心理サポートオフィスGiving

臨床心理士・公認心理師によるメンタルサポート

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最近の記事

傾聴実践編ー傾聴③ー

これまで2回は相手の話を聴く上で意識することについて お伝えしてきました。 今日は実践的なお話です。 話を「評価をせず、あなたかも相手になったつもりで」聴いたら きちんと話を受け取っていますよ、ということを相手に伝える必要があります。 きちんと評価することなく、相手になったつもりで聴いていたとしても ひたすら無言で聴いていたら、話している相手は ”この人はきちんと自分の話を聴いてくれているのだろうか”と 不安になってしまいますよね。 聴いていることを相手に伝

    • 論理と感覚

      ビジネスでは論理思考が求められることが多いですよね。 また、感覚や感情などが疎まれることもあるのではないかと思います。 ビジネスパーソンの方とお話しをしていると感情を尋ねられた時に、 「感情がわからない、感情なんてない」 とおっしゃる方が実は意外と多くいらっしゃいます。 おそらく普段のお仕事などで感覚や感情というものを扱わずに 論理的な考え方に慣れていらっしゃるからだろうなと思います。 反対に子育て中のお母さんたちと話していると とても感情や感覚のお話が多い一

      • 聴き上手になるにはー傾聴②ー

        傾聴、つまり相手の話をじっくり共感的に聴くには大事な前提があります。 まず一つ目は 「相手を評価しない」ということです。 日常生活で話をしている時には大抵、無意識のうちに相手の話の内容について 自分なりの評価をしているものです。 自分なりの評価を、心の中でしてもいいのですが、話をする中では自分の評価で 批判したりしないということです。 これは本当に難しいですが、日常会話の中では評論家にならないように 気をつける、くらいの意識をしたらいいのではないかと思います。

        • 人と関わる勇気

          悩みのほとんどが人間関係に関わることだと言われることもあります。 あまりにも人間関係に悩んだりすると、どんどん人と関わることが怖くなったり 億劫になったりしてしまいそうです。 一人でいれば傷つかなくて済む、一人でいる方が気楽だ。 そんな風に思ってしまうこともありますよね。 ただ、ほんのちょっとの勇気を出して人と関わってみると それまで不安に思っていたことや怯えていたこと以上に得られるものが きっとあります。 もちろん、やっぱり不快な思いをしたり、傷ついたりする

          聴き上手になるにはー傾聴①ー

          コミュニケーションは話すこと、聴くこと、二つの要素があります 話すための方法は学ぶ機会も多いのですが、 聴くための方法は意外と知らないことも多いのではないかと思います。 カウンセラーにとって最も基本的なスキルであり、 最も重要な要素が”聴く”ということです。 カウンセラーがクライアントの方のお話を聴くコミュニケーション技法が 「傾聴」です。 では傾聴とは一体、何なのでしょうか。 傾聴は 「相手の話をじっくり共感的に聴くこと」 です。 この共感的というのが

          聴き上手になるにはー傾聴①ー

          サードプレイス

          ”サードプレイス(3rd place)”、”第3の場所”という言葉があります。 都市で生活するには第1の場所である家と第2の場所である職場、 そしてその間の第3の場所が必要とされるというもの。 スターバックスの概念としても知られています。 スターバックスが提供しようとしたのがまさに第3の場所、サードプレイス。 確かに、スターバックスでは仕事や勉強をする人、 カジュアルなおしゃべりをする人、 読書をする人などを見かけますよね。 サードプレイスでは居心地の良さ、リ

          相手の気持ちの考え方

          ”相手の気持ちを考えて…”ということは たくさんの人が様々な場面で耳にしていることだと思います。 ただ、この”相手の気持ちを考える”ということが難しいですよね。 相手の気持ちを考えてみたものの、どうも相手の本当の気持ちとは 何かが違うようだという経験をされたことのある方も多いのではないでしょうか。 ではどうやって相手の気持ちを考えたらいいのでしょうか? 相手の気持ちを考える上で重要なポイントがあります。 それは、 「自分の気持ちは一旦置いておく」ということです

          相手の気持ちの考え方

          人に愛されたいと思った時の、シンプルなこと

          どうしたら愛されるのか、どうしたら好かれるのでしょうか。 恋愛に限らず、そんな質問を受けることもあります。 実は答えはとてもシンプルだと思います。 それは ”相手を受け入れ、自分は与える” シンプルなことですが、そんな人を素敵だなと思う人は多いと思います。 何を与えるかというと、愛情や親切といった心遣いのようなものです。 とってもシンプルですが、シンプルなことほどやってみると難しいもの。 だから人はなかなか好かれたい、愛されたいと悩むのだと思います。 でも、こ

