横山

37歳

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最近の記事

網戸

結局、僕はこのままここに残ることにした。雨が降ると暗くなるこの部屋に。 一人の時間と思考にはまってしまい、耳鳴りのトンネルの出口を夢見た。忘れたまんまのセリフや、濡れた地面にへばりついたガムや、雪に埋もれた限界集落なんかを、置いてはいけないのです。喪失をいくら集めても満たされないように、サヨナラだけが人生のように、どこかで観念したほうがよさそうだと、そう思ったのです。遠くに行きたかった。ザクッ、ザクと、足音は満点の星に吸い込まれた。両手はとうとうポケットから出ることはなかっ

    • 平坦

      にわか雨を待ってるんだ。冷たい夢と、スノードームと、甘い100円コーヒーと暗闇に溶けた少年犯罪が、ほくそ笑んでいます。病気に怯えながら原付で踏切を渡る俺は青い光を避けるあまり、左右確認を怠った。冬になると思考は時空を行き来し、他人と交わることはないが過去の自分とは時たま会話ができるようだ。感覚とイメージで生きてる瞬間がある。真っ直ぐな瞳に見つめられることによって僕は咳こみ、しょーもない大人になったな、と思った。排気ガスで濁った道は思ったよりも静かで、マグマの上をパラグライダー

      • アイ・スティル・リメンバー・ユー

        誰も傷つかない嘘をつこう。みんなとおんなじ服を着よう。僕は僕の話をします。11月は寂しい季節で、そのくせ晴れの日が多くて、しわしわの心を干したくなります。お花を買おう。僕以外の人の為に、飾るのではなく手向ける為に、黄色や紫の花を。一面露草の丘に、1台のきらびやかな自動販売機、そうなって100年、俺の墓。 沈んだ気持ちが常です。ガレージに閉じ込めた魂に謝ります。硬質な甘いアルペジオを聴きたいな。共鳴して泣いてくれるロックンロールがいつまでも死ぬまでもそばにいてくれますように。

        • 足音

          いつも口の中は血の味がします。画面に打ちこんでは消して、また少し打ちこんでと、言葉はゆっくり増えていきます。 よく、夜に近所の住宅街を散歩します。いろいろな匂いがします。金木犀の匂い、線香の匂い、木の実の匂い、塗料の匂い、原付が通り抜けた匂い、フェンダージャズマスターの匂い、、など。楽しいです。風呂上がりの熱い体だと、Tシャツでいけます。下はナイキのジャージです。もう15年以上は履いているブツで、素材感とダボダボ具合が気に入っているやつです。はたから見れば不審者ですが、僕ほ

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          Descendents

          10月4日、Descendentsのライブに行ってきました。大阪のゴリラホールというライブハウスでした。住之江公園駅の地下ホームから地上へ出ると、昔にこの駅で降りた事あるな、と思いましたが、いつ、なぜ来たのかは思い出せませんでした。少し時間があったのでサイゼリヤに行きました。「ただいまオーブンが壊れており、提供にかなり時間がかかります」と言われ、焦りましたが、ピザを注文、さてどうなる、と思っていたら速攻で半生のピザがでてきました。南大阪の洗礼を受けるも、冷静にトニックウォータ

          Descendents

          夜は長いです。涼しいのでクーラーはつけません。長い夜をより長く感じましょう。眠れないということは、眠らなくてもいいということで、永遠のノイズを抱きながら、彷徨うとします。夜に考え事をする時間の為に、昼間頑張ってるようです。 ロックやってる奴の、無理して笑ってる感じが好きです。溜め込んだ怒りや悲しみをぶちまけるのではなく、はにかんで、無理してそっと笑う感じが、たまらなく好きです。全てを蹴散らしながら受け入れてやる、そんな静かな炎がうっすら見えます。90年代オレゴンの街、レコー

          come and play in the milky night

          夜がコーヒーを淹れてるんだ。景色が遠ざかっていって、五感が奪われてゆく。本当のことだけを口にできたら、と時々思います。つまり、たまにはウソも必要だということでしょうか。蜘蛛の子どもに名前をつけよう。何年もの間文庫本に挟まったままのしおりみたいな、風化しない人っているのだろうか?夜は長いです。 極夜にラッパを吹いて、世界の狭さを実感します。バスケットボールの影が動いて、2秒の沈黙、照れくさい間、言葉なんかで片付けたくないこの気持ちを、宇宙いっぱいに充満させたいです。口ずさんだ

          come and play in the milky night

          断面

          だんだんと、暑さも和らいでくるのでしょうか。そしたら僕はもう少しだけ、差別をしない人になろうと思いました。 100円玉を4枚入れます。時計回りにレバーをまわします。ゴリラが当たればいいな。 下の畑に居ります。この夏は体調がめちゃくちゃ悪いです。休みが2回あったら1,5回は何らかの病院に行きます。部屋のレコードは積み上がっていき、10年来のケツのできもんもついに潰れ、日々悪臭を放ちその存在を誇示してきます。鍵は無くすわ雨漏りはするわ、出した書類は通らずに返ってくるわと、ここ

