「話す」じゃなくて、「伝える」のあり方


「伝える」とは何か。
「伝える」というのは、相手が正しく理解することを前提とした説明だと僕は思う。

これまで自身の失敗も含め、この「伝える」 が機能していない場面をよく見聞きしてきた。

そして、そのほとんどにおいて、相手が理解できないという点にばかりウエイトが置かれていることが多かったように思う。
理解できないのが罪であるという、聴き手に責任を押し付けるものだ。

だが、咎められるべきは果たして聴き手だけだろうか。
同様に、伝える側にも一定の責任があることを自覚すべきはずである。

聴き手が正しく理解できるかどうかは

・相手が、関連した知識や技術・バックボーンを有しているのか
・相手が事象やプロジェクトをどれだけ把握しているのか(コミット具合)
・適切なタイミングかどうか

などを話し手こそが十分に理解し、鑑みた説明をできるかどうかと多分に比例している。

例えば、パッと思いつくだけでも、伝える際に

・主語を省く
・誤った言葉や接続詞を用いる
・因果関係や優先順位を明記・言及しない
・タイミングを見誤る

これらのいずれか一つでも犯してしまった場合、高い確率で食い違いや齟齬が起きる。

自分は「伝えた」つもりであっても、相手が正しく理解できていなければ、それは単に「話した」だけである。

仕事であれば、「伝わる」が機能しない現象が頻繁に起きてしまうと、売り上げにも影響が出てしまう。
また、家族や友人・恋人とのコミュニケーションにおいても、「伝わる」 が成立しなければ、その関係は破綻し、大切な人を失うことさえある。

僕たちの日常は、この「伝える」の連鎖でできている。
だからきっと、一人一人が「伝える」ということにもう少し目を向けることができれば、今日より豊かな明日を迎えられるに違いない。

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