシュをサード起用するとなると気が気ではありません。

となると残るファーストへの適正ですが、元々大学時代はファーストが専門であったので、特に思慮もなくファースト練習をさせて上達を温かく見守るのが既定路線で良いのではないかと思います。

ご覧の通り、モレルですらファースト練習を始めたとRumorsに書かれるくらいウィークポイントとして露出しているカブスのファースト。ブッシュがこの穴を埋める算段が立てば、今大きな注目を集めるベリンジャーとの再契約にも影響をもたらしそうですね。

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