のろま

君は苦い。優しい日差しと冷たい田舎風が心をへし折る。どこまでも平たい冬です。どこまでも平たくて一人です。冷えた耳たぶでロックを受け止めろオレ。そんで血管で白目が真っ赤になれオレ。

夕方、コーヒーを淹れる。淹れるといってもuccのインスタントだが。たっぷりの粉に少しのお湯で濃いめに、これがうまいのだ。うんと体を悪くしてやるんだ。こいつを飲みながらブッダブランドの「人間発電所」を聴くと興奮して汗が止まらなくなりました。

オレもあなたも生身の人間。血が流れていて、呼吸して、死ぬ生き物だ。それって美しい。未来まで真空パックしたい。感動してなくても、若者と話合わなくても、茶色い服ばっか着るようになっても、取り残された光をかき集める虫になろう。現実と折り合いをつけながら、妥協しながら生きてこう。本音を押し殺して、焦げるまで煮詰めてこう。図々しい奴や群れてる奴を、内心茶化して距離をおいてくんだ。クワイエット・ミュージックと、ブロークン・ハートを引っ提げて、ペラッペラの古着を着て、オーパーツ蹴りながら京都を闊歩したる。ロックが排他されたキラッキラの街に動物の血雨降らしたる。コーヒーは苦い。君も同じぐらい苦かったのだ。かたやオレは青くて、まるで古いプレイリストみたいに恥ずかしい奴だった。


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