ぬかるみ

俺をタコせんべい作る機械で押し潰してほしい、どう考えても。

都会に馴染めずベンチを探して、押し流されていく死んだ憎悪みたいな無表情な空を見つめながら、肌寒い夜にニルヴァーナを聴いている。ニルヴァーナはちょっと暗い友達です。

作られた自然や匂いに癒され、ありのままでいようとする。俺はロックから色々学んで、ロックからはしごを外された。それでもまだ好きだ。歪んだギターや、魂を絞った声には震えるんだ。何万人もが熱狂したステージは実は腐りかけていて、脆いかもしれないし、バミリだらけで陰湿かもしれない。ステージ袖にはスタジオミュージシャンが隠れてるかもしれない。それでも客は鳥になれた。俺もなれた。まだ見ぬ北欧やチベットやモザンビークに行けた。負けねえぞ。俺はロックに喧嘩売るぞ。天気に喧嘩売るみたいに、無謀だが。ロックはやらねえが、ロックを愛し、ぶち殴ってやる。ほんで肩組んで笑って噛みついてやる。最後はドクロの十字架にキスして、神殿に二礼二拍手一礼してシェーだ。ザマミロ。

真夏の田んぼ道の十字路で、くだらねえ選挙演説なんかじゃなく、ロックをぶち撒けようじゃないか。俺の怒りは清流の澱みとなる。どこまでも弱いバリアーで突き進む君が眩しい。さぁ、準備はできたようだ。俺をタコせんべい作る機械で押し潰してくれ。

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