          人に愛されたいと思った時の、シンプルなこと

          人の目が気になる時にーNOと言える勇気ー

          人に好かれたいという欲求は本能的な欲求で 誰もが持っている欲求です。 ただ、その欲求が強くなりすぎてしまった時に 人の目を気にして、自分の本当の気持ちを抑え込んでしまったりすると 窮屈な思いをしたりすることがあります。 私たちが人に好かれたいという欲求を持つ背景には 社会的な動物であるということに加えてもう一つあります。 それは幼少期の記憶です。 子供、特に赤ちゃんの頃は親の保護なしでは生きられません。 そのため自分を保護してくれる他者(親)の愛情や注目を得

          人の目が気になる時にーNOと言える勇気ー

          テクニックの本質

          心理のお仕事をしていると話すとよく言われることがあります。 「人の心読めるんでしょ?」 そして心理学は本やインターネットなどでもどうしても テクニックやハウツーの材料として使われることが多いなと感じます。 ビジネスの世界でも売上アップや顧客獲得の目的を達成するために 心理学も大いに活用されます。 ただ、目的を果たすためにテクニックを使う、 ということは時には難しいこともあるかもしれません。 例えばカウンセリングの場でもいわゆるテクニックは存在するのですが、

          ストレスで体調が悪いと感じた時にー心と体のつながりー

          日々の疲れからかストレスのせいなのか、 体調を崩してしまうことはどんな人でもありますよね。 また、体調を崩していること自体でなんだか憂鬱な気分になったりもします。 心と体は別々のもののように分けられて語られることもあるかもしれません。 未だにメンタルの病気に偏見を持たれることがあるのも、 心と体が別のものとして捉えられることも一因としてあるのかもしれません。 思考や感情といった心の働きは脳内にある部分でコントロールされます。 臓器や筋肉などのいわゆる体の働きも脳

          ストレスで体調が悪いと感じた時にー心と体のつながりー

          逃げることは悪いことじゃない

          突然ですが、”逃げる”と聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか? ドラマで話題にはなりましたが、 まだまだ ”逃げることは負けること” のように思われることが多く、”逃げる”という言葉にはネガティブなイメージが多いのではないかと思います。 確かに競争においては逃げると順位がつかず、負けてしまうかもしれません。 しかし、心理学的観点から考えると実は逃げることは悪いことではなく むしろ自分の心をストレスから守ってくれる行動であることも多いです。 辛い時、心は強いストレスにさら

          逃げることは悪いことじゃない

          変わりたいと思った時のヒント

          あけましておめでとうございます。 本年も宜しくお願いいたします。 新しい年を迎えて目標を立てたり、自分を変えたい、変わりたい。 と思われる方も多いのではないでしょうか。 でも変わるためにはどうしたらいいのかわからない。 そんな風に思うこともありますよね。 変わりたいと思った時に、何を変えたらいいのかを見つける 一つの方法があります。 それは、 「指摘された時に言い訳をする部分に注目する」ということです。 自分自身の改善するべき点を自分で見つけるのはなかなか難しいですよね

          変わりたいと思った時のヒント

          どこでも求められる”やりくり力”

          変化が激しい社会では、どこでも求められる能力が必要だと言われます。 では、どこでも求められる能力とは一体どんな力なのでしょうか。 それは自分でやりくりする力、”やりくり力”かもしれません。 お金を思い浮かべていただくとわかりやすいのではないでしょうか。 毎月の決まった収入で生活をやりくりする、そういう力です。 例えば、月10万円の収入で支出が10万円であれば やりくりできていると言えるわけですが、 月100万円の収入で支出が110万円であれば それはやりくりで

          どこでも求められる”やりくり力”

          できていないことばかりが目につく時にー目指すものは何だろうー

          今日もまたやり残した仕事がある、また家事が残ってしまった。 1日の終わりにできていないことばかりが目について、自己嫌悪になってしまう。 今回はそんな時に役に立つようなお話です。 私たちはあるべき姿、理想像を持っています。 それは意識されるものであったり、無意識であったりと様々です。 理想の他に目標もあります。 達成するのが難しい目標や身近な目標などいろんな目標がありますよね。 この二つの"理想と目標”。 この二つの差はどのくらいあるでしょうか。 この理想と目

          できていないことばかりが目につく時にー目指すものは何だろうー

          批判よりも必要なもの

          批判を見聞きするたび、思うことがあります。 批判のその先はないのかな。 ミスや欠点を指摘する、その先にできることがあるんじゃないかな。 例えば習い事なんかで先生にミスや欠点を指摘されたら 多くの場合、先生はそのミスや欠点を直すにはどうしたらいいかを 教えてくれますよね。 批判の先にはそういう対策がないことが多いなと感じます。 以前、炎上についての考察を書きましたが、 なんだか批判するだけではもったいないなぁと思ってしまいます。 批判したくなる気持ちはよくわか

          批判よりも必要なもの