          NOW

          宙に浮く毛の生えたビー玉が見える時、僕の心はとっても穏やかなんだ。歩道橋を渡っていると、真下を東北に向かう電車が通ったもんだから、僕の取り繕った偽善を捧げようと思ったんだ。誰かを救いたいとか、みんなに愛されたいとか、若い声で叫ばれてもなんにもできないよ僕には。僕にできることはいなくなること。人一人分のスペースと酸素を明け渡してナチュラルに忘れていただくこと。君がそうしたように。 遠い宇宙の今と違う時代を想う。ローソクの炎は揺れて、虹のトンネルは塞がれて、それでもまた来年には

          ぬかるみ

          俺をタコせんべい作る機械で押し潰してほしい、どう考えても。 都会に馴染めずベンチを探して、押し流されていく死んだ憎悪みたいな無表情な空を見つめながら、肌寒い夜にニルヴァーナを聴いている。ニルヴァーナはちょっと暗い友達です。 作られた自然や匂いに癒され、ありのままでいようとする。俺はロックから色々学んで、ロックからはしごを外された。それでもまだ好きだ。歪んだギターや、魂を絞った声には震えるんだ。何万人もが熱狂したステージは実は腐りかけていて、脆いかもしれないし、バミリだらけ

          ぬかるみ

          閉じこめたい

          年末の終電間際、大阪市を横切る3車線の道路に、車は一台もいませんでした。静まった都会は不気味だし、優しさの名残がシュワシュワと蒸発しています。ゆく宛のないため息は、巨大な物流倉庫へと運ばれてゆきました。そこで機械によりアマゾンのダンボールに詰められ、ウクライナへと旅立ちました。僕たちは人間です。最近3日に一回は確認します。確認が大事です。僕たちの思考や感情を、科学的知見から何かの信号だとかなんとかくだらない見解を述べる奴がいますが、説明できないから心は見えないし、間違ったり裏

          閉じこめたい

          ありがとう

          白い息が逃げていく。去年の怪我を思い出す。僕が買ったもの、君が残したものが、風化したり踊ったり風に揺れたり、たまに電源がフッと入ったりする。茶色い目の、手袋をした子どもたちが、ずっとバイバイを言い合って、いつまでも言い合って、夕暮れが鬼の大群で埋め尽くされるまで、いつまでもそれは続いて。僕は恥ずかしくて、いつでも恥ずかしくて、他の人格に頼って、そいつが出しゃばったりして悔しくなる。そして世界はこの世から消えた人たちを置いてけぼりにして、いつでも最新の状態です。できれば僕のこと

          ありがとう

          ウォーホル

          昨日は久しぶりに京都へ行きました。アンディウォーホル展に行きました。2000円を支払って、目眩を体験しました。平安神宮の大きな鳥居は、ぐにゃりと曲がってて、もうすぐ倒壊するとオレはみている。古い西洋の絵画については、理解が及ばず退屈を感じてしまうことも多々ありますが、ウォーホルのようなポップアートにはバンドサウンドを感じ、興奮します。ビートルズ的な、セックス・ピストルズ的な。ただ、ウォーホルが京都で描いたスケッチみたいな舞妓の絵?はよくわからんかった。やたらグッズになってたけ

          ウォーホル

          のろま

          君は苦い。優しい日差しと冷たい田舎風が心をへし折る。どこまでも平たい冬です。どこまでも平たくて一人です。冷えた耳たぶでロックを受け止めろオレ。そんで血管で白目が真っ赤になれオレ。 夕方、コーヒーを淹れる。淹れるといってもuccのインスタントだが。たっぷりの粉に少しのお湯で濃いめに、これがうまいのだ。うんと体を悪くしてやるんだ。こいつを飲みながらブッダブランドの「人間発電所」を聴くと興奮して汗が止まらなくなりました。 オレもあなたも生身の人間。血が流れていて、呼吸して、死ぬ

          整骨院

          16:45分、整骨院。今日も肩甲骨の裏をグリグリされる。痛くて笑う。「凝りのトリガーを揉んでますので。」しるか。いてえよ。気張ってこーぜ。保険適応されてるらしいけど。後で会社からなんか言われないかなぁ。しるか、フォークソングに聞け。1週間履いた靴下でオイッス。 終わって本屋さんへ。なんも買うつもりなかったのに、ポール・オースターの文庫が出てたからついつい買う。また楽しみが増えてしまった。 沈んでいく太陽。山の向こうとこっちとでハッキリ分かれる色。みんな家に帰っていく。俺も

          整骨院

          Pet shop boys & girls

          昼下がり、田舎のど真ん中の、だだっ広いショッピングモールの屋上の駐車場で、缶コーヒー片手に景色を眺めている。平日の屋上はガラガラで、店の出入口近くもスペースは空いていて。山が青くて、打ちっぱなしが2個見えて、海へと続く道路の芸術的なカーブ、紳士服や車メーカーの大きい看板なんかが。生ぬるい風が少しずつHPを減らしてく。街の未来に期待して作られた負の遺産たちが傾いて、揺れて、打ち込みドラムみたいなリズムを奏でている。集まっては散らばって、うどん食ってはそば食って、テレビで流行りを

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